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キシリトールについて

【キシリトールとは】
キシリトールとは糖アルコールという代用甘味料です。糖アルコールにはキシリトールの他にソルビトールやマルチトース、エリスリトールと呼ばれるものもありますが、キシリトールが糖アルコールの中で最も甘く砂糖と同程度の甘さを持っています。
さらに、キシリトールの特徴として熱を奪う性質があり口に入れるとスーッとした清涼感があります。
また、日本では1997年に食品添加物として認可され、人体にも安全であることが確認されています。
また、キシリトールは多くの果物や野菜にも含まれ、人体でも作られていますが、キシリトールの一般的な商品であるガムやタブレットは白樺などの木やトウモロコシの芯に含まれるキシラン・へミセルロースというものを原料として作られています。
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【キシリトールの効果】
砂糖と変わらない甘さを持っていても、キシリトールには虫歯の原因にならない理由が2つあります。
①1つ目は虫歯の原因となる酸を作らないからです。通常、虫歯の原因菌であるミュータンス菌という菌が糖を食べて酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことによって虫歯になります。ですが、ミュータンス菌がキシリトールからは酸を作り出すことができないため、虫歯の原因になることはないのです。
②2つ目は虫歯の原因菌であるミュータンス菌の活動を抑制することができるからです。
キシリトールはミュータンス菌の数と酸の数を減らす働きがあり、活動を抑制することができます。

また、キシリトールには唾液の分泌促進と再石灰化作用があります。
唾液の分泌促進に関しては、キシリトールには甘みがあるため味覚を刺激し、唾液の分泌を促します。
再石灰化作用に関しては、キシリトールに含まれる糖アルコールには歯垢の清掃状態を向上させたり、フッ素と併用することにより歯を丈夫にさせます。
キシリトールの配合されたガムやタブレットを日常的に摂取していると歯垢がつきにくくなるだけでなく歯の再石灰化を促し、歯を硬くします。

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2023年05月17日 10:26

飲食の時間と甘味料について

今回は食事の時間や、おやつの取り方についてお話します。

【食事は規則正しく決まった時間に?】
お家でのご飯や、おやつの時間など普段から時間を決めていますか?
私たちが普段の食事やおやつを食べるために、お口野中は数分で酸性になり、歯の表面のミネラルが溶かされ始めます。(このことを脱灰と言います。)
その後40分ほど時間が経つと、唾液の働きにより、お口の中が中性に戻り、溶かされた歯の成分が元に戻されます。(これを再石灰化と言います。)
しかし、お菓子などをちょこちょこ食べる「だらだら食べ」をしているとお口の中が常に酸性になり、虫歯になりやすくなってしまうのです。
間食はできるだけ控えて、歯が再石灰化できる時間を確保していきましょう。

【食習慣のポイント】
①「だらだら食べ」を避け、規則正しい食生活を身につけましょう。
②就寝時は唾液の量が少なくなるので、寝る前の飲食をしないようにしましょう。
③虫歯菌はブクブクうがいで取り除くことはできません。飲食の後は必ず歯を磨きましょう。

【虫歯にならない甘味料、虫歯になる甘味料】
虫歯になりにくい甘味料があることを知っていますか?
砂糖や水飴などの、虫歯になりやすい甘味料の入っていないものを選ぶようにしましょう。
《虫歯になりにくい甘味料》            《虫歯になりやすい甘味料》
・還元水飴      ・エリスリトール       ・砂糖
・マルチトール   ・ステビア          ・水飴
・ソルビトール   ・アスパラテーム       ・果糖
・キシリトール   ・サッカリン         ・麦芽糖
・パラチノース                  ・ブドウ糖

また、糖類0.5%以下は虫歯になりにくく「無」、「ゼロ」、「ノンシュガー」、「シュガーレス」と記載があります。
糖類5%以下の「低」、「控えめ」、「低減」、「カット」と記載のものは虫歯のリスクがあるので注意しましょう!

お口の中では、脱灰や再石灰化を繰り返しているのです。
食事やおやつの時間を決めて、再石灰化できる時間を作ってあげましょう。外出先などで、歯磨きをすることができない場合でもお水でお口をゆすいでみたり、虫歯になりにくい甘味料を選択するなど、できるところから始めていくと良いかもしれません。
もちろん毎食後の歯磨きが大切です。食事やおやつのあとはかならずしっかり歯磨きしましょう。
2023年05月16日 18:19

不正咬合

歯並びや噛み合わせがよくない状態の総称を不正咬合と言います。歯の位置や上下の嚙み合わせから起こり、放置すると日常生活(肩こりなど)に支障がでることもあります。まずはじめに、正しい噛み合わせについてご紹介します。



【正しい噛み合わせ】

・上下の前歯が前後2~3㎜で重なり、全ての歯が接合している
・咬み合わせたときに上下の前歯の中心があってる


【​​​​​​不正咬合の種類】

上顎前突
上の前歯、または上顎の骨が前に突き出た状態。唇が閉じにくく、乾燥しやすくなります。


・下顎前突
下の前歯が上の前歯より大きく突き出た状態。しゃくれてみえるだけでなく、食べものが食べづらくなります。

・交叉咬合
顎が左右どちらかにずれて一部の噛み合わせが上下逆になっている状態。強く噛めなかったり、頭痛や肩こりの原因になります。

過蓋咬合
上の歯が下の歯にかぶさっている状態。歯茎を傷つけやすく、歯自体を擦り減らしてしまうこともあります。

開咬
奥歯を噛んでも前歯が嚙み合わない状態。前歯でものを噛み切れず、空気がもれやすいため発音に影響がでます。

​​​​​・叢生
歯が重なりあったりして歯並びがガタガタになっている状態。歯ブラシで磨くことが難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

・空隙歯列
歯と歯の間に隙間がある状態。


不正咬合を放置していると、虫歯や歯周病だけでなく、頭痛や肩こりの原因になってしまいます。正しい噛み合わせになっていないな、と感じる方は歯医者でみてもらうことをお勧めします。
2023年05月16日 11:49

顎関節症

こんな症状がある方はいませんか?


・顎周辺がいつも痛い
・口を開閉すると音が鳴る
・顔が歪んでいる気がする
・食べ物を噛みにくい
・人差し指から薬指までの3本が口に入らない


当てはまる方は顎関節症の疑いがあります!!


顎関節症は、ストレスが主な原因になります。ストレスがかかり体に余計な力がかかると、歯を食いしばる癖がつき、痛みや口が開かない等の症状が出ます。歯を食いしばることが習慣化していると、顎関節への負担が常にかかり顎関節のリスクが高まります。個人差はありますが、一般的に女性の方が男性に比べ、骨格や筋肉が弱く血液循環が悪い傾向にあるため、それが原因となり女性の発症率が多くみられます。顎関節に負担をかけないように意識すると、自然と治ることもありますが、薬で痛みを抑えたり、マッサージでの改善することができます。



歯科では、顎関節症治療法の1つに、マウスピースがあります。普段の生活で食いしばらないように意識しても、寝てる間はそうはいきません。歯ぎしりは、歯を割ってしまう方がいるほどの強い力がかかるため、注意が必要です。マウスピースはネットに売っているものもありますが、歯科で実際に型をとり、それぞれのお口にあったマウスピースを使うことが1番効果的です。マウスピースは、顎関節症の他にも以下のようなメリットがあります。

①起床時の頭痛
②首、肩の痛み
③耳鳴り
④目覚めが悪い

通常、マウスピース着用約1週間で効果が表れると言われています。(歯ぎしりによる顎、首、肩の痛み、頭痛に悩まされていた私ですが、マウスピースを使い始めて1日目から改善されました。朝のスッキリ感が全く違うので、今ではマウスピースがないと寝れません!)


顎関節症、歯ぎしりで悩まされている方は一度マウスピースを作ってみることをお勧めします。
2023年05月15日 15:16

唾液の働き方と量の増やし方

【唾液の驚くべき力】
唾液は「汚い」というイメージがあると思いますが唾液にはさまざまな働きがあり、お口の中を潤してくれるだけでなく全身の健康に関わる大切な役割があるのです。今回は「唾液の力」についてお話します。
【唾液に含まれる成分】
健康な成人で通常1日1~1.5ml(大きなペットボトル一本分)もの唾液を分泌しています。
唾液とは、唾液腺という場所で血液の成分からできている液体のことです。
唾液の99.5%は水分、残りの約0.5%は無機成分はカルシウム、リン酸、ナトリウム
有機成分はムチンや抗菌・免疫物質で作られています。
【唾液の働き】
①消化作用
唾液に含まれるアミラーゼという酵素が、デンプンを分解し食べ物を胃で消化しやすくしてくれます。
②保湿・保護作用
お口の中の歯茎、頬、舌などは粘膜に覆われています。この粘膜を守ってくれて保湿・保護してくれるのが唾液です。
口の中がカラカラに乾いてしまうと、話ずらくなったり、食べずらくなったりするだけでなく口臭・虫歯・歯周病などの原因になります。
③自浄作用
口の中の食べかす、汚れを洗い流してくれます。よく「食後30分は歯磨きをしてはいけない」というのも食後すぐから20~30分以内は唾液の分泌量が多くなり、口の中を洗い流してくれるからです。ですが、食後はなるべくすぐに歯を磨きましょう。
④緩衝作用
お口の中はもともと酸に弱いため、中性に保つ必要があるのです。食べ物などで刺激を受け変化したお口の中を唾液が中和し元の環境に戻してくれます。特に虫歯菌が歯を溶かそうと作った酸を中和してくれる働きはとても重要です。
⑤再石灰化作用
唾液に含まれるカルシウムやリンなどは、歯の再石灰化を促し虫歯になりずらくします。
⑥抗菌作用
お口から入ってくるウイルスやバイ菌、細菌の増殖を防いでくれます。唾液の中に含まれる10種類以上の免疫物質や酵素で対抗してくれるのです。
⑦修復作用
お口の中の傷は身体の傷に比べると早く治ると思いませんか?
唾液に含まれる粘液成分のムチンが粘膜の修復作用をしてくれます。
最近では、ヒスタチンと呼ばれる唾液中のたんぱく質が血管の新生、細胞同士の接着などに影響し、傷の再生を促進することが解明されたとのことです。

【唾液が減るとどうなるのか】
唾液の分泌量が減りお口の中がカラカラに乾燥した状態です。一時的に減っただけなら問題ないのですが、慢性的に唾液の分泌量が減っていると感じる人は「ドライマウス(口腔乾燥症)」という病気を疑いましょう。「ドライマウス」になり唾液が減ってしまうとさまざまな症状が現れます。
・虫歯、歯肉炎になりやすくなる
・口臭の原因になる  ・口内炎や口角炎になりやすい
・消化能力が落ちる  ・お口の中がヒリヒリする
・味が感じにくい         ・夜中、水を飲むために起きる
・飲み込みにくい
・風邪をひきやすい
他にも口の中がネバネバしたり、話しずらくなるなどの不快な症状が続きます。

【唾液が減る原因】
・疾患(パーキンソン病、シューグレン症候群、エイズ、糖尿病)
・生活習慣や環境(ストレス、口呼吸、不十分な口腔ケア、乾燥した室内)
・加齢に伴う機能低下(女性の場合は更年期障害に見られがち)
・薬の副作用(抗うつ病薬、血圧降下剤等)
唾液は、30台をピークにどんどん減少していくようです。
加齢や投薬、ストレスなどの影響もあるのでドライマウスと疑っている人は、簡易自己診断をしてみましょう。

【ドライマウスの簡易自己診断】
・水をよく飲む
・夜中に渇きで目が覚める
・乾いた食べ物が食べにくい
・食べ物が飲み込みにくい
・今までと味が違う
・口の中がネバネバする
・入れ歯で歯茎が傷付く
もし、慢性的に唾液が減っていると感じ、日常生活に不安を感じている方は一度歯科医院を訪れることをおススメします。

【唾液を増やすためには】
まずは、十分な水分補給が大切です。タンブラーなどに入れると持ち運びができるので少しずつこまめに水分補給をしましょう。普段の食事からしっかりと噛むことも大切です。一口30回を目標によく噛んで食事を楽しみましょう。そして口と舌をよく動かすことです。
他には、唾液腺マッサージと舌トレーニングもおススメです。


〈唾液腺マッサージ〉

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お口の中にある耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)というポイントをマッサージしましょう。
①耳下腺マッサージ
親指以外の4本を頬に当て、上の奥歯周辺を後ろから前に向かって10回程度ゆっくり回す。
②顎下腺マッサージ
両手の親指を合わせ、顎下の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下5ヵ所ほどを5回ずつ押す。
③舌下腺マッサージ
両手の親指を合わせ、顎の真下から舌を押し上げるように10回押す。
これらを食事前に行うと唾液の分泌量が増え、お口の中が食事に適した環境になります。
リラックス効果も期待できるので試してみてはいかがでしょうか。
2023年05月13日 11:29

歯医者の気になるQ&A

今日は、皆さんが気になるさまざまな歯の疑問について答えていきたいと思います!



Q.歯は何本あるの?
A.成人は28本(親知らずが全部生えていると32本)、子供は上下10本ずつの20本あります。


Q.歯磨きをしても虫歯になるのはなぜ?
A.歯自体が虫歯になりやすい(遺伝)、きちんと歯を磨いたつもりが磨けていない、口腔内に細菌がある、等の理由が考えられます。


Q.虫歯は自然に治る?
A.初期虫歯は口腔清掃の徹底で元に戻ることもあります。ある程度進行すると、きちんと治療をしないと治ることはありません。


Q.虫歯になりにくい歯となりやすい歯があるのはなぜ?
A.遺伝子因子環境因子が複雑に絡み合い形成されているからです。


Q.健康な歯でいるためには?
A.食事したらすぐに歯を磨くことが簡単に始められる、健康な歯への第一歩です。


Q.歯周病って何?
A.歯垢や歯石が原因で歯肉に炎症(腫れ、出血)が起こり、歯を支えている骨(歯槽骨)が瘦せてくるもので、最悪の場合歯が抜けてしまいます。日本人で歯を失う原因1位が歯周病とも言われています。


Q.歯周ポケットとは?
.歯と歯肉の間に歯肉溝という1㎜程度の溝があり、歯周病になるとこの溝が深くなります。この部分を歯周ポケットといい、この溝が深くなればなるほど歯周病が重症になります。


Q.歯周病はどうしたら予防できる?
A.原因となるプラークが溜まらないようにすることが大切です。毎食後、正しい磨き方で歯を磨いたり、定期的に歯科でプロケアを行いましょう。


Q.歯肉炎・歯周病は何歳からなるの?
A.5歳前後から歯肉炎が徐々に始まり、歯周病もじわじわと始まってきます。


Q.歯石はどのくらいの頻度でとればいいの?
A.目安としては3~6ヶ月です。歯石は磨き残しだけでなく、唾液の成分や歯並びなど、さまざまな要因で付きやすさが変わるため、歯石除去の頻度は個人によって差があります。


Q.キシリトールっていいの?
A.キシリトールは甘味料ですが、虫歯菌の餌にならず虫歯をつくる酸も出しません。また、虫歯菌の活動力を弱める働きも持っているので、ガムや雨を食べるときはキシリトール入りのものを選ぶと良いでしょう。


Q.親知らずは抜いた方がいいの?
A.真っすぐ生えている場合や、完全に歯茎の中に埋もれて生えている親知らずは抜かなくて大丈夫です。


Q.抜歯は痛い?
A.麻酔をするので抜歯最中は痛みを感じません。麻酔が切れると痛む場合もありますが、痛み止めを処方するので心配ありません。


Q.子供の歯は何歳から磨くべき?
A.下顎2本生えてきた頃からおもちゃ感覚で歯ブラシを持たせたり、家族が歯磨きしているところを見せてあげるようにしましょう。


Q.6歳になっても第一大臼歯がまだ生えてこないけど大丈夫?
A.生える時期は個人差があります。乳歯では4~10ヶ月、永久歯では2~3年の差が出るので心配ありません。


Q.6歳臼歯が虫歯になりやすいのはなぜ?
A.乳歯の影に隠れてゆっくりと出てくるため、歯ブラシの届きにくい状態が長く続きます。虫歯菌に対する抵抗力が弱く、歯磨きの仕方が悪いと急速に大きな虫歯になってしまいます。



 
2023年05月10日 09:59

熱中症とスポーツドリンクと虫歯

これから暑い夏がやってきますね。暑い夏にはスポーツドリンクなどの水分補給が欠かせません。
ですが、スポーツドリンクは歯にはとても悪いのです。
今回はスポーツドリンクと虫歯の関係についてお話したいと思います。

【熱中症とは】
それでは最初に、熱中症とはどのような状態であるかについて簡単にまとめます。
熱中症とは、高温多湿な環境に私たちの体が適応できない状態を言い、その結果様々な症状が発生することを指します。
通常、私たちの体は、何かしらの影響で体温が上昇すれば放熱することで身体の中の体温を調整しています。しかしながら、あまりにも高温多湿な環境で長時間過ごしてしまうと、このバランスを崩してしまいます。それにより体外への熱放射が追い付かなくなり、様々な身体の不調が起こります。

【熱中症の段階別症状】
①めまいや顔のほてり
めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状は熱中症の初期症状です。すぐに涼しい所に移動し適度な水分補給をしながら、首筋や脇の下を冷やすことが必要です。
②筋肉痛や筋肉の痙攣
手足の筋肉がつるなどの症状は熱痙攣と呼ばれます。水分のみならず塩分などの補給も必要になります。
③体のだるさや吐き気
体がだるくなり、吐き気や嘔吐、頭痛などが起こります。
④汗のかきかたがおかしい
後から汗が出たり、全く汗が出なくなるというのも熱中症の症状です。
⑤体温が高い、皮膚の異常
身体が熱く赤くなっているという状態も熱中症の症状です。
⑥呼びかけに反応しない
意識がなくなり、真っすぐ歩けないなどの症状は非常に重篤な熱中症の症状です。
すぐに医療機関の受診が必要です。

【熱中症に欠かせない水分補給】
日本スポーツ協会では0.1%~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml)と糖質を含んだ飲料を推奨しています。
特に1時間以上運動をするときは4~8%の糖質を含んだものを摂取しましょう。冷えたイオン飲料や経口補水液の利用が手軽ですが、自分で調整するには1リットルの水、ティースプーン半分の食塩(2ℊ)と角砂糖を好みに応じて数個溶かして作ることもできるそうです。
〈水ではダメな理由〉
大量に汗をかくと汗とともに身体の中にあるナトリウムも失われます。
ナトリウムが失われた状態で水だけの水分補給をすると、血液のナトリウム濃度が薄まってしまいます。
そうなるとナトリウム濃度を下げないために暑くても水を欲する気持ちがなくなってしまうそうです。
それと同時に余分な水分を尿として排泄します。
これが「自発的脱水症」です。この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となります。スポーツドリンクには、ナトリウムやカリウムなどのミネラル分も含まれているため、失われた電解質を補うような成分が配合されています。
他にも疲労回復を促すクエン酸や効率的なエネルギー源となるブドウ糖なども含まれているものがあり、このような理由から熱中症対策の水分補給は、水よりも塩分や栄養分を含むスポーツドリンクの方が良いと言われています。
しかし、スポーツドリンクの飲みすぎには注意が必要です。

【スポーツドリンクは虫歯の原因になる】
スポーツドリンク500mlには3gのスティックシュガー10本分程度、炭酸ジュースは500mlでスティックシュガー20本分もの糖分が含まれているものもあります。虫歯菌は糖分を好みます。糖分を摂取し酸を作り出し歯を溶かしてしまうのです。スポーツドリンクには多くの砂糖が含まれているので虫歯菌の大好物なのです。そのため虫歯菌が活発に動いてしまいます。

【スポーツドリンクを飲んだ時の対策法】
熱中症対策にはスポーツドリンクが良いけれど飲みすぎると虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。
どのように対策したら良いのでしょうか。
〈乳幼児の対策〉
過激な運動や、極端に汗をかいたとき以外は普通の水やお茶を与えましょう。
イオン飲料を水やお茶の代わりに与えないことです。
下痢や嘔吐で脱水症状がある場合には経口補水液を飲ませてあげる。症状改善後に喉が渇いた場合には水やお茶を飲ませるようにする。
寝る前や寝ながらイオン飲料を与えないようにする。夜中に喉が渇いたときや入浴後は水やお茶を与えてあげる。
そして寝る前には歯を磨く。やむを得ず寝る前や寝ながら与えるときは水やお茶を飲ませる。あるいは与えた後に綿棒や、指先にガーゼを巻き清掃する。
〈子供~大人の対策〉
暑い日や過激な運動で汗をかく時には経口補水液を飲み、運動が終わったら普通のお水を飲む。
イオン飲料のペットボトルを持ち歩き、いつも飲む習慣や、食事をしながらイオン飲料を飲む習慣をつけないようにする。
喉が渇いたときはなるべく水やお茶を飲む。
お口の中は基本的に中性を保っています。食事の後などは酸性になるのですが、唾液がお口の中を浄化し中性に戻してくれます。
スポーツドリンクには体力回復のためクエン酸やアミノ酸などが含まれているものがあります。これはお口の中を強い酸性にしてしまい、唾液がお口の中を中和する働きが普段の食事後よりも時間がかかってしまうのです。
スポーツドリンクを飲む習慣がついてしまうとお口の中がいつも酸性の状態を保つことになってしまいます。
そうなると虫歯菌の活動も活発になります。(特に部活をしている子供は注意が必要です。)

 
2023年05月09日 10:34

歯の構造

皆さんは歯の構造についてご存じですか?

口腔内は様々な組織で形成されていますが、主に歯冠部歯根部の大きく2つに分けられます。
歯冠部は歯茎から露出している部分で、歯根部は歯茎の中に隠れている歯の根っこのことを言います。


【歯冠部】
外側から、エナメル質、象牙質、歯髄の3層構造でできています。

エナメル質→歯の表面のことをいい、普段わたしたちが見ているのはエナメル質になります。体の中で最も硬い部分と言われています。エナメル質は虫歯に対して抵抗性があり、虫歯になっても痛みを感じない部分ですが、いつのまにか進行している場合があるので注意が必要です。

象牙質→エナメル質の内側にあり、エナメル質を支える重要な役割をしています。エナメル質より柔らかく、骨に近い硬さをしています。歯の神経は象牙質の内側にあるため、象牙質が露出してしまうと冷たいものや甘いものががしみたり、歯磨きでピリッと感じることがあります。虫歯が象牙質部分までしみると痛みを感じるようになります。

歯髄→歯の中心部分にある歯の神経です。歯の痛みは主に歯髄から生じています。歯髄は大切な組織で、歯髄(神経)を取ると以下のデメリットが生じます。
①歯の寿命が短くなる(歯に栄養を送る血管までなくなってしまうため、歯の組織に十分な栄養が与えられなくなり、脆くなり寿命が短くなります。)
②虫歯の進行・再発に気づきにくい(歯髄を取ると歯がしみるような感覚や痛みがなくなり、気づかぬうちに虫歯が再発・進行することがあります。)



【歯根部】
歯を支えている歯根部には、歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜の4つの組織からできています。

歯肉→歯茎と呼ばれる部分です。磨き残しがあると歯肉が腫れて出血します。

歯槽骨→歯を支える顎の骨です。歯周病が進行すると骨が溶け、ひどいとグラグラになります。

セメント質→歯根の表面を覆っている柔らかい組織。歯周病などで歯肉がさがるとセメント質が露出し、虫歯になりやすくなります。

歯根膜→セメント質を繋ぐ薄い膜で、噛むときに歯や歯槽骨にかかる力を和らげるクッションのような役割をしています。



~歯の構造と虫歯~
虫歯の場所、進行具合にによって必要な治療は異なるので、簡単にご説明します。

★C0・・・初期虫歯のことを言います。エナメル質が溶け始め、表面が白くなっている状態です。まだ痛みはなく、丁寧な歯磨きを続けることで治ることもあります。

★C1・・・表面の虫歯です。エナメル質が更に溶け、表面が黒ずんでいる状態のことをいいます。冷たいものがしみることがあるが、痛みはまだ出ません。虫歯の部分を削り、歯科用レジンを流して固めるという治療法になります。

★C2・・・象牙質の虫歯です。エナメル質の内側、象牙質まで虫歯が進行している状態のことをいいます。冷たいものや甘いものがしみる他、時々ズキズキ痛むことがあります。虫歯に浸食されている部分を削り、詰め物で埋める治療法になります。

★C3・・・歯髄の虫歯です。歯の神経まで虫歯が進行している状態のことをいいます。冷たいものだけではなく熱いものもしみるようになり、何もしなくてもズキズキ痛みます。神経を除去し、薬剤をつめる根管治療を行います。

★C4・・・歯根の虫歯です。歯のほとんどが溶けてなくなり、歯根まで虫歯が進行している状態のことをいいます。神経が死んでいるため、痛みはありません。歯根が虫歯になった場合は、基本的に抜歯になります。抜歯後、ブリッジ、入れ歯、インプラントになります。
 
2023年05月08日 10:27

プラーク(歯垢)の取り方

毎日しっかり歯磨きをしているつもりでも、プラーク(歯垢)を100%取ることはできません。
プラークは細菌の塊、プラークがあれば虫歯や歯周病、口内炎などの口内トラブルが発生します。
病気にならないようにできるだけプラークは取っておきたいですよね。

【プラークが口内トラブルの原因】
プラークは、歯の表面に付いている白色やクリーム色をしたネバネバしているものです。
歯垢や汚れと言われることもあります。プラーク(歯垢)のことを食べかすと思っている方がいますが、あの白い塊は細菌が集まったものです。
1mgのプラークの中には、なんと約10憶の細菌がいます。
細菌は虫歯や歯周病の原因菌です。これを除去せずに放置していると、細菌を活性化させます。どんどん増えて歯を溶かし、歯肉の中へ入り向江炎症を起こすのです。プラークは時間が経つと歯石へと変化します。プラークの状態であれば自力で除去ができますが、歯石に変わってしまうと歯科の泉門の機械でなければ除去できません。そのため、毎日の歯磨きがとても大切です。さらに数カ月ごとに歯科での定期的なクリーニングを受けて、しっかりプラークを除去していきましょう。
【プラークは細菌が薄い膜となって重なったもの】
プラークは、歯の表面であるエナメル質にペリクルという薄い膜ができることから始まります。
ぺリクルは粘着性があるため、そこに同じように粘着性がある細菌が付着し、うすい層を形成します。
それが何度も繰り返されて塊になっていきます。鏡を見ずにプラークがあるかどうかを知りたければ舌や指で触ってみることです。
プラークはぬるぬるざらざらしています。プラークはどの歯のどの部分につくかによって、次の2つに分けられます。
どちらも細菌の塊という意味では同じものです。ただし、どこにあるプラークかによって中にいる細菌の種類が変わってきます。

〈歯肉縁上プラーク〉
歯の表面、見えているところについているプラークが歯肉縁上プラークです。歯の表面についたプラークが出す酸は虫歯の原因となり、歯間の境目についたプラークは歯周病の原因になります。
〈歯肉縁下プラーク〉
人の目からは見えない、歯周ポケットの中にあるプラークが歯肉縁上プラークです。
歯周病が進行してできた深い歯周ポケットの中につくため、歯ブラシでは取れません。
歯周ポケットの中は酸素がうすいため、酸素を嫌う細菌が住み着いてバイオフィルムと呼ばれる頑丈な塊を作り出します。

【プラークが付着すると起こるリスク】
①虫歯や歯周病
プラークの中にいる虫歯菌や歯周病菌により、虫歯や歯周病が発生します。虫歯菌は酸を出し、歯の表面を溶かして歯の中に侵入します。
どんどん穴を開けていき最終的には神経を汚染します。
強い痛みが出る場合もあるため、夜も眠れなくなるなど日常生活に大きな影響を及ぼします。
歯周病は感染症の1つで歯の周辺組織に細菌が侵入して繁殖し、骨を溶かしていく病気です。最後には歯が抜けてしまう病気で日本人の成人の約8割が罹患していると言われています。
②誤嚥性肺炎
プラーク(歯垢)がいっぱいの口内では、細菌の数は膨大になっています。
そのため、食べ物や唾液、水分にもたくさんの細菌がくっつくことになります。
飲み込むときにそれら胃ではなく気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。
誤嚥性肺炎は日本人高齢者の上位死因の1つです。プラークの除去で肺炎になるリスクを軽減できるのです。

【自宅でできること】
・歯磨き
実は歯磨きを正しくできている人はほとんどいないと言われています。
そしてもし歯磨きが正しくできていたとしても歯ブラシで取れる汚れは全体の約6割です。
歯ブラシの後にフロスや歯間ブラシでケアをしてやっと8割の清掃度なのです。
そこでプラークをしっかりとるための歯磨き方法は2つあります。

〈スクラビング法〉
歯の表面や歯と歯の間のプラークを落とすために有効な歯みがき方法です。
1.歯ブラシを横向きに持つ
2.歯面に垂直に(90度の角度)で毛先を当てる
3.1本ずつ磨くように小刻みに左右に動かす
注意:2本や3本の歯を一緒に磨こうとすると歯面に毛先が入りません。1本をしっかり磨くという意識で行ってください。

〈バス法〉
歯と歯肉の境目のプラークに有効な磨き方です。歯周ポケットがさほど深くなければ(歯周病が進行していなければ)歯周ポケット内のプラークを除去できます。
1.歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先が当たるように、45度の角度で毛先を当てる
2.力を入れずに小刻みに歯ブラシを動かす
注意:歯と歯肉の間に毛先が入り込むのを感じられたらOKです。歯肉を傷つけないように力を入れずに優しく磨きましょう。

【プラークのうちに除去すれば口内は守られる】
プラークは細菌の塊で、放置しているとやがて歯石に変わります。
プラークであれば歯ブラシで取れますが、歯石に変わってしまえば自力での除去は困難です。
そのため、できるだけプラークであるうちに取り除くことが大切です。毎日の歯磨きを丁寧にしっかりすることはもちろんですが、3カ月おきに歯科健診を受け、クリーニングしてもらいましょう。
 
2023年05月01日 17:16

噛ミング30運動(かみんぐさんまる)

皆さんは食事の際に食べ物をよく噛んで食べていますか?小さい頃、両親に「ゆっくり噛んで食べなさい」と言われたことがある方もいるかもしれません。実際に、一口30回噛むことを目標にした、噛ミング30運動というものを厚生労働省が提唱しています。食べ物を30回以上噛んで食べることで、身体と心の栄養となります。また、高齢者の窒息防止に基づいた取り組みの1つでもあります。


日本人は、平安から戦前までは主に米や麦、おかずは魚や野菜を食べていて、一度の食事時間は約20~30分、咀嚼回数はおおよそ1500回と言われています。弥生時代にまで遡ると、人々は木の実や干し物を食べ、一度の食事時間が1時間、咀嚼回数はなんと3900回とも言われています。現在は加工品や欧米化の食事(柔らかい食べ物)が多くなり、一度の食事で約620回しか噛んでいないことがわかっています。(弥生時代の6分の1) 普段から硬いものを食べていた弥生時代の住民は、今の日本人に比べて顎がしっかりしていて、歯並びも良かったそうです。





★実際に、よく噛んで食べることでどのようなメリットがあるのでしょうか?

・窒息防止
食べ物を喉に詰まらせなくなります。

・唾液が分泌される
唾液が多く分泌され、お口の中の汚れを自然に洗い流す効果のほか、口臭予防にも繋がります。

・肥満防止
早食い防止になり、満腹感が得られるようになります。

・消化吸収が良くなる
お口の中で消化され、胃腸の負担軽減になります。





【よく噛むための工夫 ~食事~】

①噛み応えのある食材を選ぶ
例)するめや干し物、りんご、焼き芋など

②大きめ、厚めに切る

③加熱時間を短めにして歯応えを残す

④汁やタレ等の水分は控えめにする




よく噛むことは、意識しないとなかなかできることではありません。そのため、まずは食事の工夫から始め、よく噛んで食べる癖をつけるのも良いかもしれません。噛ミング30運動でお口、身体の健康作りに努めましょう。
 
2023年05月01日 16:45
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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