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歯が無いまま放置する危険性

「歯を抜いた後、放置するとどうなるのか?」
歯を抜いて治療が終了する場合もありますが、ほとんどの場合が終了ではありません。
歯を抜いたまま放置すると・・・
残っている健康な歯を失ってしまう(歯周病や虫歯)可能性が高くなります。
また、歯が動いて見た目や顔豹の変化も起こる可能性があります。それらを防止するため、歯が無い場所には何らかの方法で補うことが必要となります。
例えば、入れ歯やブリッジ、インプラント、歯が入るまでの仮歯などです。
歯医者さんで聞いたことがあるかもしれませんが、なぜこれらの治療が必要なのかをお話していきたいと思います。

①歯が移動する
歯が無くなると、隣の歯(隣在歯)は接触点を失い、スペースがある方へ傾いていきます。
もともと咬み合っていた歯(対合歯)は、咬み合える歯を探すように伸びてきて(挺出)、さらにその隣在歯も傾いてきます。
伸びてきた歯は顎の骨の中に埋まっていた部分が露出するため、しみたり、虫歯になりやすかったりします。
歯が少ないと、頬粘膜に舌の力がかかるため、頬舌方向にも傾きやすくなります。
移動した歯は自浄作用の低下や清掃困難のために容易にプラークが付着しやすく、虫歯や歯周組織の炎症を生じます。
また、全体の咬み合わせも変化するために、物が詰まりやすくなったり、咬むと痛みなどが引き起こされます。

②歯に負担がかかる
歯は食べ物を嚙み砕いたり、すりつぶしたりして細かくしていきます。その時はぐっと力が歯にかかります。
それに加えて、咬む回数も合わせると歯にかかる負担は大きいです。
歯が一つでもなくなってしまうと咬み合わせのバランスが崩れて他の歯に負担がかかるようになります。
他の歯に強い負担がかかると歯の周辺の骨が溶けたり、歯茎が下がったりする原因になります。
また、歯への過度な負担は、歯が折れたり、根の先に膿ができたり、歯の寿命を短くすることにも繋がります。

③舌に癖がつきやすくなる
歯に大きな隙間ができると無意識のうちに舌が隙間を触っていることがあります。
歯の隙間に舌を入れる癖は、歯が押されて歯並びが悪くなる原因になります。
舌癖が改善していないのに、治療をしても歯を押す癖が残ってしまい、出っ歯や受け口などの歯が前に出ているような歯並びになる可能性が高いです。

④発音がしにくくなる
歯が無い部分にがある場合には、言葉を発するときに空気が隙間からもれてしまいハッキリとした発音ができなくなります。
特に「サ行」「タ行」「ラ行」などは、狭い隙間に空気が通ることで発音できるようになっています。
大きな隙間がある状態ではハッキリと発音できず他人からも言葉が聞き取りにくくなる場合が多くなるでしょう。

このような状態にならないためにも抜いた歯を放置せずに歯科医院を受診しましょう!


 
2023年03月14日 17:08

歯の生え変わり

今日は歯の生え変わりについてお話します。

【乳歯の生え変わり】
乳歯は、歯の元になる芽(歯胚)は妊娠6週目ごろからでき始め、妊娠中に歯胚にカルシウムやリンがくっついて硬い歯が作られていきます。
生後6ヵ月頃くらいから下の前歯(乳中切歯)から生え始め、3歳頃までに生え揃います。※歯の生える時期には個人差があります。
乳歯は上が10本、下が10本、合計20本あります。
前歯から「乳中切歯(A)」、「乳側切歯(B)」、「乳犬歯(C)」、「第一乳臼歯(D)」、「第二乳臼歯(E)」の5本で、上下左右で20本になります。


【永久歯の生え変わり】
6歳頃になると永久歯が生えてきます。第二乳臼歯(E)の後ろに、第一大臼歯(6番)が生えてきます。
第一大臼歯(6番)は6歳臼歯とも言われています。同じ時期頃に下の乳中切歯が抜けて永久歯が生えてきます。
乳歯の下で永久歯が生える準備ができると、乳歯の根(歯茎の下にある)が吸収され、頭(歯茎から上に出ている部分)だけが残り、グラグラして抜け落ちます。その抜けたところに永久歯が生えてきます。
【永久歯が生えてくる順番】
上: 第一大臼歯(6番)→中切歯(1番)→側切歯(2番)→第一小臼歯(4番)→第二小臼歯(5番)→犬歯(3番)→第二大臼歯(7番)
下: 第一大臼歯(6番)→中切歯(1番)→側切歯(2番)→犬歯(3番)→第一小臼歯(4番)→第二小臼歯(5番)→第二大臼歯(7番)
順に乳歯が永久歯に生え変わり、第一大臼歯の後ろに第二大臼歯が生えてすべての永久歯が生え揃うのは12歳頃と言われています。※この時期にも個人差があります。
18歳~20歳頃になると、親知らずが第二大臼歯の後ろに生えてくることがあります。

【生え変わりの時期に気を付けること】
①虫歯に注意
生え始めの永久歯は柔らかく、酸に溶けやすいため、虫歯になりやすい上に他の歯より一段低くなるので歯磨きがしにくくなります。
そのため注意が必要です。大人の方が仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。
②乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた
乳歯の根の吸収が起こらずに、永久歯が乳歯を避けるようにして生えてきていることが考えられます。
③乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
乳歯が抜けてから永久歯が生えるまで3ヵ月ほどかかることがあります。あまりに遅い場合は歯科医院で相談しましょう。
④乳歯が抜けない
歯の生え変わりの時期を大幅に過ぎても乳歯が抜けない場合は永久歯がないことが考えられますので、歯科医院でレントゲン写真を撮って確認することをおすすめします。

乳歯がぐらついて食べにくい、永久歯が生えてくるときに歯茎が痛い、歯並びが気になるなどございましたら、ご相談ください。
2023年03月03日 15:46

ドライマウス

口腔内の唾液が不足し、口腔内が乾燥しているように感じることはありませんか?口の中の唾液が減少し、乾燥する症状をドライマウスといいます。
ドライマウスはストレスや食生活の変化などの様々な原因によって起こり、まさに現代病であり、患者さんは増え続けているようです。
まず健康な成人の場合、唾液は1日に平均1.5リットルほど分泌されますが、ドライマウスは何らかの理由によって唾液が減少し、口腔内が乾燥した状態です。唾液の分泌は口腔内の健康維持に大きく関わってきます。そのため、唾液が減少してドライマウスになると以下のようなトラブルが現れるようになります。
①虫歯・歯周病の発症リスクが高まる
唾液には、口腔内の汚れを洗い流して衛生環境を保つ作用があります。そのためドライマウスになると口腔内の衛生環境が維持できなくなり、虫歯や歯周病かかりやすくなります。また、口腔内が乾燥するために、物を飲み込むことが難しくなります。これを嚥下障害といいます。嚥下障害が続くと食事が満足に取れなくなり、栄養バランスが崩れ体重減少にもつながります。特に高齢者の場合は、嚥下機能が低下することで、飲み込んだものが食道ではなく気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。
②口臭が悪化する
唾液には口の中を洗浄する自浄作用があります。ドライマウスになると唾液の自浄作用が働かなくなるため口腔内に汚れが溜まりやすくなり、口臭が悪化してしまいます。

【ドライマウスの原因】
①緊張、ストレス
ストレス社会は人々に緊張をもたらし、交感神経が優位となり唾液の分泌量が減り、常にのどの渇きを訴える人が増えています。
さらに粘液性の唾液が分泌されるため口腔内が乾燥しやすくなります。
②口呼吸
口呼吸をしていると口腔内が乾燥しドライマウスの原因に繋がります。
③口腔周辺の筋力の低下
唾液を分泌する唾液腺は咬むことにより刺激されます。最近ではファストフードを食べる機会が増え、柔らかい食べ物を好むようになり、昔に比べて咀嚼時間はずいぶん短くなりました。年齢を重ねるごとに口周りの筋力は低下し噛む力も衰えてくると、唾液の分泌がスムーズに行われなくなります。
④薬の副作用
抗うつ剤や鎮痛剤、抗ヒスタミン薬など、薬の中には副作用として口渇(唾液が減る)が「現れる薬があります。例えば病気によって抗うつ剤を飲み、その副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じてさらに強いドライマウスになっていく。というように複合的な原因になったりします。

【日常でできるドライマウス予防】
①こまめに水分補給する
唾液には様々な成分が含まれていますが、その大半は水分です。水分不足に陥ると唾液が生成されませんのでこまめな水分補給を心掛けることが大切です。
②鼻呼吸を意識する
口呼吸の原因は様々ですが、普段から意識して鼻呼吸を心掛けることもドライマウスを防ぐうえで重要です。

ドライマウスのことを、「単に口の中が渇いているだけ」と考える方も多いですが、ドライマウスはこのように様々なトラブルを引き起こします。
口の渇きを覚え、生活の不便さえも感じるようになったら、早めに治療しましょう。

2023年03月01日 11:31

根管治療

今回は根管治療についてお話しします。
「歯が痛い」「冷たいものがしみる」といった症状がある場合には、虫歯の可能性があります。
虫歯は初期段階では自覚症状に乏しく、気づいた時にはすでに進行していたというケースも少なくありません。
特に虫歯が大きくなり進行してしまうと虫歯の細菌が歯の神経に達してしまうと「ひどくしみる」「熱いものがしみる」「噛んでも痛い」「何もしなくても痛い」「根の先が腫れている」といった症状がでてきます。そのまま放置しても治ることはなく、一般的な虫歯治療のように「削って詰め物・被せ者を取り付ける」ことでは歯を残せなくなり抜歯しないといけなくなってしまいます。
このような場合に、抜歯を回避し、歯を残す治療方法が「根管治療」です。

「歯の神経の治療」「根の治療」とも言ったり、専門的には「根管治療」と言います。
痛みを取ると同時に長期的にきちんと噛めるように処置を行います。

歯を残す根管治療
歯の根の中の神経や血管など(合わせて歯髄とよばれています)が通っている管を根管と言います。
歯髄は根の先端から歯の中に入り、歯の成長発育に重要な役割を果たします。しかし成人になり歯が成長した後は、歯髄がなくても根の周りからの栄養供給によって歯は生存できます。

根管治療の流れ
①虫歯の除去を行い、神経が視えるところまでって抜髄をします。
②専用器具で汚染された神経や血管を完全に除去します。
③根管内を注意深く綺麗に清掃、消毒します。※無菌状態になるまでこの作業を繰り返します
④根管内に薬剤を詰め、殺菌をして仮の蓋をします。
⑤根管内がきれいになったら、再感染を防ぐために神経の代わりにガッタパ―チャ(根充材)と呼ばれるものを詰めます。

根管治療は途中で中断したまま放置しておくと根管内の細菌が増え、病状が悪化します。
再治療を行ったとしても治りが悪く、最悪の場合抜歯になるケースもあります。
治療はかならず最後まで受けることをおすすめします。
虫歯が大きくなり、ズキズキと痛みが出たり、しみるようになるとほとんどの場合抜髄になります。
神経を抜いた歯は、神経のある歯に比べ脆く、寿命が短くなります。

根管治療中、歯の根に膿が溜まっている場合、ズキズキとした痛みがあります。
また、歯茎が腫れている場合も痛みがあります。腫れがひどい場合は歯の根の中から膿を出す処置を行います。
どうしても歯の根から膿が出せない場合は、レーザーなどで歯茎を切開して膿を出して薬を飲んでいただき、腫れ、痛みを取ります。
根管内の洗浄、消毒は個人差ありますが、何度か行う必要があります。少しでも細菌が残ってしまうと、治療後の再発の可能性が高くなるからです。再発すると、再度根管治療が必要になります。徹底的に根管内の洗浄、消毒を行うことが、根管治療の成功につながるのです。
2023年02月28日 15:55

親知らずについて

親知らずとは...前歯から数えて8番目の歯のことを言います。正式名「第三大臼歯」と言います。


10代後半から20代前半の頃に生えると言われていて、ほとんどの現代日本人は親知らずが生えています。親知らずが生えていない方は全体の25%ほどと言われていて、その理由として、顎が小さくて生えるスペースが充分に確保されなかったことが挙げられます。
親知らずは一番最後に生えるため、生えるスペースが残されていなく、真っすぐ生えている方はとてもまれです。また、昔に比べ顎を使って食事をすることが減り、顎が小さくなってきてると言われていて、正常に生える方が少なくなってきているとも言われています。骨の中に埋まったまま生えてこなかったり(埋状歯)、斜めや真横に生えている(位置異常)ことが多いです。

 


【親知らずのQ&A】


Q1. 親知らずは抜いた方がいいの?
A. 抜いた方が良いものと抜かなくても良いものがあります。


抜歯しなくてもいい親知らず・・・
①上下の歯がまっすぐ生えていてうまく噛み合っている 
③虫歯、歯周病になっていない

抜歯したほうがいい親知らず・・・
①半分しか生えていない
 ⇒半分だけ生えていると隣の歯との段差があり歯磨きが難しくばい菌が残りやすくなります
②斜めや真横に生えている
 ⇒斜めや真横に生えると、隣の歯との間にばい菌が溜まりやすくなります。そうすると、親知らずだけでなく手前の歯が虫歯になるリスクもあります。25歳を過ぎると親知らずの隣の虫歯が増えると言われています。
③咬み合わせに影響がでている
 ⇒斜めや真横に生えていると、手前の歯に負荷がかかってしまい歯並びが乱れ、咬み合わせに影響がでてしまいます。影響がでる前に抜歯することをおススメします。



Q2. 親知らずはいつ抜いたらいいの?
A. 若ければ若いほど良いです。


親知らずの歯の歯根は20代前半には出来上がりますが、まだ若いため、歯根と骨の間に隙間があり抜きやすいです。段々年齢を重ねると歯根と骨の間が狭まり、また更に重ねると歯の頭と骨の隙間すらもなくなり、親知らずが抜きにくくなります。



Q3. 親知らずはなぜ痛むの?
A. 主な場合、虫歯か細菌感染です。


親知らずの一部、あるいは全部が虫歯になることで痛みがでます。細菌感染の場合、大きく二つに分けられていて、一つは親知らずの周りの歯茎が感染し腫れて痛みがでます。もう一つは感染を繰り返して歯の周り・骨の中に膿を作ってしまい、腫れて痛みがでるケースです。骨の中に埋まってしまっている親知らずは細菌による感染をしにくいので、痛みがでないことが多いです。



Q4. 抜歯をする際の注意事項は?
A. 傷の治りが悪くなってしまうため、血行の良くなることは避けましょう。


飲酒、運動、湯舟につかることは当日は控えましょう。飲酒は2~3日控えたほうが治りが良くなるといわれています。



Q5. 親知らずが腫れてる!すぐ抜歯できる?
A. できません。


親知らずは基本的に、腫れているときや痛みがある場合は抜けません。炎症が治まってから抜歯になります。



Q6. 抜歯後すぐにご飯食べれる?
A. 麻酔が切れるまでは控えましょう。


熱いもので火傷したり、頬を噛んでしまうことがあります。その後もしばらくは硬いものや刺激物は避けましょう。



今、自分の親知らずは何本生えているのか、どのように生えているのか、抜歯をするかしないか等、自分だけで判断するのは難しいと思います。歯医者さんに行って先生とよく話し合い、自分の歯について理解することが大切です。
 
2023年02月27日 16:59

酸蝕歯

みなさんは「酸蝕歯」という言葉を聞いたことがありますか?
これは酸が原因で歯が溶けてしまうことがあるというものです。
酸性が強いものを食べたり飲んだりすると、酸によって歯が溶けだしてしまうリスクがあるというのです。

近年、この酸蝕歯が「虫歯」「歯周病」に続いて歯を失う原因として問題となっています。
酸の原因は、飲食物などの酸に歯が長時間さらされることです。
歯の表面のエナメル質は、酸性度を示すPHの値が5.5以下になると、溶けやすくなります。
・炭酸飲料などはPH値2.2~2.9
・レモンPH値2.1、グレープフルーツPH値3.2、オレンジやミカンPH値3.5~3.6
・オレンジやミカンなどの果汁飲料はPH値4.0前後が多い
・ビールなどはPH値5.0以下のものが多い
・酢などを使ったドレッシングはPH値3.1~4.0
これらの飲み物や食べ物を口にしている人は、酸蝕症の危険があるということになります。
牛乳や麦茶などはPH値6.0程度のため、酸蝕症のリスクはほとんどないと考えられます。
ヘルシーなイメージのある黒酢ですが、PH値3.1程度のため酸度の面からは気を付けなければなりません。
このように体に良いとされている、黒酢、梅、フルーツ、野菜ジュース、フルーツジュース、クエン酸
美容に良いと言われているビタミンC、スポーツ中や熱中症予防に飲むスポーツドリンク
炭酸飲料、ワイン、ビールなどのお酒は歯を溶かすのに十分強い酸性です。

このような酸性度の高い飲食物を頻繁にとっている人は特に注意が必要です。

また、胃食道逆流症などの胃や食道の病気、あるいは暴飲暴食といった生活習慣などで胃酸が逆流する状態が続いていると口の中が酸性に傾くため、酸蝕歯になりやすくなります。

酸蝕歯の特徴
・冷たいものや熱いものを口に入れると歯がしみる
・歯の色がやや黄色く見えてくる
・ペンライトなどで歯を照らすと歯が一部透けて見えるなどの症状
酸蝕歯は、歯の着色や損耗によって見た目が悪くなったり、咬み合わせが悪くなったりするほか、放置していると歯の表面のエナメル質が溶けた部分から虫歯になりやすくなるという影響もあります。

酸蝕歯を予防するには
・炭酸飲料などの酸性度の高い飲料を長時間にわたって口にためない
・酸性度の高い飲食物を口にしたらお茶や水でうがいする
・酸性度の高い飲食物を口にする回数を少なくする
・唾液の分泌が少なくなるスポーツ後や就寝前は、酸性度の高い飲食物を控える

また、唾液は口内を中和させる働きや、歯の再石灰化を促進させる働きがあり、食べ物を噛む回数を増やすことで唾液量を増やすことができます。
ちなみに2015年に東京在住の15歳~80歳までの1108人を対象に行われた調査によると酸蝕歯である人の割合が26.1%、約4人に1人が酸蝕歯になっているという結果がでました。
あまり聞かない言葉ですが、歯を失う大きなリスクの1つです。
ご自身の歯の健康のために、食習慣を見直し工夫してみてくださいね!
 
2023年02月27日 11:56

歯石と歯垢の違い

歯磨き粉や歯ブラシのCMなどでよく耳にする「歯垢(しこう)」「歯石(しせき)」という2つの言葉
この2つの言葉を同じものと混同している方が多いかと思われます。
歯の健康を保つためにもそれぞれの違いについてぜひ知っていきましょう!


歯垢とは?
歯の表面を指で触った時にネバネバしたものが付くことがありますが、このネバネバが歯垢のことで別名「プラーク」とも呼ばれています。
歯垢は食べかすと思われている方も多くいらっしゃいますが、実は食べかすとは別物なのです。
歯垢は細菌の塊で、食後およそ4~8時間ほどで作られてしまうため、毎食後の歯磨きが大切です。
歯垢は細菌の塊とお話ししましたが、1ℊあたり1000億個以上の細菌が詰まっていると言われています。
ほとんどの場合は唾液の働きにより歯垢が付くのを防いでくれますが、唾液の働きが悪い部分を中心に少しずつ付いていきます。
特に唾液の分泌量が低下する就寝中などは歯垢が溜まりやすい状態になります。
歯垢が溜まりやすい場所:歯間、歯と歯茎の境目、歯が重なっている部分、奥歯の噛み合わせの溝部分

歯垢をそのまま放っておくと菌の作った酸が歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯を発生させたり、歯周病の原因になるので注意が必要です。
歯垢の段階であれば歯磨きで落とすことができます。ですが歯垢はうがいのみで落とすことができないため必ず歯磨きを使って磨く必要があります。

歯石とは?
歯石(しせき)とは歯垢が唾液中のミネラル成分によって石のように硬くなったもののことです。
歯垢の段階であれば歯ブラシで落とせますが、歯石になると歯ブラシで落とすことは不可能です。

歯垢はおよそ2日間ほどで歯石へと変わってしまうと言われています。
歯磨きをきちんとしていなかったり、磨き残しがあると歯石がどんどんできてしまいます。
そのため歯磨きがしにくい「歯と歯茎の境目」や「歯と歯の間」にできやすく、歯石はその名の通り石のように硬いため、いったん歯についてしまうと歯ブラシでは取れず、歯科医院で取り除いてもらわなければなりません。
また、歯石の表面はデコボコしているため、そこにさらに歯垢がついて歯周病の原因となってしまうこともあります。
歯石のもととなるのは歯垢ですが、歯石自体には毒性はないと言われています。
歯石自体は無毒化されていますが、歯石の表面はざらざらしており、歯石がつくと歯磨きをしても歯垢を効率よく取り除くのが難しくなり、歯周病が悪化しやすくなります。

・歯石に変わる前に歯垢を除去しましょう
歯石を発生させないためには、「いかに歯垢の状態で除去するか」ということが大事になってきます。
歯垢と歯石の違いはわかりましたでしょうか?
歯石に変化する前に上手に歯垢を除去することができれば、虫歯の発生率はより低くなることでしょう。
毎食後に歯磨きを習慣づけることが大切です。
2023年02月22日 15:20

歯並びの種類(不正咬合)


今回は歯並び(不正咬合)の種類についてお話します。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯
上顎前突とは、上の前歯が前に出ている咬み合わせの状態のことを言います。
いわゆる出っ歯といわれています。上の前歯が突出しているため、意識して唇を閉じようとしないとそのままでは口が開いてしまいます。
出っ歯には骨格による先天的なものと、日々の習慣や幼少期の指しゃぶりや舌癖(下で歯を押す)による後天的なものがあります。

叢生(そうせい)
叢生とは、歯が顎に入りきらず重なっていたり、デコボコしている咬み合わせの状態です。
乱杭歯や八重歯も叢生の1つです。歯の大きさや数に対して顎が小さい場合歯が並ぶ十分なスペースがなくなってしまいます。
歯ブラシがしっかりと届かず歯垢(プラーク)が残りやすいので、注意が必要です。厚生労働省の調査(平成23年)では、不正咬合の種類の中で叢生が最も多い(全体の43%)ということがわかっています。

下顎前突(かがくぜんとつ)・受け口
下顎前突とは下の前歯が前に出ている咬み合わせの状態のことを言います。これを反対咬合と言い、しゃくれともいわれています。
遺伝的な要因や、骨格、口呼吸、舌癖が原因になります。
顔の形に影響が出るだけでなく、食事の時に食べ物をかみ切りにくいなど生活にも影響します。受け口は自然に治癒されることはほとんどありません。
受け口の方は早期治療をおススメします。

開口(咬み合わない)
開咬は奥歯が咬み合った状態で、前歯が咬み合わず、上下の前歯に隙間がある状態のことを言います。オープンバイトとも呼ばれ、主に2種類あります。
遺伝的な要因や、おしゃぶりの使用、口呼吸、舌癖などが原因になることもあります。
奥歯は咬み合うが、前歯があいてしまう「前歯部開咬」
前歯は咬み合うが、奥歯があいてしまう「臼歯部開咬」
があります。
学校の歯科健診などで歯科医師から指摘されることも多いケースです。
前歯で上手に食べ物が嚙み切れないばかりではなく、息が漏れやすく「さしすせそ」が上手に発音できません。

正中離開(せいちゅうりかい)・すきっ歯
正中離開とは歯と歯の間に隙間がある状態を言います。真ん中の歯と歯の間に少し隙間がある方や、複数の歯と歯の間に隙間がある方など様々なケースがあります。遺伝的な要因や、頬杖、片方だけで噛む癖などの原因があります。
歯の間に隙間ができた状態のため、常に息が抜けることから、特にさ行やた行の発音が不明瞭になることがあります。
国によってすきっ歯は「幸運の歯」「冨の表れ」などと言われることもあり、日本ではあえて治療をしない方も少なくないようです。

交叉咬合(こうさこうごう)
上前歯と下前歯の中心(正中線)が一致していない状態の咬み合わせです。
幼少期の指しゃぶりや、片側だけで噛む癖、頬杖などの日常的な癖が原因となることが多い症例です。
正常な咬み合わせであれば奥歯をかみ合わせたときに上の歯は外側に、下の歯は内側に収まります。ところが交叉咬合はこれが逆になり、咬み合わせが左右に大きく崩れるため、顎や顔が曲がったように見えます。片方だけズレが生じている場合と、左右両側にズレが生じている場合がありますが、いずれの場合も奥歯で物が噛みにくく、力を入れて食いしばることができません。

遺伝などの避けては通れない先天性の歯並びもありますが、日常的な癖の改善や適切な口腔ケアで歯並びの乱れを未然に防ぐことができることをしっていただけたら良いと思います。
2023年02月21日 10:47

人間と動物の歯の違い

みなさんは人間の歯の本数を知っていますか?人間の歯は、子供の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へと一度だけ生え変わります。
乳歯は20本、永久歯は28本、親知らずを入れれば32本です。
ですが、人間以外の動物は歯の本数や生え変わりの回数、中には歯が伸び続ける動物もいたりして様々です。
今回は動物と人間の違いについて紹介します。

歯は脊椎動物(背骨のある動物)の口腔内や咽頭部(喉の奥)に存在しています。
消化器官の1つで一般に石灰化した硬い組織からできていて、主として咀嚼(食べ物をかみ砕くこと)に関わっています。
食べ物を食べるうえでとても大切なものなので、動物にとって生命を維持するうえでとても重要な役割をはたします。
水族館や動物園の動物で見たことがあると思いますが、口の中に生えている歯が全部同じような大きさで同じような形をしている動物と、同じ口の中に大きさや形の違う歯を持った動物がいます。

同じ形の歯が並んでいる場合を同形歯性、違う形が並んでいる場合を異形歯性といいます。
同形歯性:同じ形をした歯が並んでいる → イルカ、ワニなど
異形歯性:大きさや形の違う歯が並んでいる → 人間、犬、猫をはじめ多くの動物

異形歯性に歯は、役割によって歯の名前が異なります。犬歯や大臼歯などです。
異形歯性の歯は、食べ物の種類や、食べ方によって動物の歯の形も異なります。

例えば、肉食動物です。すべての歯が肉を切り裂いたり、骨をかみ砕いたりするのに適した、鋭くとがった歯を持っています。
逆に草食動物は草をすりつぶしやすくする平らな歯を持っています。

ちなみに人間を含め、肉も草(野菜)も食べる雑食動物は、とがった歯と平らな歯の両方を持ち合わせています。クマやサルも雑食です。
ウサギ・リス・ネズミ・ハムスターなどは歯が一生伸び続ける動物です。
ウサギを飼っている方はよく歯ぎしりを聞くことがあると思いますが、歯ぎしりをすることで歯の長さを調節することもあるようです。

そして鳥は全く歯がないです。歯の機能として咀嚼の役割を果たしていますが、歯を持たない鳥類はどのように物を食べるかというと、基本的には丸呑みにしています。ちなみに鳥にとって食べ物が食べやすいからくちばしになったという説や、飛ぶのに体を軽くするために歯を失ったという説などもあります!

サメの歯は1本抜けるとその後ろからすぐに新しい歯が生えてきます。
サメの歯は比較的抜けやすく新しい歯が列をなして後ろに準備していて、永久に歯が生え続けるという性質を持っています。

このように動物にとって歯というのは様々です。ただ、動物とは違い、人間の歯は永久歯を失うと二度と生えてくることはありません。入歯やインプラントの技術も進化し、失った歯を補うことはできますが、やはり自分自身の歯を大切にすることが一番大切です!


 
2023年02月20日 18:40

歯の寿命について

みなさんは自分の歯が何本あるのか知っていますか?
答えは28本で、親知らずを入れると32本あります。

では、歯の平均寿命はどれくらいだと思いますか?
前歯:約60年
小臼歯:約57年
大臼歯:約50年
それに対して現在の日本人の平均寿命は 男性:81歳 女性:87歳
寿命に対して歯の寿命は10~20年くらい早く失っています。そして40歳を過ぎると歯を失う本数は急激に増えていく統計も出ています。
永久歯が生えてから一度も虫歯や歯周病にかからなかったとすると、本当は120~200年も健康な歯でいられるのです。
歯を失う原因で最も多いのは虫歯と歯周病で、原因の8割を占めています。さらに歯周病は50代以上で歯を失う原因の半数を占めています。
そして虫歯や歯周病は奥にある歯ほどリスクが圧倒的に高くなります。
その理由はいくつか考えられますが、1つは歯の形態の違いです。平の面が多い前歯に比べると、複雑で咬む面に溝があります。
この溝は歯垢(プラーク)や食べかすが溜まりやすく、虫歯のできやすい部位にあげられます。
また、口腔内は奥に行くほどスペースが狭くなるため、歯ブラシが入りにくく、前歯よりも磨き残しが多くなります。
下の奥歯は「舌」によってさらに磨きにくくなることが、他の奥歯より平均寿命が短くなる要因の1つと言われています。

ちなみに、神経の無い歯は栄養を届けられずにもろくなる、痛みなどがないため症状に気づきにくくなるなど、様々な要素が重なって本来よりその寿命は短くなり、また生存期間は平均5~30年になると言われています。もちろん、歯の寿命は神経の有無だけで決まるものではありません。しかし、毎日のお手入れや、定期的なクリーニングと同じように、神経を残せるかは歯に寿命に大きく関わっていると言えます。
80歳日本人の歯の平均寿命は8,9本ですが、歯の寿命が1番長いスウェーデンは20本だそうです。
これは治療技術の違いではなく、歯をできるだけ長く持たせるために定期的なメンテナンスを受けているからです。
そこで日本には「8020(ハチマルニイマル)運動」というものがあります。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」という願いを込めてこの運動が始まりました。

痛みなどの自覚症状がないとなかなか歯科医院に行くのをためらってしまいますが、歯科医院で定期的なメンテナンスをして70,80歳になっても楽しく、元気に食事ができるように歯の寿命をの伸ばしていきましょう!

 

2023年02月20日 15:23
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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