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歯ブラシを定期的に変えた方が良い理由

【歯ブラシを定期的に変えた方が良い理由】
歯ブラシを最後に交換したのはいつでしょう。そんな方は要注意です。
実は長期間同じ歯ブラシを使い続けると雑菌が繁殖して歯や歯茎のトラブルを引き起こす場合もあるのです。
今回は歯ブラシの寿命や交換するタイミングについてお話します。

【今使っている歯ブラシ、どれくらい使い続けていますか?】
歯ブラシを交換する時期に悩む方も少なくないと思います。
「毛先が開いたら」「2~3ヶ月くらいで」「磨きにくくなったら」などのタイミングで交換する方もいらっしゃるでしょう。
一般的に1日3回磨く方の場合、歯ブラシの交換目安は約1ヵ月と言われています。
しかし歯ブラシの劣化具合は、磨く回数や歯ブラシ自体の丈夫さ、歯を磨く際の力加減も影響するため個人差があります。
1ヵ月以内に歯ブラシの毛先が広がってしまう場合はその時が交換のタイミングです。歯ブラシの寿命は約1ヵ月です。月初めに交換するなど、定期的に歯ブラシを交換するルーティンを取り入れてみましょう。

【まだ使えるのになぜ定期的に交換した方が良いのか】
では、なぜ1ヵ月ほどで歯ブラシを交換した方が良いのでしょうか?もったいなく感じる方もいると思いますが交換をおすすめする理由は2つあります。
「歯ブラシの寿命」と「雑菌の繁殖」です。
・歯ブラシの寿命が過ぎている
歯ブラシを使い続けていると、毛先が広がるだけでなく「歯ブラシの毛先の弾力がなくなる」「毛先が抜け落ちる、毛先が折れる」「歯茎を傷つける」といった問題もでてきます。
特に細い毛先のものや「柔らかめ」のタイプのものは消耗が早く、見た目まだ使えそうに見えても、清掃能力が低下した状態になります。
毛先が広がった歯ブラシは歯垢除去率が20%~40%も下がると言われています。歯を一生懸命磨いても、汚れを落としきれない歯ブラシでは磨き残しが溜まり、虫歯や歯周病のリスクも上がってしまい悲しいですね。また、歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまう方は歯を磨く力が強すぎるのかも知れません。歯や歯茎を歯ブラシで傷つけてしまっているかもしれないため、気をつけましょう。

【雑菌が繁殖している】
あなたは歯ブラシを使った後はどうしていますか?「歯磨きの後は水でさっと洗うだけ」「水で濡れたまま保管する」という方は要注意!
この方法で残念なことに雑菌がどんどん繁殖してしまうのです。お口の中には常在菌と呼ばれる細菌が存在しており、歯を磨くことで歯ブラシにも菌が付着します。使用後の歯ブラシには一億個以上の細菌がいると言われています。
では、雑菌だらけの歯ブラシを使い続けるとどうなると思いますか?お口の中の細菌も増殖し口臭の原因や歯周病の悪化に繋がっていくことになります。
歯ブラシの見た目に変化がないと「交換するのがもったいない」と感じてしまう方もいらっしゃると思います。
しかし歯ブラシは消耗していくものです。機能面も衛生面も維持するためにも定期的に交換することをおすすめします。

【歯ブラシの交換は1ヵ月に1回を目安に】
毎日丁寧に磨いていても、使っている歯ブラシが雑菌まみれであったり磨き残しの原因になっていたらお口の中が清潔になるどころか、お口のトラブルに繋がる可能性もでてきます。雑菌を増やさないためにも歯ブラシを使った後は次の3つを心がけましょう。
・流水で毛先の根元までしっかり洗う
・清潔なタオルやキッチンペーパーなどでしっかりと水気をふき取り、風通しの良い所で保管する
・最低1ヵ月に1回を目安に歯ブラシを新しい物に交換する。
特に虫歯や歯周病などにかかっている場合は、早く完治させるためにも歯ブラシを最低1ヵ月に1回、可能であれば2~3週間に1回交換することがとても大切です。歯も体も健康でいられるように日ごろから歯ブラシの状態をチェックするようにしてみてください。
 

 

 

2024年02月10日 10:00

フィステル

皆さんは口の中をはじめてみたとき、歯茎にニキビのようなできものができたという経験はありませんか?

お口の中にできるできものは口内炎をはじめ、様々な種類がありますが、比較的多くみられるのがフィステルと呼ばれる膿の袋です。口内炎の場合は1週間程度で自然治癒することがほとんどですが、フィステルの場合自然治癒することはほぼありません。むしろ放置するとどんどん悪化してしまいます。そこで今回は意外と怖い「フィステル」についてご紹介していきます。


☆フィステルってなに?

フィステルとは、歯茎にできるニキビのようなもので、「瘻孔」や「内歯瘻」「サイナスラクト」と呼ばれることもあります。虫歯で神経が死んでしまうなっどといった様々な原因により歯の根が炎症を起こし、それにより根の先に膿が溜まることで発生します。フィステルができても痛みがないため、できていることに気づかなかったり、気づいていても放置してしまう方も多くいますが、フィステルが現れるということは、その部分の歯が何かしらの炎症を起こしているということですので、早めに処置をしてあげる必要があります。

患者さんの中には自然に治った、寝たら良くなったとおっしゃる方もいます。しかしそれは決して治ったり良くなっているのではなくて、体の抵抗力によって症状を抑えているだけなので、治っているわけではありません。また、フィステルはニキビのように白くぷくっと膨らんだ形状をしており、指で押すと白っぽい膿がでるため、つぶして膿を出したら消えたとおっしゃる方もいますが、フィステルを潰して溜まった膿を一時的に外に出したとしても、歯の内部トラブルが治ったわけではないため、また同じ部分からフィステルは繰り返し発生します。
むしろフィステルを潰してしまうとそこから細菌が入り込み、細菌感染を引き起こしてしまう危険性があります。万が一フィステルが潰れてしまった場合はうがい薬でうがいをするなどしてお口の中を消毒し、なるべく早めに歯科医院を受診するようにしましょう。


【原因】
フィステルができる原因はさまざまですが、主に下記の4つが挙げられます。

・虫歯が進行して神経が死んでしまった場合
虫歯を放置していたら痛みが消えたという経験をお持ちの方のいらっしゃるかもしれません。痛みが消えると虫歯が治ったのではないかと勘違いしてしまいそうですが、痛みが消えるのは虫歯が治ったからではなく、むしろ虫歯が進行して神経まで達し、神経が死んでしまったために痛みを感じなくなったからです。痛みを感じなくなっても進行し続けるため、放置していると根の先で炎症が起き、細菌が繫殖してフィステルができたりします。

・歯根が割れてる場合(歯根破折)
歯根が割れたり折れたりする歯根破折と、その破折した部分から細菌が入り、フィステルができることがあります。歯根破折は歯ぎしりや食いしばりといった習慣や転倒などでの外傷により歯に過度な力が加わってしまうことが原因として挙げられますが、特に神経を取って長時間経過している歯はとてももろくなっていますので、歯根破折を起こしやすい状態になっています。歯根が折れてしまっている場合、放置しているとほとんどのケースで抜歯となってしまいますので、神経の治療をした歯の根本にフィステルができた場合は、なるべく早く歯科医院を受診するようにしましょう。


【根の治療済みの歯が再感染を起こしてしまった場合】
一度根の治療を行った歯でも、治療を途中で中断してしまったり治療がうまくいかずに細菌の取り残しがある場合、のちのちに細菌が増殖して膿が溜まり、フィステルが現れることがあります。根管治療は治療期間も長くかかってしまうため、途中で通院をやめてしまったりする方もいらっしゃるかもしれません。途中で治療をやめてしまうと、治療期間がさらに長くかかってしまうことになりますので、最後まで通うようにしましょう。


・歯周病の場合
歯周病が進行した場合、その歯周病でできた膿は、大抵歯周ポケットからでてくることが多いのですが、歯周ポケットが深かったり歯周ポケットの入り口が閉じてしまったりすると、フィステルができます。歯周病が原因のフィステルの場合、骨や神経に原因があるわけではありませんが、だからといってそのまま放置していると、根っこを溶かしたり歯の神経を死なせてしまうこともありますので注意が必要です。




~まとめ~

歯茎にフィステルができた場合、それは歯ぐきのなかで炎症が起きている証拠です。そしてその炎症の原因となる歯根破折や虫歯などは自然治癒することなく、むしろ放置することでどんどん悪化してしまいます。フィステルは痛みなどの症状がなく、フィステルができた場所によってはご自身で気づかないこともありますが、なるべく早く気づいてあげて早期に治療する方が期間も費用も少なくて済みますので、毎日のブラッシングの際にはお口の中にできものができていないかどうかチェックする習慣をつけましょう。
 
2024年02月06日 15:01

虫歯になりにくいおやつの選び方

【虫歯になりにくいおやつの選び方】
〈おやつの役割りと必要性〉
おやつは、身体に栄養を補給する役割があります。
また、1日のうちの楽しみにもなっていますので、子供の心を育てるためにも意味のあるものです。
成長するために栄養が必要ですが、子供はまだ消化器官が発達していないため、3度の食事だけでとりきることが難しいのです。
そのため、第4の食事であるおやつが大切になります。
また、食べる日の気分や体調によっても、必要とする量が変わります。1日に4回食事をするということは、その分お口の中に歯垢ができる回数が増え、虫歯になりやすくなります。せっかく栄養補給をするなら虫歯になりにくく、かつ栄養が取れるおやつを選びたいですよね。
そこで、食べても虫歯になりにくくしっかりと栄養補給ができるおすすめのおやつを紹介します。

〈むし歯になりにくいおやつの選び方〉
まず、おやつを選ぶ基準として、以下の条件に当てはまっているのかを考えてみてください。
・糖分が少ない
・食べかすが歯に残らないもの
・必要な栄養素が含まれている物

ここでいう必要な栄養素とは、たんぱく質、ビタミン、鉄分、カルシウムです。
これらの栄養素は、子供の健やかな成長のために重要です。それなのに一度に消化できる量が限られていたり、体内に吸収されにくかったりして、不足しやすい栄養素でもあります。
だからこそ第4の食事であるおやつで補う必要があります。

〈むし歯になりにくいおススメのおやつ〉
・果物…天然の甘さでビタミンを摂取するのに最適です。また、固さもあるため、咀嚼の回数が増えるのもお口の環境の発達に役立ちます。
・せんべい、クラッカー…糖分が少ないため、歯が溶かされにくいです。
・ナッツ類…不足しがちなビタミンを接種できます。また、硬いため、噛み応えもたっぷりです。ただし、4歳以下のお子さんは誤飲の可能性があるため控えましょう。
・するめ、小魚…砂糖不使用なので歯が溶ける心配がないですし、何回も噛むため、唾液が分泌されます。
・イモ類…焼き芋など、日照りのほんのりした甘さで食物繊維がよくとれます。

おやつは気分を変えてくれたり、わくわくしたりと毎日の楽しみの1つです。ダラダラと食べるのではなく時間を決めて食べて、食べた後は歯磨きやうがいをしましょう。無理に我慢するのではなく、頻度や食べ方に気をつけたり、食べた後はすぐに歯を磨くなどしておやつの時間を楽しみましょう。


 
2024年02月03日 10:58

夜に歯磨きをしないで寝るとどうなるのか

【夜に歯磨きをしないで寝るとどうなるのか】
みなさんも、一度は歯磨きをせずに眠ってしまった経験があるのではないでしょうか。
そんな翌日はとてもお口の中が気持ち悪いです。疲れている時や、飲み会の後などについつい起こりがちなことではありますが、もし頻繁にこのようなことがある場合、注意が必要です。

〈歯磨きをしないで寝てしまう危険性〉
実は眠っている間というのは虫歯や歯周病のリスクが非常に高くなります。
それはなぜかというと、お口の中に唾液の分泌が低下してしまうからです。唾液というのは、食べ物を消化する酵素の働きをしているだけでなく、お口の中を洗浄したり、中和したり、殺菌したり免疫作用を発揮したりなど、様々な役割を果たしています。
その唾液の活動が低下することにより、むし歯や歯周病の原因菌の活動が高まってしまい、むし歯や歯周病を起こしやすくなるのです。
ただでさえ、そんな状態になってしまうお口が食べかすだらけだと、どうなってしまうのか想像すると恐ろしいですね。
このような理由があるからこそ、寝る前の歯磨きというのはとても重要で1日に2,3回行う歯磨きの中でも最も時間をかけて丁寧に行う必要があります。

〈こんな方は要注意〉
特に次のような方は虫歯や歯周病リスクが高くなりがちなので注意しましょう。
・いつの間にかコタツで眠ってしまう人
寒い冬にはコタツで寝っ転がってテレビを見ながら眠ってしまう人も多いことでしょう。
一度気持ちの良いコタツに入ってしまうと、歯磨きも億劫になってしまいます。そのため、ぜひともコタツに入る前に歯磨きをしてしまうことをおすすめしますが、そもそもコタツで眠ると風邪をひきやすいので、できるだけコタツで寝ないようにしましょう。
・夜にお酒を飲む習慣のある人
夜にお酒を飲む習慣のある人は、歯磨きをせずについついいつの間にか眠ってしまうということが起こりがちです。
特にお酒というのは、利尿作用があるために、お口の中が乾燥してしまいやすく、さらに虫歯や歯周病のリスクを高めますので、より一層の注意が必要です。お酒を飲んで気持ちいいまま眠ってしまいたい、という気持ちもわかりますが、寝る前には歯磨きを忘れないようにしましょう。

〈夜に甘い物を食べることの多い人〉
食後、夜遅くテレビをも見ながら甘いものを食べるのが好きな方もいると思います。
このような方は、たとえ甘いものを食べたあとに歯磨きをしたとしても、磨き残しというのはそもそも必ず出てしまうものですから、お口に残った糖分よりできたプラークが停滞しやすくなり虫歯や歯周病にかかりやすくなります。そのため、できれば夜遅い時間に甘いものは食べないようにしましょう。

 
2024年01月23日 09:38

エナメル質形成不全

歯が生えてきたときにお子さんの歯に白い部分や茶色の部分がある歯がでてきたら心配になりますよね。検診などでエナメル質形成不全があると言われ不安になる方も多いようです。エナメル質形成不全といっても程度は様々です。




☆エナメル質形成不全って何?
エナメル質は歯の一番外側の部分で人体で一番硬いと言われています。エナメル質形成不全とは歯ができてくる過程で、歯の表面のエナメル質がうまくできずに薄くなったり脆くなったりしている状態を言います。エナメル質形成不全でわかりやすいのは歯の色が違うことです。白、黄色、茶色の変色があり点状から歯の大部分に及ぶものまでさまざまな形態があります。歯の表面はざらざらした感じでツヤはありません。歯の一部が欠けたようになっていることもあります。


【エナメル質形成不全の原因】
エナメル質形成不全があると遺伝によってできたのかと思われる方もいますが、1本から数本のエナメル質形成不全は遺伝によるものではありません。遺伝によるものはエナメル質形成にに関わる遺伝子異常にによるため、すべての歯が形成不全になります。1本から数本のものは遺伝ではなく他の要因で起こるものです。原因が特定されるものから原因が不明なものまでありますが、エナメル質を作る細胞の機能がなんらかの原因で障害されたために起こるものです。原因がわかるものとしては、乳歯をぶつけてしまったり、乳歯のむし歯が大きく、根の先に膿が溜まったりした場合、乳歯の下にある永久歯が影響を受けて形成不全が起こることがあります。
他に特定はされていませんが、栄養障害や病気、発熱性の疾患にかかった、感染症、内分泌異常などの全身的状態が影響して起こるとも言われています。全身的な状態が影響する場合は同じ時期にできる歯が同時に影響を受けるので複数の歯で発生することもあります。


【エナメル質形成不全で困ること】
エナメル質の形成不全により歯がもろくなっているため、奥歯など力のかかる部分では欠けることがあります。また、エナメル質がなくなることで虫歯になりやすくなり、食事や酸性のものに対してしみたりする知覚過敏の状態になることもあります。前歯にエナメル質形成不全ができた場合は欠けたりすることは少ないのですが、見た目が気になることが多いようです。



☆どう対応したらいいの?

エナメル質は歯が生える前にできていますので、歯が生えてきてからエナメル質形成不全を改善することはできません。むし歯にならないことを目標にしていきます。エナメル質形成不全の程度が軽い場合、まずはフッ素を塗って歯の強化をはかります。ご家庭でもフッ素入り歯磨き粉を使用していただき歯の強化をしていきます。

磨きにくい第一大臼歯にエナメル質形成不全がある場合は、仕上げ磨きは必須になります。第一大臼歯が生えてくるのは6歳前後が多く、お子さんの年齢的に、お子さんだけでは磨ききれない状態の歯であることが多いからです。生えたばかりの歯はただでさえむし歯に対して弱い状態です。さらにエナメル質形成不全が加わると虫歯に対してかなり弱い状態となります。

歯が大きく欠けていた場合は、何かで補修してあげる必要がありますが、成長に伴って噛み合わせなどは変化していくため、最終的な治療は成長が終わり噛み合わせが安定してからになります。それまではつなぎの治療としてなるべく歯質を温存するように、セメントやレジンといわれる詰め物などで最小限の補修と補強をします。歯がしみるという症状もある場合は、しみるのを防ぐ薬を塗ったり、詰め物でカバーをしてしみるのを防いだりします。可能な限り、歯と歯の神経を保存するような治療にします。成長が終わり噛み合わせが安定して、そのときに必要があれば最終的な詰め物や被せ物で治療していくことになります。

エナメル質形成不全症の歯は、むし歯になりやすく進行しやすいということもあり、油断すると大きな虫歯になってしまいます。その場合治療が大変になることが多いです。特に低年齢の方は処置自体できないことがあります。形成不全の程度によっては成長が完了した時点で処置をする必要もありますので、長期にわたり経過をみる必要がでてきます。定期的に歯医者さんで検診を受けましょう。

 
2024年01月15日 17:03

歯痛の種類

【歯痛の種類】
歯の痛みは何種類もあるのをご存じでしょうか?
今日は、それぞれを解説するとともに、どうしてそんな痛みが発生するのかについても解説していきたいと思います。
特にper(ペル)といって、根尖性の歯周炎の痛みはとてもひどい痛みです。
痛い時には、炎症がピークに達しており、麻酔も非常に効きにくく、何本か打たなければならない時もあります。
また、膿ができきらないと痛みが出るため、一時的にフタをしないでおくこともあります。
そうすることによって、中の圧が解放されて、痛みが引いていきます。

【歯痛(歯の痛みの主な種類)】
歯の痛みは大きく分けて、「歯自体の痛み」と「歯のまわりの痛み」の2種類に分けられます。
歯のまわりの痛みとは、歯肉や歯根膜、骨など歯周組織に起こる歯周炎による痛みです。
ここでは前者の「歯自体の痛み」のうち、代表的な「むし歯」「重度歯周病(歯槽膿漏)」「歯の破折」「親知らず」についてお話します。

〈むし歯〉
むし歯は、歯の表面に付着したミュータンス菌などの細菌が作るバイオフィルムが原因でなる病気です。
むし歯菌は、糖分を栄養にしてバイオフィルムを作り、酸を出して歯に穴をあけます。
むし歯菌の量、歯の質、飲食の回数、唾液の量や質、磨き残しなど、様々な原因があります。
むし歯が進行し、歯髄に近くなると痛みやしみる症状が強くなってきます。歯髄に感染した場合は強い痛みが続くことがあります。
さらに進行すると、歯根の周囲に炎症を起こし、全体に感染が広がります。

〈歯周病(歯槽膿漏)〉
歯周病は、歯と歯肉の間()から歯周病菌が入りこんで、炎症を起こして骨などの歯の周囲の組織を破壊してしまう病気です。
原因となるのは、プラーク()の中にいる細菌です。
プラークはバイオフィルムとも呼ばれており、歯の周囲に強固に付着します。
また、細菌は同時に毒素も出し、歯を支えている骨を破壊するため、最後には歯がグラグラになり、抜け落ちるという結果になります。
タバコ、薬の副作用や全身の病気により、抵抗力が落ちて歯周病が引き起こされることもあります。
また、歯周病による炎症が続いていたり、細菌が歯肉から血液や呼吸器内に侵入したりすると、糖尿病、心筋梗塞、動脈硬化症、肺炎、早産などにも関係してきます。

〈歯の破折〉
何らかの原因で歯が折れたり欠けたり、ヒビが入ったりした場合、破折した部分が歯髄に達していると、それだけで激しく痛みます。
歯の表面にヒビのような腺ができていたりその部分から歯が動いたりする場合は、歯が破折している可能性が高いでしょう。
痛みがあるのに自分では状態を確認できない場合、根の部分が折れていることも考えられますが、レントゲンの写真で調べてみないとわかりません。
歯が折れる原因としては外因性の衝撃のほか、歯ぎしりや食いしばりなどが挙げられます。

〈親知らず〉
「親知らず」は、正式には智歯または第三大臼歯と呼ばれる歯で、生える時期は10代後半~20代後半と個人差があり、人によっては生涯生えないこともあります。正常に生えれば問題ないのですが、斜めに生えたり、表面に向いて生えずに水平に埋まっていたり、磨けないほど奥に生えていたりすることがあります。
 

 

2023年12月25日 17:42

むし歯

むし歯の原因には「細菌(ミュータンス菌)」「糖質」「歯の質」の3つの要素があります。この3つの要素が重なった時、時間の経過とともにむし歯が発生します。



【むし歯の原因】

①細菌(ミュータンス菌)
ミュータンスは歯垢(プラーク)となって歯の表面に付着し、糖質から酸を作り出します。その酸が歯の成分であるカルシウムやリンを溶かして歯をもろくしていきます。

②糖質
食べ物に含まれている糖質(特に砂糖)は、ミュータンス菌が酸を作る材料に使われます。間食が多い人やキャンディーやドリンクなど甘い物をよく摂る習慣がある人は歯の表面が酸にさらされる時間が長いため、むし歯になりやすくなります。

③歯の質
歯が作られる時の環境の違いなどで個人差がありますが、エナメル質や象牙質の状況(歯の質)によってむし歯になりやすい人もいます。特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子供は注意が必要です。丈夫な歯を育てるためには、歯の土台を作る良質なたんぱく質、歯の再石灰化のために必要なカルシウムやリン、またこれらがうまく働くためのビタミンなどの栄養素が必要です。バランスの良い食事を心がけましょう。


【むし歯の進行】

むし歯の進行状態についてご紹介します。

・初期虫歯(セルフケアで修復できる。C0)
まだ歯に穴は開いていないが、表面が溶かされてツヤがなくなり、白く濁ってみえたり薄い茶色になったりします。

~症状~
痛みなどの自覚症状はありません。この初期虫歯の状態であれば、再石灰化によって健康な歯に戻すことができます。再石灰化を促進するフッ素配合歯磨き剤で健康な歯を保ちましょう。


・エナメル質のむし歯(治療が必要となる。C1)
歯の表面(エナメル質)の限られた狭い範囲に穴ができている状態のことです。

~症状~
痛みやしみる感じはありません。


・象牙質まで進んだむし歯(C2)
むし歯が歯の内部に広がり象牙質まで進んだ状態のことです。表面の穴は必ずしも大きくはなく、内部まで広がっていることもあります。

~症状~
冷たい飲食物で痛みを感じます。


・神経まで進んだむし歯(C3)
むし歯が神経(歯髄)まで進んでいる状態のことです。

~症状~
激しい痛みを伴います。


・歯根だけ残ったむし歯(C4)
歯冠部(歯茎から上の見える部分)がほとんど崩壊し、歯根だけ残った状態のことです。

~症状~
神経(歯髄)が死んでしまい、痛みを感じなくなります。神経が露出し、細菌に感染すると根の先に膿が溜まったり、痛みが起こったりすることがあります。



☆歯の根元のむし歯とは?

根面う蝕は加齢などの影響で歯茎が下がり、歯の根の部分(根面)が露出したところにできるむし歯です。特に歯の根元は酸に対する抵抗力が弱い為、「非常にむし歯になりやすく進行も早い為、歯を失うリスクが高いむし歯です。




【露出した歯の根元、象牙質にできるむし歯の特徴】

・歯茎が下がって歯の根の部分が露出したところにできる
・酸に弱く非常にむし歯になりやすい
・気づきにくい、進行しやすい、治療しにくいむし歯で歯を失うリスクが高い



歯茎が下がって根元が露出してくると弱い象牙質がむき出しになり、無防備な状態に…
本来歯ぐきに埋まっている部分にはエナメル質はなく、歯茎が下がって根元が露出してくると象牙質がむき出しになります。象牙質はエナメル質に比べ非常に酸に弱く溶けやすいのが特徴です。

 
2023年12月18日 15:09

酸蝕歯

皆さんの中には歯が溶ける病気といえばむし歯と思う方も多くいるかと思います。もちろんそれも間違いではありません。しかしむし歯以外にも歯が溶けてしまう酸蝕症というものがあります。今回は酸蝕症について詳しくお話します。


むし歯と酸蝕症は何が違うの?
虫歯というのは、お口の中の磨き残し(プラーク)の中にいる虫歯菌が糖分などを栄養として酸を作り、その酸が歯を溶かしてむし歯にしていきます。酸蝕症はお口の外からの酸(スポーツドリンクや果物など)や胃液などの酸により、歯が溶かされてしまう病気です。


むし歯と酸蝕症では歯の溶け方が違う
むし歯の場合は、歯の溝や歯と歯の間などプラークが残りやすい部分に局所的に溶けはじめます。放置すると歯に穴が開き、最悪の場合神経の治療をしなければいけないこともあります。酸蝕症の場合は、飲み物や胃液に触れた部分の歯が広範囲に溶けていきます。放置すると象牙質が見えてきて、知覚過敏のような症状や歯の表面が弱くなっているのでむし歯になりやすくなります。


酸蝕症になりやすい食べもの
酸蝕症になりやすい食べものとしては、グレープフルーツやレモンなどの柑橘系のくだものや、スポーツドリンク、酢、ビタミンドリンクなどがあります。これらの食べ物を食べてはいけないわけではありません。お口の中に長時間停滞させることで酸蝕症の原因となります。また、これらの食べ物を毎日頻繁に食べる習慣のある人や、飲み物を少しずつ時間をかけて飲んだりする場合は注意が必要です。


酸蝕歯は増加傾向にある?
最近では健康増進を目的に毎日酢をのむ習慣をつけている人も多くいます。また、若い人の中には拒食症や過食症などの摂食障害や、ダイエットなどにより自分で嘔吐するように促すことで胃酸が出てきて酸蝕歯の原因となることもあります。


酸蝕歯はどのように予防するの?
まず、食べ物や飲みものをだらだら時間をかけて食べないことが大切です。また、酸蝕歯の原因となる食べ物や飲み物を飲んだ後にうがいをしてお口の中をリセットしましょう。特に、運動中にスポーツドリンクを何度ものむ場合は注意が必要です。運動中は口呼吸となり汗もかくことでお口の中の唾液が作用しにくい状況となっています。そのため、唾液による自浄作用も働きにくいので、うがいをすると良いでしょう。


すぐ歯磨きをすると歯が削れてしまう場合も・・・
酸蝕症の原因となる食べ物や飲み物を多く飲んだ直後は、歯の表面のエナメル質がやわらかくなっています。そのため直後に歯ブラシでごしごし磨いてしまうと歯の表面が削れてしまうこともあるので、まずうがいをして30分後くらいにブラッシングを行うと良いでしょう。
 
2023年12月12日 10:03

歯と歯の間に物が挟まる理由

【歯と歯の間に物が挟まる理由】
歯と歯の間に物が挟まる理由としては、歯と歯の間の隙間が大きくなっていたり、段差ができてしまう理由はいくつかあります。
食べ物が挟まりやすいと、食事の時にストレスを感じますし、挟まった状態が続くと痛みが生じたり、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。

〈むし歯〉
むし歯ができると穴が開いて物が詰まったり、引っかかったりします。
また、以前にむし歯治療した箇所でも被せ物の下にむし歯ができたりすると被せ物がずれてきて物が挟まりやすくなります。

〈歯周病〉
むし歯以外で物が挟まりやすくなる原因としては、歯周病が考えられます。
歯周病により、歯茎や歯槽骨に炎症が広がることで、歯の支えが弱くなります。
歯周病が進行すると歯を支える顎の骨が溶けてきて噛む力が掛かると歯が動きやすくなります。
歯が動きやすくなることで、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。
歯周病により歯茎が下がることで、歯と歯茎の隙間にも食べ物が残りやすくなります。

〈歯並び、噛み合わせに問題がある〉
歯並びが綺麗だと、噛む力は歯の全体にかかり、しっかりと噛むことができます。
歯と歯の隙間も少ないため、食べ物もその間に挟まることはほとんどありません。
しかし、歯並びや噛み合わせが悪い部分があると食べ物を噛んだ時に、歯の位置や高さがずれているところに押し込まれるように力がかかるため、食べ物が挟まりやすくなります。

〈インプラントをしている場合〉
インプラントは骨との結合が強いため、位置が動いたり移動したりすることはありません。
しかし人間の歯は毎日動いていて、微妙に位置が変わるため、インプラントと自分の歯の間にどうしても隙間ができてしまうことがあります。

【歯の間に食べ物が挟まるようになった時の対処法】
〈むし歯を治療する〉
歯の間にむし歯がある場合は、むし歯の治療をして、ゆるんだコンタクト(歯と歯の隙間)を改善します。
小さいむし歯の場合はプラスチック(レジン)で治すことが多く、実際に穴が開いて進行しているむし歯は詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で治します。

〈歯周病を治療する〉
歯周病が進行している歯は、歯を支える歯茎や顎の骨が炎症により弱くなっており歯が動きやすい状態です。
歯周病の治療を行い、炎症をなくしてあげることで歯の周りの歯周組織はしっかりと歯を支えられるようになり、食事をしても食べ物が挟まりにくくなります。

〈矯正治療を受ける〉
歯の並びが不揃いだったり、噛み合わせが良くないと、その部分に食べ物が挟まりやすくなります。

〈詰め物や被せ物を新しくやり替える〉
詰め物や被せ物が入っている歯の間に食べ物が挟まる場合、それらを新しくやり替え、コンタクトがきつくなるように調整することで食べ物が挟まらないようにします。

【歯の間に食べ物が挟まらないようにする予防法】
〈きちんと歯磨きをする〉
まずは、むし歯や歯周病にならないようにきちんと歯磨きをすることが大切です。
頑張って歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯茎のきわにはプラーク()が残っていることが多いです。
歯ブラシだけでは歯の表面の約60%しか磨けないと言われています。
歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用するようにしましょう。

〈定期検診を受ける〉
自分では気づかないうちにむし歯や歯周病が進行し、食べ物が歯と歯の間に挟まりやすくなることがあります。
症状がない場合、なかなか自分では気づかないと思いますので定期的に歯科医院で検診を受け、むし歯や歯周病がないかチェックしてもらいましょう。
また、その時に自分では取り切れない汚れをクリーニングしてもらうことで、さらにむし歯や歯周病予防に繋がります。

〈矯正治療をする〉
歯並びや噛み合わせが悪く、歯磨きがやりにくいため歯周病になりやすかったり、食べ物が挟まりやすい部分が出てくる可能性があります。





 
2023年12月12日 09:52

歯茎が黒い原因と改善

【健康な歯茎の特徴】
〈プラークや歯石がない状態〉
プラーク(歯垢)が唾液内に存在するミネラルと結合して硬化すると歯石になります。
プラークは通常、歯茎と歯の間に存在し、約2日程で歯石に変わります。
丁寧なブラッシングを継続しないとプラークや歯石が蓄積し、その周辺に雑菌が増加することで歯茎が炎症するのです。

〈歯茎に細い凸凹が確認できる〉
健康的な歯茎には細かい凸凹が確認できます。それをスティップリングと呼びます。
具体的に表すと、みかんの表面に確認できる凸凹で、歯茎のコラーゲン繊維の状態が問題ないという状態です。
もし健康的な歯茎ではなく、歯周病の状態の場合、スティップリングは確認できません。

〈歯茎の色が赤くなっていない〉
健康的な歯茎の色というのは薄いピンク色をしています。
歯茎の様々な箇所が赤くなっている時には歯肉炎の場合があります。

【なぜ歯茎が黒くなるのか】
〈神経の問題が要因〉
歯に外的な要因でダメージを与えてしまった場合、歯の神経が死んでしまうケースがあります。
歯の神経が死んでしまう場合は歯自体が黒く変色し、そこから元通りになることはありません。
歯だけでなく、歯の根元が黒ずむ場合もあります。その場合、歯茎から黒い歯の根元が見えて歯茎自体が黒く見えるのです。
歯に血液がしみて出てしまうと象牙質という歯の内部の層に色素沈着するのです。

〈タバコ習慣の要因〉
タバコを吸っている方の歯茎が黒く見えるのは、ニコチンやタールなどのタバコの成分が歯茎の中にあるメラニン細胞にダメージを与えて、メラニン色素が歯茎に定着することで発生します。夏になると肌が日焼けしてしまうのと同様の現象です。
タバコの中に入っているニコチンやタールのような成分は体の血管を収縮させます。
その働きにより血流が悪化して、歯茎や口元に必要な栄養が行き渡らなくなることで、歯周病に繋がりやすくなるケースがあります。

〈差し歯に使用した金属による黒ずみ〉
差し歯で歯の根本のみが黒く見えることがあります。
これは差し歯に使用されている銀色の金属が歯茎に映って見える現象で”ブラックマージン”と呼ばれています。
鏡で見ても金属は見えていないのに、お口全体で見ると差し歯の根本だけが暗くなっている現象です。
差し歯の人の歯の根元が黒く見えているのはほとんどがこの理由です。
2023年11月27日 09:53
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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