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歯根膜の働きとは

【歯根膜とは】
食べ物を食べたり、食いしばったりするときは歯に大きな力がかかっています。
私たちは椅子に座る時、寝る時などソファーやベッドが私たちを優しく包んでくれるように、歯も衝撃が吸収されて守られているのを知っていますか?
今日は歯を守るクッション約0.3mmの厚みの歯根膜についてお話します。
歯は土台に直接くっついているわけではありません。歯の土台となる歯槽骨(しそうこつ)という骨の間に、クッション材の役割となっている歯根膜という膜があるのです。その名の通り歯の根っこにある膜で、根っこ全体を覆っています。

【歯ごたえを感じているのはどこなのか?】
歯ごたえを感じているのは歯ではありません。では、どこで歯ごたえを感じているのでしょうか?
歯茎?歯の神経?顎の骨?実はこの中のどれでもありません。
歯ごたえは「歯根膜(しこんまく)」という歯と顎の骨を繋ぐ組織で感じ取っています。

【歯根膜は0.3mm】
歯根膜の厚さは、たったの0.3mmほどしかありません。とても薄い歯根膜ですが、大切な役割があります。
それが「クッション」と「センサー」の役割です。食べ物を噛むとき、歯にはとても強い力がかかっています。歯根膜はその力をクッションのように吸収、分散し、歯や骨を保護してくれています。硬い物をガリッと噛んでしまっても歯や周りの骨が無事なのは歯根膜があってこそなのです。
また歯根膜はセンサーの役割も担っており、噛んだ時の「硬さ」や「感触」といった微妙な刺激は、歯根膜が脳に伝えています。
そのおかげで私たちは歯ごたえを感じられるのです。他にも、食品の硬さに応じて噛む力を調節することにも歯根膜は役立っています。
きゅうりのポリポリした食感やてんぷらのサクッとした食感を楽しめるのも歯根膜があるおかげなのです。

【歯根膜は一度失うと戻らない】
歯根膜は歯が抜けると一緒に取れてしまいます。たとえ入歯やインプラントで抜けた歯を補ったとしても歯根膜が元に戻ることはありません。
つまり一度でも歯根膜を失うとご飯を食べたときの食感も一緒に失われてしまうのです。

【歯根膜の役割】
①衝撃を和らげるクッション
「噛むとき」や「食いしばる時」歯は大きな力を受けます。
歯根膜は、歯が受ける衝撃が歯槽骨(歯の根っこが収まっている骨)や脳にガンガン響かないように、歯の根っこと歯槽骨の間で歯を包みこんで衝撃を和らげてくれているのです。何度も何度も噛み続けることで、歯が擦り減ったり傷ついたりすることからも防いでくれます。
②歯と歯槽骨を繋げる
歯根膜は「歯」と「骨」というまったく違う世界を繋いでいます。膜といってもとても細い糸でできていて、糸の両端は歯と歯槽骨を繋げている歯根膜の細かい糸をシャーピー繊維と言い、歯痕が歯槽骨の歯槽というくぼみからスポスポ抜けないのはこの繊維のおかげなのです。
③食感センサー
暑くなると、つるッとコシのある麺類を食べたくなりますよね。麺類を食べる時に麺の「コシ」に美味しさを感じる方は多いと思います。
食べ物の美味しさを味わうとき、「味」を区別するのは舌にある「味蕾細胞」が味を感知しますが、食感を感じるのに重要な役割を果たしているのがこの歯根膜です。
歯ざわりとか歯ごたえという感覚は、歯の感覚と咀嚼筋(噛むための筋肉)の感覚から成り立っていると言われています。
例えば、麺類が歯に当たったことを歯根膜のセンサーが知覚し、その時の咀嚼筋にかかる力を、筋肉のセンサーで知覚しています。
それらの情報が大脳のコンピューターで総合的に判断させて、麺類のコシが分かると考えられています。噛むときの筋肉の力と歯根膜によって歯ざわり・歯ごたえを感じることができるのです。どんなものが歯に触れられているかどうかが分かるのは歯根膜のセンサーのおかげです。




 

2023年09月30日 11:54

予防歯科

「歯医者が怖くて定期検診に行っていない」なんて人も多いのではないでしょうか?予防歯科に定期的に通うことで将来自分に残る歯の本数は大きく変わってきます。また、介護に頼らない健康寿命も延ばすことができます。
自分の歯を失ってはじめて大切だと気づく人もいます。大切な歯を失うことを防ぐためにも予防歯科について知りましょう。

 
☆予防歯科について
 

予防歯科とは患者さんに定期的に来院して頂き、虫歯や歯周病などのお口の中の病気が発症したり、悪化したりしないように検査、治療、生活指導を行うことです。そうすることで普段からお口の中の環境を整えて歯の寿命を長持ちさせることができます。予防歯科では1本でも多くの歯を残すことを目的にしています。自分の歯を多く残すことのメリットはたくさんあります。


~予防歯科の重要性~

予防歯科を行うことで虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。もし虫歯がみつかっても早期発見できるため、悪化する前に治療することができます。若い頃から予防歯科をうけることで、普段から患者さん一人一人のお口の中の状況にあった適切な歯磨きを行うことができ、将来的に歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。
「8020運動」をご存じでしょうか?80歳で自分の歯を20本以上残そうとする運動で、厚生労働省や日本歯科医師会が推進しています。ちなみに歯は全部で28本(親知らずを除く)あります。自分の歯が20本残っていれば、美味しく食事することができ全身の健康にもつながります。


海外と比べて日本人は予防意識が低い
日本では痛くなったら歯医者に通うことが大半ですが、欧米諸国では痛みが出る前に予防歯科へ通うことが一般的です。2012年の厚生省国民白書統計によると、予防先進国と言われるスウェーデンでは80歳以上の方のほとんどに20本以上歯が残っています。一方日本では、80歳以上の人で歯が20本以上残っている人の割合は全体の40%程度です。年々増えてはいるものの、スウェーデンと比べると半分程の数値です。

 

☆予防歯科のメリット

予防歯科には多くのメリットがあります。ここでは予防歯科のメリットを8つ紹介します。


①虫歯や歯周病の早期発見や未然に防げる
虫歯は初期のうちは痛くなく、自分では気づきません。痛くなった虫歯はかなり進行していることが多く、治療しても完治は難しいため、その後の歯のもちは悪くなります。歯周病は痛みを感じることなく進行し、気が付いたら歯がぐらぐらして抜けそう、なんてことも珍しくありません。予防歯科に定期的に通うことで、虫歯で痛い思いをする前に、進行してしまう前に治療をすることができます。また、歯周病の主な原因である歯石を取り除くことで、歯周病が進行しにくい状態を作り、維持することができます。

②健康な歯を長く維持できる
歯は一度失うと二度と元には戻りません。むし歯治療で歯を削ることは歯の寿命を縮めます。いかに歯を削ることなく健康な状態を長く維持することが大事です。歯を失えば失うほど食べられるものが減り、食事の楽しみは半減します。食事の楽しみはQOL(生活の質)において非常に重要な要素であることは言うまでもありません。そのためにも予防歯科で今ある健康な歯を守りましょう。

③見た目の美しさ
予防歯科では仕上げにPMTCを行います。PMTCとは専用の薬品とブラシで歯を徹底的に清掃することです。歯の表面に付着した飲食物の汚れが落ち、歯も明るくつややかになり見た目もきれいになります。

④痛みに苦しむことが少なくなる
早期に虫歯を発見できることで、痛みに苦しむ前に治療を受けることができます。また小さいむし歯は治療時の痛みもほとんどなく、麻酔をしないことが大半です。費用や時間も少なくて済みます。

⑤健康寿命が延びる
超高齢社会となった日本は平均寿命が男女とも80歳を超えています。今後の大きな課題は、介護に頼らず自分で最低限の生活ができる健康寿命を延ばすことです。歯の残存本数が多いほど健康寿命が長くなることが近年の研究で明らかになってきました。

⑥認知症のリスクを減らせる
歯の残存本数が少ない人ほど認知症のリスクが高まることがわかっています。また、残存本数が20本未満で入れ歯などを入れていない高齢者は認知症のリスクが約2倍になるという研究結果もあります。

⑦全身の病気を予防
虫歯や歯周病は口の中だけでなく全身の病気の発症や進行にも影響を与えます。歯周病菌の毒素により動脈硬化が引き起こされ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。さらに、歯周病と糖尿病とは相互に悪影響を及ぼすことがわかっています。

⑧経済的な負担が軽くなる
予防歯科の定期検診は、費用の負担はあるものの、年に数回ほどです。虫歯や歯周病になると、治るまでに何度も通院しなければいけません。虫歯や歯周病は定期検診より費用と負担がかかります。また、予防歯科を行うことで、歯科だけでなく全身の病気を予防することにつながり。将来的な医療費の負担も大幅に軽くなります。


【予防歯科の内容】

・スケーリング…歯石を除去することです。超音波スケーラーという振動を利用して歯石を分解し、除去する器具を使用します。

・PMTC…プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略です。専用の器具や薬品を用いて歯の清掃を行うことです。プロが機械を使って、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去します。汚れを落とした後には歯を滑らかに磨きあげることで着色汚れや歯垢の再付着を防ぎ、予防効果を発揮します。

・フッ素塗布…歯の構造を強くしたり、初期の虫歯を修復したり虫歯菌の力を弱めたり作用があり、虫歯予防に大きな効果が期待できます。


メインテナンス
上記の処置を定期的に行います。来院する頻度は月に1回から半年に1回程度で、患者さん一人一人のお口の状態にあわせて決められます。


 

☆予防歯科の第一歩

習慣は人から指摘されて気づくものも多いです。特に歯ぎしりは、家族や歯科医に指摘されるまで気づきません。ここでは3つの改善すべき習慣について説明します。


①ダラダラ食べをしない
ダラダラ食べは虫歯の原因になります。飲食物に含まれる糖分を栄養にして、虫歯菌は歯の表面を溶かし始めます。テレビなどを見ながらダラダラ食べ続けることで、たとえ少量でもお口の中は常に糖分が含まれることになり、歯は溶け続けてしまいます。これは甘いジュースやスポーツドリンクも同様です。食事やおやつはメリハリをつけて摂取することが大切です。

②食いしばりや歯ぎしりを防ぐ
食いしばりや歯ぎしりは歯にとても大きな負担がかかり、歯に痛みが出たり歯が擦り減ったりと悪影響を及ぼします。食いしばりは意識することで防ぐことができますが、歯ぎしりは自分では防ぐことができません。対策は専用のマウスピースを就寝時に装着するしかありません。

③鼻呼吸を意識する

口呼吸をしていると口の中はずっと乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症はもちろん、虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。昼間はできるだけ鼻呼吸を意識しましょう。




【お家でできるセルフケア】

①歯磨き
歯ブラシは使い心地がよく、ヘッドの大きさは小さいもの、ブラシの硬さは普通かやわらかいブラシを選びましょう。理想は1日3回毎食後に歯を磨くことですが、それが難しい場合は最低でも1日2回朝と夜に時間をかけましょう。

②デンタルフロス・歯間ブラシ
いくら丁寧に磨いても、歯ブラシのブラッシングだけでは歯垢は60%ほどしか除去できません。特に、歯の隙間にはデンタルフロスや歯間ブラシなどの使用が不可欠です。



【まとめ】
予防歯科とは、口の中の病気が悪化しないように検査と治療を行うことです。歯周病は、認知症、糖尿病、脳梗塞にも関係していると言われています。定期的にメンテナンスを行うことでリスクを減らします。また、80歳以上で自分の歯を20本以上残すと健康寿命を延ばすことにつながるため、予防歯科は大事です。一度予防歯科を受診してみましょう。

2023年09月25日 17:53

歯ブラシを変えるタイミング

今回は「歯ブラシのベストな交換時期」についてお話しします。
みなさんは歯ブラシをどれくらい使用したら交換していますか?歯ブラシの毛先が広がると汚れを取る力が落ちてしまいます。

【歯を磨くタイミング】
まずは、歯を磨くベストなタイミングについてです。
ベストなタイミングは、食後すぐに歯みがきをし、お口の中が酸性に傾いている時間を短くすることが歯を守るためには良いと言えます。口内に虫歯菌が最も多くなるのは唾液の分泌が減って口内が乾燥する就寝中です。
これらの理由から、歯磨きにベストなタイミングは以下です。
①朝起きてすぐに ②朝、昼、晩の食事の後すぐ ③就寝前
1日に5回の歯磨きが理想ということになりますが、朝起きた直後は軽く磨いて就寝前に1番丁寧にケアをするのが理想です。
 
①朝起きてすぐに
寝ている時は唾液の分泌が減るので、お口の中が乾燥して細菌が増殖しやすくなる時間帯と言えます。
朝起きてすぐの歯磨きは、眠っている間に増えた細菌を洗い流すための歯磨きになります。
歯磨きを毎朝の習慣にしましょう。
②朝、昼、晩の食事のあとすぐ
食後すぐの歯磨きは、外出中などでできない時もあるでしょう。
その場合は、洗口剤や歯磨きセットを持ち歩くか、キシリトールガムを噛むことでケアすることができます。
ガムを噛むと唾液が分泌されて、食後に酸性に傾いている口内を中和させる効果が期待できます。
この場合はガムをノンシュガーのものにするのがおすすめです。
③就寝前
就寝中は口内の細菌が1番増えるタイミングなので、寝る前に歯磨きで口内の細菌を一時的に減らしておくことが大切です。
寝る前の歯磨きでどれだけ歯垢(プラーク)を落として口内の細菌を減らせるかが、虫歯や歯周病予防の効果に直結する大切なポイントです。

【歯ブラシの交換時期】
歯ブラシを長く使っていると、、、
・汚れを落とす力が4割も落ちてしまう・歯や歯茎を傷めてしまう・歯ブラシに雑菌が繁殖する というデメリットがあります。
歯ブラシの交換時期としては、3つが主流だそうです。
①毛先が傷んだら交換
②3~4ヶ月に1回交換
③1ヶ月に1回交換

理想的なのは「1ヶ月に1回交換」です。
その理由は、イギリスのマンチェスター大学の研究で、1ヶ月使用した歯ブラシの先端にどれだけの細菌がついているかを調べたところ、1億匹の菌が付着していたそうです。
また、1年間に使用する歯ブラシの本数を国別に比較すると以下のようになります。
ドイツ:20本
スウェーデン:12本
韓国:8本
日本:3.5本

お口の中から歯垢や菌を取り除くために歯ブラシを使用するにも関わらず、歯ブラシ自体に億を超える細菌がついていたとしたら、歯磨きの効果がなくなってしまいます。歯ブラシの見た目が傷んでいない場合は捨てることに対して抵抗があるかもしれませんが目にみえなくても歯ブラシには多くの細菌が付着していますので、1ヶ月に1回程度の目安で買い替えましょう。

 
2023年09月19日 10:31

低位舌

【低位舌とは?】
「低位舌」は舌が正常な位置よりも低い位置にある状態のことを言い、舌の側面にはギザギザの歯の跡などが見られるのが特徴です。
低位舌では常に舌が下顎の歯に接触し、下の奥歯んお咬合面を覆う場合が多くみられます。
原因として
・花粉症などによるアレルギー性鼻炎
・アデノイド(咽頭扁桃)や口蓋扁桃の肥大などの鼻咽頭疾患による鼻閉
・乳幼児期の口呼吸や指しゃぶりの長期化
・おしゃぶりの常用
・舌小帯付着異常

などが考えられます。

【低位舌を放置するとどうなるのか】
低位舌は舌突出癖を伴うことが多く、嚥下時に下顎の前歯を舌側から押している状態です。
舌の先の方および左右に歯の圧痕がみられることが多く、成長期においては、下の顎の歯槽部や下顎の歯を前や左右に押し出してしまい、舌骨上筋群であるオトガイ舌骨筋が下の顎全体を前に誘導してしまうため、反対咬合や交叉咬合が生じる原因となります。
また、安静時に舌先が常に下の前歯に接触していることで、空隙歯列(すきっ歯)や開咬を引き起こす可能性があります。
舌小帯付着異常が原因の場合、舌運動を阻害、制限してしまい発音障害を引き起こすことがあります。
また、舌突出癖や咬舌癖、弄舌癖など口腔習癖が生じる場合があります。
矯正治療中にも抜歯による隙間の閉鎖が妨げられてしまい、奥歯の交叉咬合を助長し、矯正治療が思うように煤sまず、矯正治療の治療期間延長の原因となる可能性があります。

【低位舌が原因と考えられる具体的な状態】
〈いつも口をポカンと開けている〉
低位舌は下の前歯の後ろに舌を押し付ける傾向があるので舌が下にあると気道が狭くなってしまいます。
そのため口を開けて気道を確保して口呼吸をするお子さんや大人も増えています。

〈発音や滑舌が悪い〉
低位舌は舌の筋力が弱いので、上の顎に口蓋の部分に舌を付けることが難しいです。
そのためタ行、ナ行など、口蓋に舌を付ける発音が悪く、舌の動きがうまく行かないため滑舌が悪くなります。

〈くちゃくちゃ音を立てて食べ物を食べる〉
舌の筋力が弱いと舌を丸めて食べ物の形を整えたり、口蓋に食べ物を押し付けて潰して食べることができないのでくちゃくちゃ音がしているのです。

〈口腔乾燥症(ドライマウス)気味になる〉
低位舌は口を閉じていると気道の上に舌が一部乗るため、呼吸を楽にするために、口を開けて気道を確保しています。
したがって唇があれていたり、口呼吸になりお口の中が乾燥して虫歯、歯周病になりやすくなってしまいます。

〈舌のふちが歯の形でギザギザになっている〉
低位舌の特徴は舌を下の前歯の後ろに押し付けて下の顎を押してしまいます。
そのため、舌のふちに歯型がついてギザギザになってしまうのです。

〈いびきをよくかく〉
低位舌は気道をふさいでしまうので、睡眠中にいびきをかく人もいます。(個人差あり)
 
2023年09月09日 09:48

二次カリエス

◎皆さんは二次カリエスを知っていますか?

一度きちんと虫歯治療をして、銀歯を入れてもらったから大丈夫!そう安心する人が多いのですが、実は詰め物や被せ物で歯にふたをしても安心はできません。一度治療した歯が再びむし歯になることを二次カリエスと言います。
むし歯レベルが深い二次カリエスであれば、治療を繰り返していくうちに最終的には歯を失ってしまうことも… そのため二次カリエスはできるだけ予防しなければなりません。ここでは、二次カリエスとは何か、発生の原因や発見方法、予防方法などをご紹介します。大切な歯を失わないために、できることをして二次カリエスを防ぎましょう。


【二次カリエスを防ぐには?清掃と生活習慣の見直しを】

一度むし歯になった歯は治療し殺菌した上で削ったところを人工物によって蓋をします。ところがそこにさまざまな原因で菌が入り込み、銀歯の下でむし歯が再発します。それを二次カリエスと呼びます。二次カリエスには次で説明する複数の発生原因がありますが、そもそもは菌の活動が原因です。口内には常時数億の菌が存在しており、それらから歯を守るには清掃と生活習慣の見直しが大切です。毎日しっかりと正しい方法で歯磨きをし、食事時間は守る、間食は控える、だらだらと食べないといった習慣にすることが重要です。歯を失わずいつまでも自分の歯で食事ができるように、今の自分ができることをして歯を守っていきましょう。


 
二次カリエスはどうして発生する?

では、二次カリエスの発生原因について以下の3つをご紹介します。


①清掃が甘い
銀歯やセラミックなどの補綴物は人工物のため、当然むし歯にはなりません。しかし、その奥にある歯は天然物なので、菌が侵入すればまたむし歯になります。毎日の歯磨きが甘いと食べ残しに口内菌が付き、活動を活発化させ虫歯菌がどんどん増殖します。もともと、一度でもむし歯になったことがある場所は磨き残しが多い所です。そのため清掃が甘いとすぐに菌が増殖して歯を溶かし始めます。歯磨きのあとはデンタルフロスや歯間ブラシを使って清掃レベルをあげ、洗口液で除菌しましょう。

②詰め物や被せ物の劣化
詰め物や被せ物の劣化も二次カリエスを発生させる大きな要因です。人の顎はその人の体重分程度の力があると言われており、たとえば体重60㎏の人なら食べ物を噛むときの力も60㎏程度になります。それだけ大きな力が食事のたびにかかるので、金属で作られている詰め物、被せ物であっても使っているうちに変形します。また、詰め物や被せ物は本物の歯とセメントでくっつけているため、このセメント部分が経年劣化で溶け出し、歯との間に隙間ができてしまいます。変形や劣化でできた隙間から菌が侵入し歯をとかしていきます。

③むし歯の取り残し
最初のむし歯治療がうまくいかず、むし歯が取り残しであった場合にも二次カリエスは発生します。人の歯の根の部分はいくつも枝分かれしているしている上に曲がりくねっており、とても細いため掃除が困難です。もちろん薬剤を詰め込みますが、時間が経つと菌が再び活発に活動を始める場合もあります。むし歯が取り残されていたり、薬剤が不十分であった場合、二次カリエスは高い確率でおこるでしょう。


 

二次カリエス発見方法

続いては二次カリエスの発見方法をご紹介します。


①日ごろから鏡でチェックする
これは鏡で見えるところに限られますが、詰め物が銀ではなくレジンであった場合には、色の変化で二次カリエスに気づくことがあります。むし歯が周辺で発生していればレジンが茶色く変色、もしくは黒くなっている箇所があれば間違いなくむし歯なので、痛みがなくても歯科を受診しましょう。

②食事のときなどにしみるかどうか確認する
二次カリエスの場合、補綴物があるために見ただけではわからず自覚症状もなかなか出ません。しかし、食事のときなどに冷たい物がしみれば補綴物の下の歯がむし歯になっている可能性が高いでしょう。冷たいものがしみる時点で歯科を受診すれば、まだ神経がある歯は根管治療をせずに済むかもしれません。補綴物を外して歯を削り、むし歯を取る治療で済む可能性が高いのです。歯は神経を取ると途端に弱くなってしまいます。そのため二次カリエスでもできるだけ早く気づいて治療を受けることが大切です。冷たい物がしみるかどうか食事のときにセルフチェックしてみてください。

むし歯が進行して痛みが出ればはっきりとわかりますが、すでに一度根管治療をして神経を抜いている歯であれば痛みはなかなか出てきません。普段から歯に関心を持ち、セルフチェックをしていきましょう。



【二次カリエスの予防】
一度でもむし歯になった歯は二次カリエスが発生しやすいものです。とはいえ治療を繰り返せばいつか歯を失ってしまいます。では二次カリエスを予防するにはどうすれば良いのでしょうか?予防方法は次の4つです。


①徹底的な歯垢除去
歯垢は細菌の塊なので、これをなくせば二次カリエスが発生する可能性は格段に低くなります。毎日の歯磨きはもちろんのこと、歯磨きのあとはデンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯ブラシで届かない箇所の歯垢を落としていきましょう。特に治療箇所は詰め物や被せ物によって段差があります。その段差に汚れが溜まりやすいため、治療箇所はよりしっかりと磨くようにしましょう。

②フッ素入り歯磨き粉を使う
フッ素には歯を強くしてむし歯になりにくくする効果があります。歯科へいけば歯にフッ素塗布をしてもらえますが、細菌では市販のデンタルケア商品にもフッ素配合のものが増えてきました。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使えば、自宅でもフッ素効果を得られます。

③劣化しにくい素材を選ぶ
むし歯治療に使う補綴物を劣化しにくい素材にすることも二次カリエス予防にとって重要な方法です。

④歯科の定期検診を受ける
3ヶ月や4ヶ月に1回、歯科の定期検診を受けることも大切です。受診の頻度が高ければプロによるクリーニングで歯垢がない状態をキープしやすい上、トラブルがあっても初期に発見してすぐに治療ができます。早期発見、早期治療が最も歯を失わずに済む方法です。何もトラブルがない口内を維持するためにも歯科の定期検診を受けてくださいね。
 

☆歯を失うリスクがある二次カリエスを慎重に予防しよう

二次カリエスとは銀歯などの下で再びむし歯が発生することを言います。一度治療しているため詰め物や被せ物があり、通常の歯に比べてトラブルの発見が遅れるというデメリットがあります。治療を繰り返していけばその歯はいずれ失ってしまうでしょう。歯を失わないためには二次カリエスにならないように予防することうや、早期発見できるように自分で気を付けておくことが大切です。正しい歯磨きをしてフロスや歯間ブラシでダブルケアをし、定期的に歯科診察やクリーニングを受けましょう。二次カリエスを予防できれば歯を失う可能性を低くできます。将来の健康のためにもしっかり歯を守ってくださいね。

2023年09月04日 11:44

舌と健康状態

【舌の異常について】
舌は健康のバロメータと言われています。
健康状態によって様々に変化するため、舌を観察すれば体の状態が分かることもあるでしょう。
舌は粘膜が薄く血液の色が反映されやすいため血液の状態がわかりやすい部分なのです。
また、舌の表面は新陳代謝が盛んなため、病気の予兆が現れやすい箇所であると言えます。
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【舌には自分の健康状態が表れる】
舌は毛細血管が多く集まる粘膜組織であるため、血流や体液の変化が真っ先に現れる場所です。
舌の状態を見るだけで、血流や体液、自律神経の働き具合までもが把握できます。
例えば舌が赤く腫れている場合は、血流が悪くなっている可能性があり、舌苔が厚い場合には、代謝が悪くなっていることも考えられます。鏡でチェックして体調の変化に注意しましょう。

【舌の色が赤くなっている場合に考えられる体の不調】
舌の色が赤くなっている場合の要因の1つとして、舌炎の可能性が考えられます。
舌炎になると、舌の表面が赤く腫れて、場合によっては熱感を伴うこともあります。
外部の刺激に敏感になり食事もきちんと食べられなくなるでしょう。こうした症状の場合は、舌炎の可能性があります。
舌の色は血流の状態や体の熱量を示す手掛かりになります。
通常、健康な舌は淡い赤色かピンク色をしていますが、体が熱を持っている状態や水分不足の場合には、舌はより赤く見えることがあります。見た目では綺麗に見えても注意が必要で、このような場合は体内に熱がこもり、水分が不足している状態を示しています。
また、血液の流れが悪くなることもありアルコールや高カロリーで高脂質の食事、辛い食べ物の取りすぎなどが原因になって舌が赤くなっていると考えられます。
その場合は食事の見直しをされるのが良いでしょう。健康な舌の色を保つためにはバランスの取れた食事と適度な水分摂取が重要になります。

【白っぽく見えるのは舌苔の影響が考えられる】
体が冷えていたり、栄養が足りていなかったり、疲れていると舌の色は白く変わります。
舌の表面が白っぽく見えるのは舌苔(ぜったい)が増えすぎた状態です。
健康な人の舌は、うっすらと白い舌苔がついていて、その下のピンク色が透けて見えます。舌苔が増えすぎているのであれば、胃や腸の調子が悪いことが考えられます。
また風邪の初期症状としても、同じような状態になることがあります。
もし舌苔が黄色がかっている場合、状況はもっと深刻かもしれません。胃や肝臓などにトラブルを抱えている可能性や食べ過ぎで胃炎を起こしている可能性もあります。
舌自体が白っぽくなっている場合もありますが、これは血液の循環が悪くなっていたり体が疲れていることを示しています。
貧血気味の場合も考えられるのでまずは体を温めて栄養をしっかりととり、十分に休みましょう。

【痛みやしびれを感じる場合】
舌に痛みやしびれを感じる場合、舌痛症が要因の1つとして考えられます。
舌痛症とは、舌に痛みが生じる病気で、ピリピリとした痛みを慢性的に感じる特徴があり、原因としては細菌やウイルスの感染による炎症や、口内の遺傷などがあげられます。
見た目や触れた感じでは異常が見つかりにくく、舌先や側面にヒリヒリとした痛みやしびれが生じ、それが数週間から半年以上続くことがあります。
外症や炎症、腫れなどの明確な原因がないのに、こうした症状が現れることが特徴です。
食事や会話などに気を取られていると痛みを感じなくなるのに、何もしていない状態だと痛みを感じやすくなると言われています。
また、舌のしびれは脳や神経の病気によって引き起こされることもあります。
舌の異常の原因は多岐にわたるため、治療には最新の注意が必要です。


 
2023年08月30日 10:43

神経を抜いた歯がズキズキと痛む理由

【神経を抜いた歯がズキズキと痛む理由】
〈食事をすると痛む〉
神経を除去したはずの歯が、食事をするときに噛むと痛みを感じるようになってくることがあります。
虫歯の時とは違い、冷たい物や熱い物がしみることはありません。
食事をして噛むと痛みが出る症状には個人差があり、しばらく続くこともありますが、多くのケースで時間の経過とともに安定していきます。

〈歯茎が腫れる〉
噛むと痛みが出て、落ち着いたり、痛みが出たりを繰り返していると、歯の根の部分がぷくっと膨れて腫れてくることがあります。
腫れている間は痛みがあり、切開して膿を排膿する必要があります。

〈歯が重いと感じて違和感がある〉
体調が悪い時や睡眠不足の時など、歯や歯茎の部分が重いと感じて違和感が出ることがあります。
体調が落ち着いてくると元に戻り、体調の変化によって繰り返すことが多いです。

【神経を抜いた歯がうずく・痛む原因とは】
〈歯の根が割れている場合〉
神経を除去した歯は血液の供給がなくなるため、栄養分が行き届かず、歯の色が茶色く変色し、劣化してもろくなっていきます。
さらに劣化が進み、歯根に亀裂やひびが入ってしまった状態を「歯根破折」と呼びます。
症状としては、破折相当部の歯肉の腫れや、噛んだ時の違和感(咬合痛)が出ることがあります。
歯根破折は病気ではないため、治療方法がなく、抜歯の適用となります。
大臼歯などの複根歯の場合は、破折していない歯根を残せるケースもあります。

【神経が残っている場合】
虫歯が神経に達している場合は、神経の除去(抜髄)をします。
その際、根の先まで神経を除去しきれず、神経が一部残ってしまうことがあり、その残った神経が炎症を起こすと痛みが出る()ことがあります。
また、除去しきれなかった神経がなんらかの原因により、腐ってしまうことがあります。
この場合、菌が繁殖し根の先に病巣を作ることがあり、噛むと痛いという症状が出ます。これを「根尖病変」と言います。
神経が腐らtずに炎症が収まった場合には経過観察となることもありますが、根尖病変の場合には再度根管治療が必要となります。

【神経除去後の根の中に入れる薬が、奥まで充填されていなかった場合】
神経を除去した後には、神経が入っていた部分の空洞に薬を詰めます。
その際に、緊密に薬を詰められずに空洞や隙間ができてしまうと、細菌が繁殖しやすくなってしまい、根の先に膿が溜まり、噛むと痛いという症状がでることがあります。
進行はそれほど早くないため、徐々に根の先に炎症が出て数年単位で膿が溜まることが多いです。

【歯と顎の骨との間の膜(歯根膜)に炎症が起きている場合】
歯と顎の骨の間にある歯根膜は、クッションの役割をしています。
この歯根膜は食事をする時に噛む刺激を和らげる働きがあります。根管治療の不良により根の先に膿が溜まってしまった場合、歯が上に押し上げられることでその歯だけ噛み合わせが高くなり、噛んだ時にかかる強い力に歯根膜が耐え切れず、炎症を起こすことがあります。

【麻酔がきれた後痛みを感じる場合】
神経を除去する治療をしている時には、麻酔をしているので痛みを感じることはありません。
麻酔がきれた後に神経の処置をしたところが刺激を受けて痛みが出ることがありますが、一時的なものが多く、鎮痛剤で落ち着かせることができます。

【難易度が高い抜髄治療】
虫歯が神経まで達していると、神経を除去する治療の必要がありますが、神経の治療()はとても細かく、難しい治療です。
歯の根の形は複雑な形をしていて、器具を先端まで入れることが難しい場合も少なくありません。
特に奥歯は根が細い上に3~4本あり、真っすぐではなく器具も入りにくい場所です。
神経を除去する治療は一般的に行われていますが、難易度が高く、精密に細菌を除去しないと繰り返し治療が必要になってしまうことも多い治療です。

 
2023年08月25日 17:33

改めて、歯垢・歯石って何?

前歯の裏側や歯と歯の間などに歯石ができて気になっている方もいるのではないでしょうか?しかし、歯垢との違いや、どのようにして歯石ができるか知らないと予防や対策が取りにくいものです。今回は、歯石と歯垢の違いと歯石ができる仕組みを解説し、歯石取りの必要性もお伝えします。さらに歯石取りを歯科医院でしてもらう場合の費用や頻度を解説していきます。
 
◎歯石と歯垢の違いを知ろう

はじめに、歯垢と歯石の違いについて解説していきます。

歯垢とは・・・プラークとも呼ばれ、唾液では流されなかった細菌が歯の表面にネバネバと付着、増殖したもののことで、1㎎あたりに1億個の細菌がいるとされ、いわば細菌のかたまりです。歯と歯茎の境目や歯と歯の間、奥歯などにできやすく、むし歯の原因になるため早めに除去しなければなりません。

歯石とは・・・歯垢が固まって石灰化したものです。歯の表面についた歯垢に、唾液内のカルシウムやリン酸などのミネラルが結びつき、石のように硬くなって定着します。いわゆる細菌の化石のようなもので、一度できてしまうと歯磨きでは取れません。表面がざらざらと荒れているので、その上にまた細菌が付着、増殖しやすく、その菌が歯周病や口臭の原因になりやすいです。普段歯ブラシが当たっていないところにできるため、自分では見えにくかったり手が届きにくかったりします。そのうえ、歯石はかなり硬いため無理やりとろうとすると思わぬ怪我につながることもあるので、定期的に歯科医院で除去してもらうのが1番です。


☆歯石はどのくらいの期間でできる?
歯石が形成されるまでの期間はどれくらいなのでしょうか?
歯垢(プラーク)は、できてから2日から2週間で硬くなりはじめ、その後固まって石灰化されると言われています。個人差があるため歯石をとる頻度は人によって異なります。

 

◎歯石の種類

歯石にはできる場所によって2つの種類があります。それぞれ特徴とともに解説します。

【歯肉縁上歯石】
歯肉縁上歯石とは歯茎より上にできる歯石のことです。比較的やわらかく、白みや黄みがかった色をしています。唾液内に含まれるリン酸カルシウムが付着してできるとされ、下の前歯の裏や上の前歯の外など歯肉のライン上にできることが多い歯石です。


【歯肉縁下歯石】
歯肉縁下歯石は歯周ポケット(歯と歯茎の溝)にできることが多い歯石です。黒褐色でとても硬く除去しにくいのが特徴です。さらに、歯周ポケット内に隠れていてみえにくく、ひそかに歯周病が進行している可能性があり、炎症を起こしている場合は痛みが出ることもあります。



 

☆歯石をそのままにしておくとどうなる?

ここからは、歯石を放置していると何がよくないのか、歯石が引き起こすリスクについてさらに詳しく解決します。


むし歯や歯周病の原因に・・・
歯石をそのままにしておくと、むし歯や歯周病になる可能性があります。
なぜなら、歯石の表面はざらざらしていて歯垢(プラーク)が付着しやすく虫歯菌が増えやすいからです。虫歯菌が増殖すると、エナメル質や象牙質が浸食され溶かされてしまいます。また、歯と歯茎の間や歯周ポケットに歯石ができると歯周病菌が住み着いて繁殖しやすくなります。歯石自体には歯周病を引き起こす要因はありません。しかし、歯石周辺に繁殖した歯周病菌が歯茎に感染すると、歯周病を発症します。


口臭につながる可能性がある!
歯石は口臭の原因にもなります。歯石の表面には凹凸があるため、食べかすなどの汚れや細菌が溜まりやすく、溜まった汚れが口臭のもとになるガスを発し、においにつながります。また歯周病は進行すると膿が出る場合があり、そこから臭いが発生して口臭につながることもあります。

見た目に影響
歯石ができると見た目にも影響がでることもあります。特に歯肉縁下歯石は歯石に血が混じりやすく黒っぽく見えることがあり目立ちやすくなります。さらに歯周病が進むことによって、歯肉がブヨブヨした状態になるため、見た目への影響は大きくなります。一方歯肉縁上歯石は白っぽくて見た目はわかりにくいですが、細菌が繁殖しやすいため直接においの原因になりやすいと言えます。


☆歯石は自分で除去できる?
歯石の恐ろしさを知ると、そのままにしておくことは危険だと感じるのではないでしょうか。歯石ができてしまったら放置せず、適切な方法で除去することが大切です。歯石は硬い為、普段使う歯ブラシや歯間ブラシでは取ることができません。また、本人からは見えにくい場所や手が届きにくいところにできるので、自分で歯石をとるのは困難です。インターネットやSNSで、爪やつまようじなどの硬いものを使って自分で取り除く方法が紹介されていることもありますが、健康な歯の部分まで削れたり、歯茎を傷つけたりする可能性もあるためお勧めできません。


歯石取りは歯科医院でやってもらうのがベスト
歯石を自分でとるのは困難かつリスクが高いため、歯石は歯科医院で取り除いてもらうのが最善の方法と言えます。歯科医院で行う歯石取りは歯科用語でスケーリングと言います。専用の器具を使って丁寧に歯石を除去していきます。口腔内を健康な歯に保つためにも定期的な歯石取りをお勧めします。


☆スケーリングとは?
スケーリングとは、主にスケーラーという金属製の細長い器具を使用し、先端についた刃を歯の表面にこすりつけて歯石を削り取る方法です。歯石は、スケーラーを使って歯科医師や歯科衛生士が力を入れて削ることでやっととれるほど硬いものです。金属器具ではなく超音波の力で歯石を落とす方法もあり、医院や歯石の状態によっては併用される場合もあります。歯石取りは知識と技術を持つ歯科医師や歯科衛生士にお任せすることがおすすめです。

歯石取りの頻度は?
歯石取りはどのくらいの頻度で通えば良いのでしょうか?
目安としては3ヶ月に1回程度、溜まりやすいと感じる方は1カ月に1回程度、歯科医院の定期検診のときにしてもらうのもオススメです。

歯石をとったあとの疑問・不安
「歯石をとったら何だか歯がしみる」「歯茎がさがった」という話を聞くこともありますが、心配ありません。歯石を取ったことで今まで歯石にカバーされていた部分が露出されるため、知覚過敏のような症状が出たり、歯石を取ることで歯茎の腫れが引き締まり、歯茎が下がったようにみえるのです。そのほかに、重度の歯周病の方ですと、歯同士をくっつけていた歯石が取れ、歯が動くようになることもあります。それならば、歯石をとらない方が良いと考える方もいるかもしれませんが、本来の原因は歯石に起因するところなので、まずは歯石をとる必要があります。その上でそれぞれの症状に合わせた処置を行うことが大切です。むし歯や歯周病、口臭などの原因になる歯石ですが、普段のケアと定期的なプロのチェックで予防できますので、しっかりとケアしていきましょう。
 

◎適切に歯石を除去して良好な口腔状態を保とう

歯石とは、細菌のかたまりである歯垢が硬くなったもので、放置するとむし歯、歯周病、口臭などにつながる可能性があることがわかりました。できてしまうと自分では除去しずらいため、適切なタイミングで歯科医院に通い歯石取りをしてもらうことをおすすめします。定期的な歯石取りでケアをして、口腔内を清潔な状態に保ちましょう。

2023年08月21日 17:41

歯科健診の頻度

年齢を重ねて大人になると歯科健診の頻度に迷う方が多いようです。
小学校などでの歯科健診の感覚で、「年1回でもいいのでは」と思われる方もいるでしょう。
ですが年1回は少ないです。

【歯科健診の内容】
・歯茎のチェック ・フッ素塗布
・歯や噛み合わせ、舌のチェック ・歯科相談
・歯周ポケットのチェック ・歯のクリーニング

実施される内容は歯科医院によって変わりますが、一般的には以上の6つの観点から検診を行います。
歯科定期検診の基本は、歯茎・歯周ポケット・歯・噛み合わせのチェックです。
虫歯や歯周病、その他の病気がないか確認しています。
そして健康的な歯を保つために必要となるのが、歯のクリーニングやフッ素の塗布などです。
歯科定期検診とは以上のように、歯や歯茎に異常の無いことの確認や予防歯科の項目を中心として行われるものです。

【定期検診の頻度】
定期検診の頻度は大人で3~6ヶ月に1回が望ましいとされています。
むし歯や歯周病にかかりやすいと思われる人であれば、定期健診の頻度が高くなることもあります。
そのため、年齢を重ねた方は定期検診の頻度が多くなるでしょう。
歯周疾患は年齢を重ねるにつれ増える傾向にあるからです。
1度除去しても歯周病菌は3ヶ月後にまた増えると言われています。 そのため歯周病を防ぐ意味でも大人の方であれば3~6ヶ月に1度の頻度で検診を受けるのがおすすめです。

【定期検診のメリット】
定期検診には3つのメリットがあります。
①予防処置が受けられる
まずは歯科予防処置が受けられることが大きなメリットと言えます。
虫歯が歯周病などの歯科疾患は、予防処置にて発生を軽減させられるものです。
歯科健診を適切な頻度で受ければ、歯科疾患で痛みを感じることもなくなります。
口内の疾患は全身疾患に影響を及ぼすこともあり、口内だけでなく全身の予防処置としても役立つのです。

②早期治療につながる
歯科健診は早期治療にもつながります。 治療はいずれかの疾患にして、早期治療を始めれば治りやすく、治療期間も短くなります。
定期検診で早期に虫歯や歯周病などを発見できれば治療の負担が少なくなり、健康な歯を保ちやすくなるはずです。
そのため3~6ヶ月の検診が望ましいとされています。 年齢に関わらず大人の方でも頻度高く歯科健診に通えば、早期治療により治療の負担が少なくなるでしょう。

③医療費が安くなる
医療費が安くなることもメリットの1つです。
歯医者での歯科健診で早期発見・早期治療が行えれば、歯科治療のトータル費用は安くなります。


 

もし、歯医者の定期検診を受けないと80歳の時点で残る歯の数に圧倒的な違いが現れます。
80歳の方の残存歯数は、日本では平均12本と言われています。
しかしスウェーデンでは平均20本、アメリカでは平均17本と日本を上回っています。
スウェーデンでは定期検診の受診率は80%以上、アメリカでは70%程度です。 反して日本では10%未満とされています。
定期検診を受けると歯周病を予防しやすく、歯を残しやすくなるはずです。

毎年きちんと歯の定期検診を受けることで健康に過ごせてトータルでの医療費の負担も少なくなります。
将来に向けて歯をたくさん残したい方、虫歯の治療が辛い方、痛いのが苦手な方は積極的に検診を受けましょう。

 

2023年08月19日 09:46

先天性欠損歯

☆知っておきたい先天性欠損歯

皆さんは人の歯が何本あるかご存じですか?乳歯列は上顎10本、下顎10本の合計20本です。永久歯列なら上顎に14本、下顎に14本の合計で28本あります。(親知らずを除く)
私たちは永久歯が生えてきたら28本もの永久歯を何十年もの長い期間使い続けることになりますが、この間に「むし歯」「歯周病」「歯が割れる」「歯科矯正のための抜歯」など、お口のトラブルや歯科治療によって歯を失ってしまうこともあります。ただ、皆が最初から永久歯の本数が28本存在するとは限りません。元々永久歯が28本に満たない場合もあります。今回は元から永久歯の数が足りない状態=先天欠如についてお話します。


 

【永久歯が生えてこない原因は?対策方法はあるの?】
 

本来生えるべき永久歯28本の中で1本以上歯が足りない状態を歯の先天欠如、略して先欠と呼ばれています。原因としては、永久歯が作られる時期になにかの障害があってできなかった、歯の細胞が増えなかったことで起こります。永久歯が複数存在していない場合は、遺伝の影響や全身の病気、ホルモン分泌の異常などが考えられます。ただ、永久歯が作られる時期はお母さんのお腹にいるときから生後9か月のため、この時期に歯の先欠の対策をすることは非常に難しいと考えられます。




 

【歯の先欠はどのくらいの確立で起こるの?】
 

2010年に日本小児歯科学会で行われた7歳以上の小児1,5544人を対象にした調査では、先欠は1568名でした。これは約10人に1人ですので決してまれではないことがわかります。先天欠如の発生は、上の歯(4.37%)よりも下の歯(7.58%)の方が多いですが左右で差はないようです。歯の種類では下の第二臼歯(下5番)が多く、次いで下の側切歯(下2番)、上の第二小臼歯(上5番)、上の側切歯(上2番)の順となっています。




 

【先欠を早く発見するにはどうしたらいいの?】
 

子供の場合、先欠を普段の生活で発見することは難しいとされています。なぜなら永久歯が存在しなくても、歯が生え変わる時期まで異常が起きることが少ないからです。そのため、4つの点で先天欠如を疑う必要があります。


1.乳歯の生え変わりが遅い

2.乳歯に癒合歯がある (2つの隣同士の歯がくっついた状態を癒合歯と言います。)

3.両親に歯の先欠がある

4.乳歯列のとき乳歯に先欠がある



以上のポイントはあくまでも可能性なので必ずあるわけではなりません。確実性を考えると、かかりつけの歯科医院に定期的に通い先欠がないかを早期に確認して頂くことをお勧めします。年齢によっては、永久歯の形がなく欠如歯の可能性があると思われる部位でも数年後に再度撮影するとその部位に永久歯が発見されるケースもあります。



 

【先欠は、噛み合わせや歯並びに影響はないの?】
 

永久歯が足りない状態のため、

1.歯と歯の間があいてしまい、すきっ歯になる

2.歯が生えていないスペースに隣の歯が倒れこんできてしまう

3.歯が生えていないスペースに上下の歯が伸びてきてしまう

4.噛み合わせが悪くなってしまう


などの、歯並びの悪影響が考えられます。




 

【子供の歯科矯正治療で先欠はどのように対応するの?】

子供の歯科矯正治療では状況に応じて以下の対応をとっています。


1.歯科矯正治療で足りない歯のスペース状況を閉じる

2.足りない歯のスペースを確保し、将来インプラントやブリッジ、入れ歯などで補う

3.乳歯の根が残っているようであれば、噛み合わせなど診断し、相談の上で残しておく



 

☆まとめ
 

1.永久歯28本の中で1本以上足りない状態を歯の先天性欠如という

2.多くの歯が欠如している場合には遺伝の影響全身の病気、ホルモン分泌の異常などが考えられる

3.歯の先天性欠如に対する予防は難しい

4.歯の先天性欠如は約10人に1人

5.歯の本数が少ないと歯並びや噛み合わせに影響する

6.歯科矯正治療で歯のスペースを調整し、噛み合わせ治療を行うことも可能、場合によっては乳歯をそのまま残しておくケースもある

2023年08月08日 10:56
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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