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酸蝕歯

みなさんは「酸蝕歯」という言葉を聞いたことがありますか?
これは酸が原因で歯が溶けてしまうことがあるというものです。
酸性が強いものを食べたり飲んだりすると、酸によって歯が溶けだしてしまうリスクがあるというのです。

近年、この酸蝕歯が「虫歯」「歯周病」に続いて歯を失う原因として問題となっています。
酸の原因は、飲食物などの酸に歯が長時間さらされることです。
歯の表面のエナメル質は、酸性度を示すPHの値が5.5以下になると、溶けやすくなります。
・炭酸飲料などはPH値2.2~2.9
・レモンPH値2.1、グレープフルーツPH値3.2、オレンジやミカンPH値3.5~3.6
・オレンジやミカンなどの果汁飲料はPH値4.0前後が多い
・ビールなどはPH値5.0以下のものが多い
・酢などを使ったドレッシングはPH値3.1~4.0
これらの飲み物や食べ物を口にしている人は、酸蝕症の危険があるということになります。
牛乳や麦茶などはPH値6.0程度のため、酸蝕症のリスクはほとんどないと考えられます。
ヘルシーなイメージのある黒酢ですが、PH値3.1程度のため酸度の面からは気を付けなければなりません。
このように体に良いとされている、黒酢、梅、フルーツ、野菜ジュース、フルーツジュース、クエン酸
美容に良いと言われているビタミンC、スポーツ中や熱中症予防に飲むスポーツドリンク
炭酸飲料、ワイン、ビールなどのお酒は歯を溶かすのに十分強い酸性です。

このような酸性度の高い飲食物を頻繁にとっている人は特に注意が必要です。

また、胃食道逆流症などの胃や食道の病気、あるいは暴飲暴食といった生活習慣などで胃酸が逆流する状態が続いていると口の中が酸性に傾くため、酸蝕歯になりやすくなります。

酸蝕歯の特徴
・冷たいものや熱いものを口に入れると歯がしみる
・歯の色がやや黄色く見えてくる
・ペンライトなどで歯を照らすと歯が一部透けて見えるなどの症状
酸蝕歯は、歯の着色や損耗によって見た目が悪くなったり、咬み合わせが悪くなったりするほか、放置していると歯の表面のエナメル質が溶けた部分から虫歯になりやすくなるという影響もあります。

酸蝕歯を予防するには
・炭酸飲料などの酸性度の高い飲料を長時間にわたって口にためない
・酸性度の高い飲食物を口にしたらお茶や水でうがいする
・酸性度の高い飲食物を口にする回数を少なくする
・唾液の分泌が少なくなるスポーツ後や就寝前は、酸性度の高い飲食物を控える

また、唾液は口内を中和させる働きや、歯の再石灰化を促進させる働きがあり、食べ物を噛む回数を増やすことで唾液量を増やすことができます。
ちなみに2015年に東京在住の15歳~80歳までの1108人を対象に行われた調査によると酸蝕歯である人の割合が26.1%、約4人に1人が酸蝕歯になっているという結果がでました。
あまり聞かない言葉ですが、歯を失う大きなリスクの1つです。
ご自身の歯の健康のために、食習慣を見直し工夫してみてくださいね!
 
2023年02月27日 11:56

歯石と歯垢の違い

歯磨き粉や歯ブラシのCMなどでよく耳にする「歯垢(しこう)」「歯石(しせき)」という2つの言葉
この2つの言葉を同じものと混同している方が多いかと思われます。
歯の健康を保つためにもそれぞれの違いについてぜひ知っていきましょう!

【歯垢とは?】
歯の表面を指で触った時にネバネバしたものが付くことがありますが、このネバネバが歯垢のことで別名「プラーク」とも呼ばれています。
歯垢は食べかすと思われている方も多くいらっしゃいますが、実は食べかすとは別物なのです。
歯垢は細菌の塊で、食後およそ4~8時間ほどで作られてしまうため、毎食後の歯磨きが大切です。
歯垢は細菌の塊とお話ししましたが、1ℊあたり1000億個以上の細菌が詰まっていると言われています。
ほとんどの場合は唾液の働きにより歯垢が付くのを防いでくれますが、唾液の働きが悪い部分を中心に少しずつ付いていきます。
特に唾液の分泌量が低下する就寝中などは歯垢が溜まりやすい状態になります。
歯垢が溜まりやすい場所:歯間、歯と歯茎の境目、歯が重なっている部分、奥歯の噛み合わせの溝部分

歯垢をそのまま放っておくと菌の作った酸が歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯を発生させたり、歯周病の原因になるので注意が必要です。
歯垢の段階であれば歯磨きで落とすことができます。ですが歯垢はうがいのみで落とすことができないため必ず歯磨きを使って磨く必要があります。

【歯石とは?】
歯石(しせき)とは歯垢が唾液中のミネラル成分によって石のように硬くなったもののことです。
歯垢の段階であれば歯ブラシで落とせますが、歯石になると歯ブラシで落とすことは不可能です。
歯垢はおよそ2日間ほどで歯石へと変わってしまうと言われています。
歯磨きをきちんとしていなかったり、磨き残しがあると歯石がどんどんできてしまいます。
そのため歯磨きがしにくい「歯と歯茎の境目」や「歯と歯の間」にできやすく、歯石はその名の通り石のように硬いため、いったん歯についてしまうと歯ブラシでは取れず、歯科医院で取り除いてもらわなければなりません。
また、歯石の表面はデコボコしているため、そこにさらに歯垢がついて歯周病の原因となってしまうこともあります。
歯石のもととなるのは歯垢ですが、歯石自体には毒性はないと言われています。
歯石自体は無毒化されていますが、歯石の表面はざらざらしており、歯石がつくと歯磨きをしても歯垢を効率よく取り除くのが難しくなり、歯周病が悪化しやすくなります。

・歯石に変わる前に歯垢を除去しましょう
歯石を発生させないためには、「いかに歯垢の状態で除去するか」ということが大事になってきます。
歯垢と歯石の違いはわかりましたでしょうか?
歯石に変化する前に上手に歯垢を除去することができれば、虫歯の発生率はより低くなることでしょう。
毎食後に歯磨きを習慣づけることが大切です。
2023年02月22日 15:20

歯並びの種類(不正咬合)


今回は歯並び(不正咬合)の種類についてお話します。

【上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯】
上顎前突とは、上の前歯が前に出ている咬み合わせの状態のことを言います。
いわゆる出っ歯といわれています。上の前歯が突出しているため、意識して唇を閉じようとしないとそのままでは口が開いてしまいます。
出っ歯には骨格による先天的なものと、日々の習慣や幼少期の指しゃぶりや舌癖(下で歯を押す)による後天的なものがあります。

【叢生(そうせい)】
叢生とは、歯が顎に入りきらず重なっていたり、デコボコしている咬み合わせの状態です。
乱杭歯や八重歯も叢生の1つです。歯の大きさや数に対して顎が小さい場合歯が並ぶ十分なスペースがなくなってしまいます。
歯ブラシがしっかりと届かず歯垢(プラーク)が残りやすいので、注意が必要です。厚生労働省の調査(平成23年)では、不正咬合の種類の中で叢生が最も多い(全体の43%)ということがわかっています。

【下顎前突(かがくぜんとつ)・受け口】
下顎前突とは下の前歯が前に出ている咬み合わせの状態のことを言います。これを反対咬合と言い、しゃくれともいわれています。
遺伝的な要因や、骨格、口呼吸、舌癖が原因になります。
顔の形に影響が出るだけでなく、食事の時に食べ物をかみ切りにくいなど生活にも影響します。受け口は自然に治癒されることはほとんどありません。
受け口の方は早期治療をおススメします。

【開口(咬み合わない)】
開咬は奥歯が咬み合った状態で、前歯が咬み合わず、上下の前歯に隙間がある状態のことを言います。オープンバイトとも呼ばれ、主に2種類あります。
遺伝的な要因や、おしゃぶりの使用、口呼吸、舌癖などが原因になることもあります。
奥歯は咬み合うが、前歯があいてしまう「前歯部開咬」
前歯は咬み合うが、奥歯があいてしまう「臼歯部開咬」
があります。
学校の歯科健診などで歯科医師から指摘されることも多いケースです。
前歯で上手に食べ物が嚙み切れないばかりではなく、息が漏れやすく「さしすせそ」が上手に発音できません。

【正中離開(せいちゅうりかい)・すきっ歯】
正中離開とは歯と歯の間に隙間がある状態を言います。真ん中の歯と歯の間に少し隙間がある方や、複数の歯と歯の間に隙間がある方など様々なケースがあります。遺伝的な要因や、頬杖、片方だけで噛む癖などの原因があります。
歯の間に隙間ができた状態のため、常に息が抜けることから、特にさ行やた行の発音が不明瞭になることがあります。
国によってすきっ歯は「幸運の歯」「冨の表れ」などと言われることもあり、日本ではあえて治療をしない方も少なくないようです。

【交叉咬合(こうさこうごう)】
上前歯と下前歯の中心(正中線)が一致していない状態の咬み合わせです。
幼少期の指しゃぶりや、片側だけで噛む癖、頬杖などの日常的な癖が原因となることが多い症例です。
正常な咬み合わせであれば奥歯をかみ合わせたときに上の歯は外側に、下の歯は内側に収まります。ところが交叉咬合はこれが逆になり、咬み合わせが左右に大きく崩れるため、顎や顔が曲がったように見えます。片方だけズレが生じている場合と、左右両側にズレが生じている場合がありますが、いずれの場合も奥歯で物が噛みにくく、力を入れて食いしばることができません。

遺伝などの避けては通れない先天性の歯並びもありますが、日常的な癖の改善や適切な口腔ケアで歯並びの乱れを未然に防ぐことができることをしっていただけたら良いと思います。
2023年02月21日 10:47

人間と動物の歯の違い

みなさんは人間の歯の本数を知っていますか?人間の歯は、子供の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へと一度だけ生え変わります。
乳歯は20本、永久歯は28本、親知らずを入れれば32本です。
ですが、人間以外の動物は歯の本数や生え変わりの回数、中には歯が伸び続ける動物もいたりして様々です。
今回は動物と人間の違いについて紹介します。

歯は脊椎動物(背骨のある動物)の口腔内や咽頭部(喉の奥)に存在しています。
消化器官の1つで一般に石灰化した硬い組織からできていて、主として咀嚼(食べ物をかみ砕くこと)に関わっています。
食べ物を食べるうえでとても大切なものなので、動物にとって生命を維持するうえでとても重要な役割をはたします。
水族館や動物園の動物で見たことがあると思いますが、口の中に生えている歯が全部同じような大きさで同じような形をしている動物と、同じ口の中に大きさや形の違う歯を持った動物がいます。

同じ形の歯が並んでいる場合を同形歯性、違う形が並んでいる場合を異形歯性といいます。
同形歯性:同じ形をした歯が並んでいる → イルカ、ワニなど
異形歯性:大きさや形の違う歯が並んでいる → 人間、犬、猫をはじめ多くの動物

異形歯性に歯は、役割によって歯の名前が異なります。犬歯や大臼歯などです。
異形歯性の歯は、食べ物の種類や、食べ方によって動物の歯の形も異なります。

例えば、肉食動物です。すべての歯が肉を切り裂いたり、骨をかみ砕いたりするのに適した、鋭くとがった歯を持っています。
逆に草食動物は草をすりつぶしやすくする平らな歯を持っています。

ちなみに人間を含め、肉も草(野菜)も食べる雑食動物は、とがった歯と平らな歯の両方を持ち合わせています。クマやサルも雑食です。
ウサギ・リス・ネズミ・ハムスターなどは歯が一生伸び続ける動物です。
ウサギを飼っている方はよく歯ぎしりを聞くことがあると思いますが、歯ぎしりをすることで歯の長さを調節することもあるようです。

そして鳥は全く歯がないです。歯の機能として咀嚼の役割を果たしていますが、歯を持たない鳥類はどのように物を食べるかというと、基本的には丸呑みにしています。ちなみに鳥にとって食べ物が食べやすいからくちばしになったという説や、飛ぶのに体を軽くするために歯を失ったという説などもあります!

サメの歯は1本抜けるとその後ろからすぐに新しい歯が生えてきます。
サメの歯は比較的抜けやすく新しい歯が列をなして後ろに準備していて、永久に歯が生え続けるという性質を持っています。

このように動物にとって歯というのは様々です。ただ、動物とは違い、人間の歯は永久歯を失うと二度と生えてくることはありません。入歯やインプラントの技術も進化し、失った歯を補うことはできますが、やはり自分自身の歯を大切にすることが一番大切です!



 
2023年02月20日 18:40

歯の寿命について

みなさんは自分の歯が何本あるのか知っていますか?
答えは28本で、親知らずを入れると32本あります。

では、歯の平均寿命はどれくらいだと思いますか?
前歯:約60年
小臼歯:約57年
大臼歯:約50年
それに対して現在の日本人の平均寿命は 男性:81歳 女性:87歳
寿命に対して歯の寿命は10~20年くらい早く失っています。そして40歳を過ぎると歯を失う本数は急激に増えていく統計も出ています。
永久歯が生えてから一度も虫歯や歯周病にかからなかったとすると、本当は120~200年も健康な歯でいられるのです。
歯を失う原因で最も多いのは虫歯と歯周病で、原因の8割を占めています。さらに歯周病は50代以上で歯を失う原因の半数を占めています。
そして虫歯や歯周病は奥にある歯ほどリスクが圧倒的に高くなります。
その理由はいくつか考えられますが、1つは歯の形態の違いです。平の面が多い前歯に比べると、複雑で咬む面に溝があります。
この溝は歯垢(プラーク)や食べかすが溜まりやすく、虫歯のできやすい部位にあげられます。
また、口腔内は奥に行くほどスペースが狭くなるため、歯ブラシが入りにくく、前歯よりも磨き残しが多くなります。
下の奥歯は「舌」によってさらに磨きにくくなることが、他の奥歯より平均寿命が短くなる要因の1つと言われています。

ちなみに、神経の無い歯は栄養を届けられずにもろくなる、痛みなどがないため症状に気づきにくくなるなど、様々な要素が重なって本来よりその寿命は短くなり、また生存期間は平均5~30年になると言われています。もちろん、歯の寿命は神経の有無だけで決まるものではありません。しかし、毎日のお手入れや、定期的なクリーニングと同じように、神経を残せるかは歯に寿命に大きく関わっていると言えます。
80歳日本人の歯の平均寿命は8,9本ですが、歯の寿命が1番長いスウェーデンは20本だそうです。
これは治療技術の違いではなく、歯をできるだけ長く持たせるために定期的なメンテナンスを受けているからです。
そこで日本には「8020(ハチマルニイマル)運動」というものがあります。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」という願いを込めてこの運動が始まりました。

痛みなどの自覚症状がないとなかなか歯科医院に行くのをためらってしまいますが、歯科医院で定期的なメンテナンスをして70,80歳になっても楽しく、元気に食事ができるように歯の寿命をの伸ばしていきましょう!


 

2023年02月20日 15:23

知覚過敏について

皆さんは、普段の生活で歯がしみることはありませんか?
歯がしみる代表的なものとして、知覚過敏が挙げられます。今日は、その知覚過敏について解説します。


 

・知覚過敏

知覚過敏は、①歯ブラシなど物で擦ったときの刺激で起きるもの(擦過刺激)、②風や冷たいもの・温かいものを口にしたときの刺激で起きるもの(冷温熱刺激)、の2種類あります。知覚過敏が原因で歯がしみるのは、歯の構造が大きく関係しているため、まずは歯の構造についてご説明します。

エナメル質→歯の1番外側を覆う部分です。1番硬い組織で、歯を外力などの刺激から守る働きをしています。
象牙質→エナメル質の内側にある、歯の主体組織です。象牙質に刺激を与えると、象牙細管と呼ばれる小さな管を通して歯髄に刺激が伝わり、歯がしみる症状がでます。
歯髄→歯の最も中心にある柔らかい組織です。血管や神経があるため、歯の痛みやしみる症状は歯髄が刺激を受けることで生じます。

このように、歯がしみるのはほとんど象牙質や歯髄に問題があります。では、なぜ象牙質や歯髄が刺激を受け、知覚過敏の症状がおきるのかご紹介します。

 

~知覚過敏の原因~

・強いブラッシング、歯ぎしり
歯に強い力がかかるとエナメル質が擦り減り刺激が加わるため、しみる原因になります。

・加齢、歯周病による歯肉の後退
歯茎が下がって根っこが露出すると象牙質がむき出しになり、その部分に歯ブラシの毛先や冷たいものが当たるとしみる原因になります。

・酸蝕歯(さんしょくし)
果汁飲料、炭酸飲料、梅干しなどの酸が原因でエナメル質が溶け、しみる原因になります。

 

しみるのを予防するには・・・

マウスピースで歯を保護する
ネットで購入することもできますが、形があわないことが多いので、歯医者さんで一人一人のお口に合ったマウスピースを作ることをお勧めします。

②優しくブラッシングする
鉛筆持ちで磨くと無理な力をいれることなく磨けます。

③知覚過敏予防の歯磨き粉を使う
しみる症状が軽い場合、知覚過敏用の歯磨き粉を使うと、症状が改善・解消されることが多いです。
毎日使うことで徐々に効果が出てきます。
 
2023年02月20日 10:14

歯周ポケット検査の重要性

歯周病から歯の健康を守るためには、定期検診や予防治療が欠かせません。
定期検診で行われる「歯周ポケット検査」は歯周病の進行具合の目安となる大変重要な検査です。
では、歯周ポケット数値からどんなことがわかるのでしょうか。

【歯周ポケットとは】
歯茎の境目にメモリの付いた器具を入れて歯周ポケットの深さを測る「歯周ポケット検査」は歯周病の進行具合を把握するために欠かせない検査です。
歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目にある溝のことで、健康な歯茎はしっかりと引き締まっているためポケットの深さは1~3ミリと浅めです。
しかし4ミリ以上になると歯周病が疑われ、6ミリ以上になると歯周病が悪化していることがわかります。

【歯周ポケットの数値が高くなると?】
歯周病が悪化すると、歯周ポケットの数値が高くなります。
歯周ポケットの溝に細菌が入り込んで、ますます症状を悪化させ、歯槽骨を吸収して歯が次第にグラグラ揺れ動き始めます。
このように歯周ポケット数値は歯周病の有無や進行状態を表すバロメーターなのです。

・歯周ポケットが2ミリ以内
歯茎は引き締まってピンク色をしており、健康です。
・歯周ポケットが2~3ミリ
歯周炎が始まり、歯周ポケットが広がり始めた段階です。
炎症が歯茎だけに起こっているのであれば、歯垢(プラーク)や歯石をしっかりと取り除き、歯磨きを続けることで治すことが可能です。
・歯周ポケットが4ミリ未満
軽度の歯周病と考えられます。歯科医院で歯を綺麗にしてもらい、毎日のブラッシングを続けることで進行を早めに止めることができます。
・歯周ポケットが4~6ミリ
中等度の歯周病と考えられます。歯槽骨の破壊が進み、歯が多少ぐらつく場合もあります。歯科医院で治療を受けておきましょう。
・歯周ポケットが6ミリ以上
重度の歯周病です。歯がぐらつくため、しっかりと噛むことができず、口臭も強くなります。
歯科医院で特殊な手術が必要になることがあります。この段階でも治療を受けずに放置していると歯が抜けることになります。

歯周病は自覚症状がないままどんどん進行していきます。
歯周病だとわかったら、できるだけ早く治療をはじめることが大切です。


 
2023年02月18日 15:21

フッ素について

今回はフッ素についてお話します。
まず、フッ素とは虫歯を予防する天然の元素で、地球の地殻で17番目に多い元素です。
海産物農産物にも様々な濃度のフッ素が含まれています。特にフッ素が多く含まれているのが、緑茶やワカメ、エビ、イワシなどです。

【フッ素は何歳からできるのか】
フッ素は生えてきて間もない歯に使うのが一番効果的です。
乳歯は生後6ヵ月~3歳半頃、永久歯は生え変わってくる4歳~13歳の時期に使用すると一番効果があります。
乳歯は柔らかく、虫歯になりやすいのでこの時期のフッ素の塗布は特に大切です。

【フッ素の働き】
①再石灰化の促進
ご飯を食べると歯の成分であるカルシウムやリンが溶けだす「脱灰(だっかい)」という作用と、唾液などの力によるそれを修復する「再石灰化」の作用が交互に働いて、歯の表面は再び修復されて元の健康な歯を取り戻すことができます。フッ素はこの再石灰化を促進して虫歯になるのを防ぐ働きがあります。
②歯の質の強化
フッ素が歯に作用すると、歯の表面のエナメル質の結晶が安定し、虫歯菌の出す酸に溶けにくい強い歯が作られます。
③虫歯菌を抑制する
虫歯の原因菌の力を弱め、歯を溶かす酸の量を少なくさせます。

歯科医院でフッ素を歯に塗布してもらったときは、フッ素が取れないように30分くらいはうがいや飲食は控えましょう!


 
2023年02月18日 10:18

抜歯後の注意点とドライソケット

今回は、歯を抜いた時の注意点と、起こってしまうと強い痛みが伴うドライソケットについてお話します。

【抜歯後の注意点】
・強いうがいをしない
歯を抜いた後は、血の塊が歯が抜けた部分を覆い、かさぶたのようになります。
強くうがいをしてしまうと、そのかさぶたが剝がれてしまい、治りが悪くなります。
・口をゆすぎすぎない
歯を抜いたあとは1~2日血がにじんだり、血の味がすることがあります。
気になって口をゆすぐと更なる出血を促し、血が止まらなくなったり、痛みの原因になります。
・当日は長風呂やお湯に浸からず、シャワーだけにしておく
体を温めることにより、血行が良くなり、血が止まりにくくなります。
せっかく止まっていた血がまた出てしまう恐れもあります。また、温めることにより疼いたり、腫れを助長させてしまうかもしれません。
・当日の飲酒を控える
飲酒も血流を促しますので、出血や痛みの原因になります。
・激しい運動は控える
運動も血流が良くなり。出血の原因になります。
・気になって傷口を触らない
細菌感染や、血のかさぶたが取れてしまうリスクがあります。
・麻酔が切れるまでは食事を控えましょう
麻酔が効いていると、感覚がないため周囲の唇や頬を噛みやすく、熱いものも感じないため、火傷をする可能性があります。

【ドライソケット】
歯を抜いた後にドライソケットについて説明をうけた方もいらっしゃると思います。
ドライソケットとは歯を抜いたところの骨が露出し、細菌感染を起こしてしまった状態のことをいいます。
通常は、抜歯したところには血の塊ができ、かさぶたのような役割をして抜歯後の歯茎の穴を覆って塞ぎます。
この血の塊を歯科では「血餅(けっぺい)」といいます。何らかの原因で血の塊が流れてしまい、この血餅という膜が剥がれてしまったことにより、傷口が保護されず、細菌感染が起き痛みや出血を伴う良くない状態になります。
抜歯後は2~3日ほどで痛み止めが不要になるまで痛みは引きますが、ドライソケットになってしまうと10日~2週間、長い場合で1カ月続くこともあります。
ドライソケットは、早くて歯を抜いた翌日から症状がでるので、歯を抜いた当日、翌日の過ごし方が重要になります。
しかし、翌日になっても問題がなく、油断してしまうと3~4日経過してからドライソケットになる場合もあるので油断は禁物です。
ドライソケットになってしまうと夜も眠れないくらい、痛み止めなしでは生活できないほどの激痛を感じることになってしまいます。

【ドライソケットになる原因】
ドライソケットの原因は抜歯後にできるはずの血の塊(血餅)がうまく作られないことです。
うまく作られない一番の原因はうがいのしすぎです。うがいをしすぎると血の塊ができにくく流れてしまうためです。
また、たばこを吸う方は出血の量が少なくなるためドライソケットになりやすいです。
・うがいのしすぎ
抜歯をすると、ガーゼを患部に当てて血が止まるまで咬むように言われますが、これはしっかりと止血を行うとともに血餅を作るためです。
血餅は出来上がるまでに時間を要する上に、できたばかりの血餅は脆く剝がれやすいため、うがいをしすぎてしまうと剥がれてしまうのです。
・抜歯した部分を触る
抜歯後の穴が開いた部分が気になってしまい、知らず知らずのうちに舌で触ってしまったり、指や歯ブラシで触ってしまうと血餅が剥がれてしまいます。
・喫煙
喫煙は、長風呂や運動、飲酒とは逆で血のめぐりを悪くしてしまいます。
血の巡りが悪いと、抜歯後に十分な血が出にくく血餅が作られにくくなるため、ドライソケットのリスクを上げてしまいます。

歯を抜いた後は、腫れだけではなく、ドライソケットや感染が起こる可能性があるため、抜歯前は体調を整え、抜歯後は十分な睡眠をとり安静に過ごしてください。
また、歯を抜いた後は抜歯後の注意点、薬の服用をしっかり守り、違和感や痛みが続くようであれば我慢せず歯科医院で適切な処置を受けるようにしましょう。

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2023年02月17日 15:56

PMTCについて

当院では、歯科健診・歯石の除去をする際にPMTC行っています。

PMTCとは…専用の器具を使い、毎日の歯磨きでは除去できない汚れやバイオフィルムを取り除くことができます。
バイオフィルムは、洗っていない浴槽や三角コーナーの底のヌメヌメと同じで、細菌のかたまりです。
歯周病の原因の一つでもあるため、PMTCでしっかりと除去する必要があります。
そこで、PMTCのメリットについてご紹介します。


 
~PMTCのメリット~

1. 虫歯の予防

毎日歯磨きをしていても、どうしても磨き残しができてしまいます。
磨き残しの汚れをそのままにしていると虫歯のリスクが高まってしまうため、定期的に取り除く必要があります。
また、PMTCは歯の表面を研磨するため歯垢が付きにくくなり、虫歯の予防につながります。
 

2. 歯周病の予防

歯茎の溝の汚れ、セルフケアでは取りにくい汚れを綺麗に取り除くことで
歯周病の予防につながります。
 

3. 口臭予防

お口の中にたまる古い汚れは口臭の原因になってしまいます。
普段の歯磨きだけでは取り除けない古い汚れを取り除くことで、口臭の予防につながります。
 

4. 着色汚れの除去

お茶、コーヒー、喫煙などによる歯の着色汚れを取り除くことができます。
PMTCで磨くことによって、気になる茶しぶや歯の表面のくすみが取れることがあります。


 
このように、PMTCでできる予防や良い点がたくさんあります。
また、皆さん一人一人のお口の状態にあわせて検診の期間を決めているので、
定期的に検診・PMTCを行い、綺麗な口内を目指しましょう。



 
2023年02月15日 14:56
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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