歯の構造
皆さんは歯の構造についてご存じですか?口腔内は様々な組織で形成されていますが、主に歯冠部・歯根部の大きく2つに分けられます。
歯冠部は歯茎から露出している部分で、歯根部は歯茎の中に隠れている歯の根っこのことを言います。
【歯冠部】
外側から、エナメル質、象牙質、歯髄の3層構造でできています。
エナメル質→歯の表面のことをいい、普段わたしたちが見ているのはエナメル質になります。体の中で最も硬い部分と言われています。エナメル質は虫歯に対して抵抗性があり、虫歯になっても痛みを感じない部分ですが、いつのまにか進行している場合があるので注意が必要です。
象牙質→エナメル質の内側にあり、エナメル質を支える重要な役割をしています。エナメル質より柔らかく、骨に近い硬さをしています。歯の神経は象牙質の内側にあるため、象牙質が露出してしまうと冷たいものや甘いものががしみたり、歯磨きでピリッと感じることがあります。虫歯が象牙質部分までしみると痛みを感じるようになります。
歯髄→歯の中心部分にある歯の神経です。歯の痛みは主に歯髄から生じています。歯髄は大切な組織で、歯髄(神経)を取ると以下のデメリットが生じます。
①歯の寿命が短くなる(歯に栄養を送る血管までなくなってしまうため、歯の組織に十分な栄養が与えられなくなり、脆くなり寿命が短くなります。)
②虫歯の進行・再発に気づきにくい(歯髄を取ると歯がしみるような感覚や痛みがなくなり、気づかぬうちに虫歯が再発・進行することがあります。)
【歯根部】
歯を支えている歯根部には、歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜の4つの組織からできています。
歯肉→歯茎と呼ばれる部分です。磨き残しがあると歯肉が腫れて出血します。
歯槽骨→歯を支える顎の骨です。歯周病が進行すると骨が溶け、ひどいとグラグラになります。
セメント質→歯根の表面を覆っている柔らかい組織。歯周病などで歯肉がさがるとセメント質が露出し、虫歯になりやすくなります。
歯根膜→セメント質を繋ぐ薄い膜で、噛むときに歯や歯槽骨にかかる力を和らげるクッションのような役割をしています。
~歯の構造と虫歯~
虫歯の場所、進行具合にによって必要な治療は異なるので、簡単にご説明します。
★C0・・・初期虫歯のことを言います。エナメル質が溶け始め、表面が白くなっている状態です。まだ痛みはなく、丁寧な歯磨きを続けることで治ることもあります。
★C1・・・表面の虫歯です。エナメル質が更に溶け、表面が黒ずんでいる状態のことをいいます。冷たいものがしみることがあるが、痛みはまだ出ません。虫歯の部分を削り、歯科用レジンを流して固めるという治療法になります。
★C2・・・象牙質の虫歯です。エナメル質の内側、象牙質まで虫歯が進行している状態のことをいいます。冷たいものや甘いものがしみる他、時々ズキズキ痛むことがあります。虫歯に浸食されている部分を削り、詰め物で埋める治療法になります。
★C3・・・歯髄の虫歯です。歯の神経まで虫歯が進行している状態のことをいいます。冷たいものだけではなく熱いものもしみるようになり、何もしなくてもズキズキ痛みます。神経を除去し、薬剤をつめる根管治療を行います。
★C4・・・歯根の虫歯です。歯のほとんどが溶けてなくなり、歯根まで虫歯が進行している状態のことをいいます。神経が死んでいるため、痛みはありません。歯根が虫歯になった場合は、基本的に抜歯になります。抜歯後、ブリッジ、入れ歯、インプラントになります。
2023年05月08日 10:27