抜歯後の注意点とドライソケット
今回は、歯を抜いた時の注意点と、起こってしまうと強い痛みが伴うドライソケットについてお話します。
【抜歯後の注意点】
・強いうがいをしない
歯を抜いた後は、血の塊が歯が抜けた部分を覆い、かさぶたのようになります。
強くうがいをしてしまうと、そのかさぶたが剝がれてしまい、治りが悪くなります。
・口をゆすぎすぎない
歯を抜いたあとは1~2日血がにじんだり、血の味がすることがあります。
気になって口をゆすぐと更なる出血を促し、血が止まらなくなったり、痛みの原因になります。
・当日は長風呂やお湯に浸からず、シャワーだけにしておく
体を温めることにより、血行が良くなり、血が止まりにくくなります。
せっかく止まっていた血がまた出てしまう恐れもあります。また、温めることにより疼いたり、腫れを助長させてしまうかもしれません。
・当日の飲酒を控える
飲酒も血流を促しますので、出血や痛みの原因になります。
・激しい運動は控える
運動も血流が良くなり。出血の原因になります。
・気になって傷口を触らない
細菌感染や、血のかさぶたが取れてしまうリスクがあります。
・麻酔が切れるまでは食事を控えましょう
麻酔が効いていると、感覚がないため周囲の唇や頬を噛みやすく、熱いものも感じないため、火傷をする可能性があります。
【ドライソケット】
歯を抜いた後にドライソケットについて説明をうけた方もいらっしゃると思います。
ドライソケットとは歯を抜いたところの骨が露出し、細菌感染を起こしてしまった状態のことをいいます。
通常は、抜歯したところには血の塊ができ、かさぶたのような役割をして抜歯後の歯茎の穴を覆って塞ぎます。
この血の塊を歯科では「血餅(けっぺい)」といいます。何らかの原因で血の塊が流れてしまい、この血餅という膜が剥がれてしまったことにより、傷口が保護されず、細菌感染が起き痛みや出血を伴う良くない状態になります。
抜歯後は2~3日ほどで痛み止めが不要になるまで痛みは引きますが、ドライソケットになってしまうと10日~2週間、長い場合で1カ月続くこともあります。
ドライソケットは、早くて歯を抜いた翌日から症状がでるので、歯を抜いた当日、翌日の過ごし方が重要になります。
しかし、翌日になっても問題がなく、油断してしまうと3~4日経過してからドライソケットになる場合もあるので油断は禁物です。
ドライソケットになってしまうと夜も眠れないくらい、痛み止めなしでは生活できないほどの激痛を感じることになってしまいます。
【ドライソケットになる原因】
ドライソケットの原因は抜歯後にできるはずの血の塊(血餅)がうまく作られないことです。
うまく作られない一番の原因はうがいのしすぎです。うがいをしすぎると血の塊ができにくく流れてしまうためです。
また、たばこを吸う方は出血の量が少なくなるためドライソケットになりやすいです。
・うがいのしすぎ
抜歯をすると、ガーゼを患部に当てて血が止まるまで咬むように言われますが、これはしっかりと止血を行うとともに血餅を作るためです。
血餅は出来上がるまでに時間を要する上に、できたばかりの血餅は脆く剝がれやすいため、うがいをしすぎてしまうと剥がれてしまうのです。
・抜歯した部分を触る
抜歯後の穴が開いた部分が気になってしまい、知らず知らずのうちに舌で触ってしまったり、指や歯ブラシで触ってしまうと血餅が剥がれてしまいます。
・喫煙
喫煙は、長風呂や運動、飲酒とは逆で血のめぐりを悪くしてしまいます。
血の巡りが悪いと、抜歯後に十分な血が出にくく血餅が作られにくくなるため、ドライソケットのリスクを上げてしまいます。
歯を抜いた後は、腫れだけではなく、ドライソケットや感染が起こる可能性があるため、抜歯前は体調を整え、抜歯後は十分な睡眠をとり安静に過ごしてください。
また、歯を抜いた後は抜歯後の注意点、薬の服用をしっかり守り、違和感や痛みが続くようであれば我慢せず歯科医院で適切な処置を受けるようにしましょう。