皆さんは朝起きたときに顎が疲れていたり、よく眠れた感じがしないなどの症状はありませんか?それは夜中の歯ぎしりが原因かもしれません。また、就寝
時だけでなく、日常的に歯ぎしりしている場合もあります。現在では、日本人の70%が歯ぎしりを経験していると言われています。
今回は、歯ぎしりや食いしばりについて紹介します。
歯ぎしりには3つの種類があります。
①グライディング
もっとも多くの方に見られる症状です。
ぎりぎりと歯を擦り合わせる一般的で頻度の多い歯ぎしりで、周りに気づかれることが多いです。
上下の歯を強く噛んだ状態で横に滑らせ擦り合わせる動きため、歯にもっともダメージを与えます。歯の削れが大きく、歯が短くなってしまったり、詰め物がかけたり、取れたり、歯が擦り減ったりさらには歯が割れてしまう恐れもあります。
②クレンチング
食いしばりや噛みしめと呼ばれるもので、ぐぐっと上下の歯を強く噛みしめる動きです。力仕事などで食いしばるように、寝ているときにも同じように力が入ってしまう行為で、音がないため自分で自覚している人はほとんどいません。よく見てみるとクレンチングしている人は頬の筋肉に力が入るため堅く膨らんでいることがあります。普段無意識の時などは、上下の歯はくっついているのではなく、少し隙間があります。これが正常な状態なのです。これを安静位空隙と言います。クレンチングをする方は、常に歯と歯の隙間を意識して生活すると良いでしょう。
③タッピング
カチカチと歯をすばやく打ち鳴らすもので、比較的頻度の少ないものです。寒くて震えているときのようなもので歯を小刻みにぶつけて小さな音を出します。
歯ぎしりのタイプはこの3つに分けられますが、いつ歯ぎしりをするかによって「睡眠時ブラキシズム」と「覚醒時ブラキシズム」にも分けられます。「睡眠時ブラキシズム」は基本的に眠っている状態なので無意識の歯ぎしりです。「覚醒時ブラキシズム」は起きている状態のため癖ということになります。
〈歯ぎしり・食いしばりが与える悪影響〉
歯ぎしりや食いしばりを放置すると歯周病の悪化、肩こり、頭痛、めまいなどの様々な不快症状を引き起こします。
これらは歯ぎしりをしていると起こす主な症状です。
顎関節症
歯ぎしりが原因でなる場合があります。口を開けると顎の関節に痛みを感じたり、顎の関節左右の動きにズレがあり、違和感があるといった症状は顎関節症である可能性が高いでしょう。また、物を噛むと顎の関節に痛みを感じることもあります。
知覚過敏
歯の表面のエナメル質がはがれ、象牙質の露出が原因で起こります。歯が削れて短くなり、虫歯がないのに冷たいものがしみる・歯ブラシが当たると痛みが走る場合は「知覚過敏」の可能性があります。
体の不調
頭痛・肩こり・全身のだるさ・耳鳴り・眠れない
骨隆起
歯ぎしりや食いしばりが多い方は骨隆起といって骨がコブのように盛り上がることがあります。主に下の顎の小臼歯の内側や、上の顎の正中部に骨が盛り上がることがあります。
『原因』
歯ぎしりをする原因で最も有力なのが、ストレスです。嫌なことがあったり、我慢することがあると人間はそれを抑えます。そのため、どこかで発散しなくてはなりません。それが歯ぎしりになることが多いのです。
『治療法』
たかはし歯科では、マウスピースを使った治療をおこなっています。
マウスピースによって歯や歯の詰め物、補綴物を守る方法です。マウスピースは主に寝ているときの歯ぎしりのダメージを減らすために使います。しかし、歯ぎしりから歯を守るだけでなく、知覚過敏・顎関節症・歯の破折・歯周病にも効果的です。
歯を守るためにも、早めの受診をしましょう。
2023年01月28日 10:58