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感染根管

感染根管は、根管治療後の再発とむし歯の進行による感染の2パターンがあります。根管治療後の再発→むし歯が進行して歯の神経にまで達した場合、歯の神経を取り除き、除去後にできた空間に薬剤を詰めて密封する抜髄という治療を行います。しかし、なんらかの原因で再び根管が細菌感染を起こし、再発してしまうケースがあります。


むし歯の進行による感染』
むし歯が進行して歯の神経が死んだまま放置すると、根管内で感染を起こす場合があります。感染根管治療の多くは根管治療後の再発に対して行われています。感染根管が起きると、根管内の細菌が骨と歯をつなぐ歯根膜やあごの骨に侵入し、歯根の先で炎症を起こします。この状態は「根尖性歯周炎」と呼ばれ、歯根から炎症が広がることにより歯を支える骨が溶けてしまいます。そのため、強い痛みや歯茎、顎の腫れ、ものを噛むと痛みを感じるといった症状の原因となるのです。病気が悪化すると、歯根の先端に溜まった膿が歯肉にできた穴を通って口の中にでてくる、皮膚に穴ができて膿が体の外に出てくるといった症状が現れます。



~感染根管の原因~

感染根管の患者さんは、根管内の歯の神経が腐って死んでいる、または歯の神経を既に除去しているため、神経組織・血管・血流・免疫細胞といった組織が通常時と比べ機能していません。そのため、根管内に細菌が侵入しても細菌から体を守ることができず、細菌が歯根の先から骨へと進んでしまいます。骨の中にも血管があり、ある程度の免疫力が働きますが、侵入する細菌の量が多すぎるため、骨が炎症を起こしてしまいます。



~根管治療後の再発の原因~

①感染対策が不十分
根管治療の再発を防ぐポイントは、細菌や汚れを完全に除去することでです。感染対策が不十分だと、根管内で再び細菌が増加するリスクがあります。

②根管治療時のミス
根管は非常に小さく形も複雑なので、根管治療時にミスが起きているケースは少なくありません。細い血管を見落として治療しなかった、むし歯や神経が適切に除去できなかった、といった場合は感染のリスクが高まります。

③被せ物が合わない
装着する土台や被せ物があっていなかったり、接着に失敗したりすると感染根管になる恐れがあります。適切に根管治療をしてても、被せ物や土台と歯の間に隙間ができてしまい、そこから根管内に細菌が感染してしまいます。

④根管治療後にむし歯ができた
根管治療後が成功してもそこからむし歯ができて、根管まで広がった場合は根管が細菌に感染してしまう可能性があります。



【感染根管の治療の流れ】
再発による感染根管は、検査・根管の掃除・殺菌・詰め物の充填・密封・被せ物の装着という流れです。

・被せ物や詰め物の除去
以前行った根管治療の際に装着した被せ物や詰め物などを除去して、歯や根管の状態を確認しやすい状態に整えます。被せ物や詰め物の下にむし歯が残っていることも多いため、丁寧に取り除きます。

・根管内に薬を充填
神経を除去したままだと、根管が空洞のため細菌が繁殖しやすいままになってしまいます。薬を詰めることにより、根管内のスペースをなくし、細菌の繁殖を防ぎます。

・かぶせもの装着
根管の治療が完了したら、細菌が侵入しないように密閉します。土台を作り、被せ物を装着します。

むし歯の進行による感染根管治療は通常の抜髄とほぼ変わりません。根管の中を徹底的に掃除、殺菌し、薬を詰めて密閉して被せ物を装着します。以前治療した際のつめものなどがないぶん、再発による感染根管よりスムーズに治療できるでしょう。



感染根管治療のメリット

①歯を残せる可能性がある
感染根管治療の最大のメリットは、本来なら抜歯しなければならないほどむし歯が進行した歯を残せる可能性があることです。歯を抜いてしまうと、ものを噛むなど機能的な面でも大きな支障がでます。感染根管治療を受け被せ物を装着すれば、機能面でも見た目も健康な歯に近い状態になります。

②膿や痛みなどの症状が消える
感染根管によって痛みのもととなる炎症がおさまり、痛みや膿といった症状が消えます。


感染根管のデメリット

①治療に時間がかかる
感染根管治療は、根管を徹底的に清掃し、消毒する必要があるため、完了するまでに2~4回程治療を受ける必要があります。特に、再発による感染根管の場合、以前の治療で充填した薬や詰め物を取り除くため、治療回数は多くなりがちです。

②うまくいかない可能性がある
感染根管治療は通常の根管治療よりもさらに難易度が高く、成功率は6~8割と言われています。もし治療しても改善しなければ歯根の先端を外科手術で切除しなければなりません。

③治療後の歯はもろくなる
感染根管治療を繰り返すと、歯根がもろくなり、破損したり折れたりするリスクが上昇します。


 
2023年11月22日 15:27

免疫力と口腔内環境

〈免疫力とは〉
免疫力とはウイルスや細菌などの病原体と対抗・抵抗する力のことです。
免疫力の低下は①加齢②生活環境・生活習慣③ストレスが原因で起きると言われています。
そして最近では腸内環境、口腔内環境もその要因の1つと言われています。

〈免疫力と口腔内環境の関係〉
口腔内は細菌や有害物質の入り口でもあり、体内へ侵入するバリアの役割りも持っています。
しかし、唾液の量が減少したり口腔内のバランスが崩れると口腔内粘膜のバリア機能が欠如してしまいます。
そのため、免疫力の低下へと繋がる因子を体内へ呼び込んでしまい、それが免疫力の低下→歯周病を引き起こす→さらに免疫力が低下すると負のスパイラルとなってしまいます。したがって、歯科治療と免疫力の向上はどちらも行っていくことが健康へと繋がります。
バリア機能を十分に発揮できるように口腔内を健全な状態に保ちましょう。唾液は細菌やウイルスを防御し、お口の中の汚れも洗い流してくれます。しかし口腔内が不衛生になり細菌が増えてしまうと、細菌が生み出す物質が粘膜の防御機能を破壊してしまいます。
飲み込む力の弱っているご高齢の方では唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。
虫歯や歯周病を予防するだけでなく、インフルエンザや肺炎、感染症を予防するためにも口腔ケアは欠かせないことです。

〈免疫力が低下すると歯周病が悪化する〉
歯周病は感染症の病気です。免疫力の低下によって、それまで何とか抑え込んでいた悪玉菌がコントロールされなくなります。
その結果、歯周病の状態が悪化してしまいます。増殖した歯周病菌は他のトラブル(心臓疾患、脳梗塞)の原因ともなるので状態が酷い時は抗生剤の服用や根本的な治療が必要です。歯周病になって良いことは1つもないので、普段の生活の歯磨きはとても重要になります。
歯周病はある程度進行しないと痛みが出ないため、どうしても放置しがちですが、きちんと治療しましょう。歯周病を悪化させる生活習慣はストレス、睡眠不足、偏った食生活、口腔内の清掃不足などが挙げられます。
口腔内の細菌を減らすことで口腔内の免疫が働きやすくなります。
プラーク・歯垢(歯の表面のヌメヌメ)や舌苔(舌の汚れ)は口腔ケアを行うことで口腔内の免疫機能は活発化します。
そもそもお口の中が汚れている状態であれば敵(細菌)が多すぎて免疫機能が追いつかないという状態に陥ります。
口腔ケアにはホームケア(自宅での歯磨き)とプロフェッショナルケア(歯医者で行うメンテナンス)がありますがどちらも大切です。
 
2023年11月17日 10:08

歯の治療後にしみる理由

【歯の治療後にしみる理由】
〈虫歯の治療後は歯がしみることがある〉
虫歯の治療では、虫歯によってもろくなった歯(感染している歯質)を取り除きます。
その後、虫歯の範囲によって、詰め物や被せ物で治療を行います。
しかし、治療を受けたはずなのに、治療が終わった後に歯がしみる経験があるのではないでしょうか。

①歯を削った部分が露出しているから
歯を削ると、歯の内部の象牙質という部分が出てきます。削った象牙質面は、冷たいものや刺激によって、しみるという症状を感じやすくなります。
特に型取りをして被せ物や詰め物をする場合、型取り後は仮歯というやや粘着性のある材料で削った面を封鎖する場合が多いです。
しっかりと仮歯をしていても、わずかな隙間から刺激が伝わるためしみることがありますが多くの場合、最終的な修復物を装着して数日経過すれば徐々に収まる場合が多いです。

②歯を削った刺激が歯の内部に伝わるから
特に大きなむし歯の場合、歯の内部の神経と近い部位を削らなければなりません。
たとえむし歯を完全に取り除いても、術後に神経が一時的な炎症を起こし、水や噛んだ刺激でしみるという症状が起こる場合があります。
多くの場合、徐々に神経の炎症はおさまります。これを可逆性歯髄炎といいます。しかし稀に痛みが非常に強くなり、”何もなくてもズキズキ痛い(自発痛)”という症状になる場合もあります。
その場合には神経の治療が必要となることがあります。

③金属は温度を伝えやすい
進行したむし歯の場合、白いレジンの詰め物ではなく、銀歯や金歯などの金属の被せ物が使われます。
むし歯で削られて神経に近くなった箇所に熱や冷たさを伝えやすい金属が使用されると温度が感じやすくなり、しみたと感じることがあります。

【治療して時間が経っている歯がしみる、痛む場合】
治療後すぐではなく、以前に治療した箇所が痛む場合は上記とは違う理由があることがあります。
①二次カリエス
銀歯や詰め物をしているのに、しみたり痛んだりする、などの違和感がある場合は、被せ物の下でむし歯が再び進行している場合があります。歯と銀歯の隙間から細菌が入りこんだり、以前の虫歯治療の際に細菌を取り残してしまったりしている場合などが原因によるものです。再治療が必要になりますので、歯科医院で診てもらいましょう。
②歯ぎしり
激しい食いしばりや歯ぎしりによって、歯が摩擦したり、根っこがダメージを受けていることがあります。
歯が削れてしまい、熱い物や冷たい物がしみたりします。
③知覚過敏
歯がしみる原因で思い浮かぶのは知覚過敏でしょう。知覚過敏になる原因は様々あり、歯周病による歯茎の下垂や歯ぎしりによる損傷などがあります。歯周病なら適切な治療が必要となり、知覚過敏の場合も薬剤などを塗布することで炎症が抑えられるので相談しましょう。
 
2023年10月31日 11:41

歯茎が腫れてる

歯茎が腫れていると気づいたとき、原因やケア方法が分からずに悩んでしまう人もいるのではないでしょうか?

歯茎が腫れる原因はさまざまあり、自分の歯茎が腫れている原因に合わせて適切な対処をすることが大切です。病気が関わっている場合、早急に専門的な治療が必要になることもあります。今回は、歯ぐきの腫れで考えられる病気、歯の病気以外に考えられる原因・予防セルフケア方法について詳しく紹介します。


【歯肉炎や歯周炎からの歯周病】

歯茎が腫れているときに考えられる病気には、歯周病があります。
歯周病は、歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に歯垢(プラーク)が溜まり、歯垢の中の歯周病菌によって炎症が引き起こされる病気です。初期の歯周病は歯肉炎と呼ばれ、歯茎の腫れや出血といった症状が現れます。進行すると歯肉炎と呼ばれる状態になり、歯茎の腫れ・出血以外に歯茎の下がりや口臭などの症状が現れるようになります。さらに進行すると、歯茎から膿が出る歯槽膿漏となり、歯を支える歯槽骨が溶けて、ひどい場合には歯がぐらついて抜けてしまうことがあります。歯周病による歯茎の腫れがあるときは歯垢や歯石の除去が行われ、重症の場合は外科治療が行われるのが一般的です。


~むし歯(う蝕)~

むし歯は虫歯菌によって歯が溶かされ、進行すると歯に穴が開く病気です。歯の表面のエナメル質が溶け始める初期段階では痛みがないことも多いですが、内部の象牙質まで進行すると冷たい物がしみたり痛みを感じたりすることがあります。虫歯菌が歯の神経に達すると、歯根(歯の根っこ)に炎症が起きて膿が溜まり、歯茎の腫れが起こります。このとき、ズキズキした激しい痛みが伴い、顔の腫れや発熱が起こることも少なくありません。ただし、歯の神経がない場合や壊死している場合は痛みがないことがあります。重度のむし歯は、むし歯の除去、歯の神経の除去や洗浄などの根管治療が必要です。



~良性腫瘍や悪性腫瘍~

歯茎の腫れによって良性腫瘍や悪性腫瘍が起こることもあります。歯に合わない被せ物があると、歯茎への刺激によって良性腫瘍ができることがあります。また、歯茎にできる悪性腫瘍は歯肉がんと呼ばれ、口腔がんの一種に分類されます。悪性腫瘍は口内炎のような見た目をしていて、時間が経つと大きくいびつな形になるのが特徴です。基本的には外科治療による切除が一般的ですが、口腔がんや歯肉がんのような悪性腫瘍の場合は、外科治療による切除・放射線療法・抗がん剤治療といった治療方法が行われます。


~歯根破折~

歯根破折は歯の根っこにヒビが入っている状態で、ヒビに細菌が入りこむと歯茎が腫れることがあります。神経を抜いたことにより歯根の強度が低下したり、食いしばりや歯ぎしりなどで過度な力が加わったりすることが主な原因です。歯根は歯茎に覆われており、神経を抜いていると痛みを感じにくいため、ヒビが入っていることに気づかない場合があります。歯茎の腫れ以外に歯茎の出血・膿・ズキズキとした痛み、歯のぐらつきといった症状が現れることもあり、自然治癒は難しい病気です。そのため歯根破折は、抜歯後に人工歯を入れる・抜歯後に割れた歯をセメントで再植するなどの治療法を取り入れます。



【歯の病気以外で歯茎が腫れる原因】

歯茎が腫れているときは、歯の病気以外の原因も考えられます。どのような原因があるのか確認してみましょう。


~寝不足や過労によるストレス~

歯茎の腫れは、寝不足・疲れなどによるストレスが原因の1つです。ストレスが溜まると、自律神経が乱れて免疫力の低下を招き、歯茎が細菌に感染して一時的に歯茎が腫れることがあります。また、寝不足・疲れなどのストレスで自律神経が乱れると、唾液の分泌量が少なくなります。唾液には、歯垢、食べかすを洗い流す自浄作用や、口の中の細菌の増殖を抑える抗菌作用があり、むし歯や歯周病といったトラブルから守ってくれます。そのため、分泌量が少なくなると細菌が活発になり、歯茎の腫れを引き起こすことがあるのです。



~誤った歯磨き方法によるもの~

歯の表面や歯と歯茎の境目などに付着している歯垢には多くの種類の細菌が住み着いており、むし歯や歯周病の原因となります。歯茎の腫れは歯垢の中の細菌に対する防御反応の1つです。そのため誤った歯磨き方法で歯垢が残っていると、歯茎が腫れやすくなります。歯垢はネバネバとした白い物質でうがいをするだけでは落ちません。正しい歯磨き方法でしっかりと歯垢を落とすことが歯の健康につながります。




~薬の副作用によるもの~

高血圧に用いられる降圧剤・抗てんかん薬・免疫抑制薬といった薬の副作用で歯茎の腫れが起こる場合もあります。薬の副作用による歯茎の腫れは、薬の種類や量の変更、歯垢や歯石の除去といった方法で対処するのが一般的です。




~口内炎によるもの~

口内炎は頬の裏や舌、のどなど口の中の粘膜にできる炎症の総称で、歯茎にできることもある病気です。口内炎には以下のような種類があります。

・疲労や寝不足、栄養不足などによる免疫力の低下が原因と考えられている『アフタ性口内炎』
・入れ歯の不具合や頬の内側を噛む癖などによる細菌の増殖、火傷、薬品の刺激などで起こる『カタル性口内炎』
・ウイルスや細菌の増殖が原因で起こる『ウイルス性口内炎』
・食べ物、金属などの刺激で起こる『アレルギー性口内炎』
・喫煙が原因となる『ニコチン性口内炎』          など

病院では原因や症状に合わせて塗り薬・抗菌剤・レーザー治療などで治療が行われることが一般的です。



~親知らずによるもの~

親知らずが傾いて生えている、歯茎に半分埋まっているなど正常な生え方でない場合、親知らずの周囲に細菌が感染して炎症し、歯茎が腫れることがあります。親知らずは磨きにくいことから歯垢が残ってしまい、むし歯や歯周病による歯茎の腫れが起こる場合もあります。親知らずによる歯茎の腫れは、免疫力が低下したときや、口の中の不衛生なときに起こりやすいです。病院では炎症部分の洗浄、消毒、抗菌薬などで治療が行われます。また、親知らずの状態や症状によって抜歯が必要になることもあります。



~根管治療が不十分なことによるもの~

過去に根管治療(歯の神経の治療)をして、詰め物や被せ物をしている場合、根管治療が不十分だと詰め物や被せ物の中で細菌が増殖し、炎症が起きて歯茎が腫れることがあります。また、詰め物や被せ物、接着剤などの材料には寿命があるため、経年老化して細菌が侵入しやすくなるのも原因の1つです。過去の根管治療の影響で歯茎が腫れているときは、根管治療の再治療を行って症状を改善します。



【歯茎の腫れを予防できるセルフケア方法】

病気によって歯茎が腫れている場合は、歯科医院を受診して医師に相談しましょう。病気以外のことが歯茎の腫れの原因となっている場合は、日常的なケアによって歯茎の腫れを予防できることがあります。ここでは歯茎の腫れを予防するセルフケア方法をご紹介します。



~生活習慣を整えてストレスをためないようにする~

寝不足や疲労などによるストレスは、歯茎の腫れの原因となるため、生活習慣を整えてストレスを減らすようにしましょう。規則正しい生活を意識することで体内リズムが整い、ストレスへの抵抗力が高まります。生活習慣を整えるには以下のような方法があります。

①朝は決まった時間に起きて太陽の光を浴びる
②昼間はしっかりと活動して体を動かす
③就寝の2~3時間前までに入浴する
④寝る前にスマートフォンやパソコンなど強い光を浴びない
⑤軽い有酸素運動を習慣化する
⑥好きな音楽を聴いたり旅行を楽しんだりする

なるべく自分の好きなことをリラックスする時間を作るとストレスの解消につながります。


~バランスのとれた食事を心がける~

栄養不足による免疫力の低下も歯茎の腫れを引き起こします。

・野菜、果物、魚介を食べる機会が少ない
・インスタント食品やファストフードばかり食べている
・過度な食事制限ダイエットをしている

といった方は、栄養が偏りやすくなります。免疫力を高めるために、1日3食の中でさまざまな栄養をバランスよく摂るようにしましょう。また、腸内環境が悪化すると、自律神経が乱れて免疫力の低下を招く可能性があります。乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌や食物繊維などを含む食品を取り入れて、腸内環境を整えることもおすすめです。


~使用している歯ブラシを見直す~

歯茎の腫れを予防するには、歯磨きでしっかりと歯垢を取り除くことが大切です。現在使用している歯ブラシが自分に合っていないと磨き残しの原因になるので下記のポイントを参考に見直しましょう。

ヘッドの大きさ→歯ブラシのヘッドが大きすぎると磨き残しが増えます。さまざまなサイズがありますが、上の前歯2本程度の大きさが目安です。
毛質の硬さ→歯ブラシの毛質の硬さは、大きくわけて『かため』『ふつう』『やわらかめ』があります。『かため』の歯ブラシは歯や歯茎を痛める恐れがあり、歯と歯茎の隙間や歯と歯の間の歯垢を磨き残してしまうことがあります。そのため、適度な硬さで歯垢が落としやすい『ふつう』を選ぶのがおすすめです。
グリップ→歯ブラシのグリップを軽く握ったときに、フィット感が良いものを選らびましょう。



~歯みがき方法を見直す~

歯磨きは1日3回食後に行うのが基本です。歯ブラシの持ち方は鉛筆のように持つペングリップと、手のひら全体で握るバームグリップがあります。ペングリップは余計な力が入らないので歯や歯茎へのダメ―ジは抑えられます。握力が弱い方、お年寄りの方はバームグリップの方がしっかりと磨けるでしょう。正しい磨き方は以下の通りです。

歯の表側→歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを当てるようにして2~3㎜程度を目安に小刻みに歯ブラシを動かして磨きます。
歯の裏側→前歯の裏側を磨くときは、歯ブラシを斜め45度に傾けて磨きましょう。
歯の噛み合わせ→歯の噛み合わせ部分の溝には歯垢が溜まりやすいため、歯ブラシを小刻みに動かして念入りに磨きましょう。
歯の根元→歯の根元にある歯周ポケットは、歯垢が溜まりやすい場所です。歯ブラシの毛先を45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当てて、回転させるように掻き出して磨きましょう。
歯と歯の間→歯と歯の間は歯ブラシの毛先が入り込みにくいため、磨き残しが起きやすい場所ですので小刻みに動かして磨きましょう。


~デンタルフロスや歯間ブラシを使う~

歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは落としにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することもおすすめです。

デンタルフロス→デンタルフロスは歯と歯の間に差し入れて、のこぎりのように前後に動かしながら歯垢を掻き出す道具です。デンタルフロスは、必要な長さを切り取って指で操作する糸巻きタイプと、フロスがついているホルダータイプがあります。初心者の方はホルダータイプが使いやすいでしょう。
歯間ブラシ→歯間ブラシは歯と歯の間が大きいときに使うもので、歯と歯の間に入れて数回往復させることで歯垢を取り除きます。歯間ブラシには前歯に使いやすいストレートタイプと、奥歯に使いやすいⅬ字タイプがあります。歯間ブラシを使う場合は、前歯や歯茎にダメージを与えないように歯と歯の間よりも少し小さめのものを選びましょう。


~クリニックで定期的にクリーニングする~

歯科医院では専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除くクリーニングを受けられます。日常的なブラッシングでは取り除けなかった歯垢や歯石を除去できるため、クリニックで定期的にクリーニングを行いましょう。むし歯や歯周病などを早期的に発見できたり、ブラッシング指導を受けられたりするのもクリニックでクリーニングを行うメリットのひとつです。



~歯茎のセルフチェックを行う~

健康な歯茎はうすいピンク色をしており、歯と歯の間の歯茎が引き締まってきれいな三角形をしています。歯と歯の間の歯茎が丸みを帯びてふくらみ、赤くなっているときは歯茎が腫れている状態です。痛みがなく歯茎の腫れに気づかないこともあるため、日ごろから歯茎の状態をセルフチェックしておきましょう。




 
2023年10月31日 11:06

歯周病予防ケア

①毛先の細い歯ブラシで磨く
すでに歯周病になっている方や、歯茎から血が出るという方は毛先の細い歯ブラシで磨くと良いでしょう。
歯と歯茎の間には、「歯周ポケット」という溝があります。
この「歯周ポケット」に歯ブラシの毛先を入れ込むようにして磨くと、歯周病に効果的です。
この時、毛先が平らにカットされている歯ブラシを使っても良いですが、毛先が少し細くなっている歯ブラシだとより効果的ということです。
すでに歯周病になっている方は、硬い歯ブラシだと痛みを感じることがあるので柔らかめ~普通の硬さの歯ブラシを使いましょう。
「歯と歯茎の境目も磨く」というのを意識しながら磨きましょう。

②歯周病予防の歯磨き粉で磨く
現在、歯磨き粉は様々なものが売られています。
市販されているだけでもかなりの数なのでその中から1つを選ぶのは簡単ではありませんよね。
基本は、「フッ素」が含まれている物が多いでしょう。
今、出血などがなく、歯茎が健康で引き締まった状態である場合は、どの歯磨き粉を使っても大差はないです。
歯磨き粉はあくまでも補助的なものであり汚れが落ちるかどうかは「歯の磨き方」にかかっているからです。
ただ、歯周病と言われたり、歯茎から出血が目立つ方は歯周病用の歯磨き粉を使って磨くと良いでしょう。
それらには、歯茎を活性化させたり細菌をつきにくくする成分などが含まれています。
歯ブラシだけでなく歯周病予防歯磨き粉の力を借りることでより効果的に歯周病ケアを行うことができます。

【やめるべきこと】
①喫煙(タバコ)
喫煙(タバコ)をやめない限りは、歯周病治療をしてもなかなか治りません。
1日10本以上タバコを吸うと歯周病になるリスクが5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍にも上昇すると言われています。
タバコは身体に悪いだけでなく歯や歯茎にとっても良くありません。

②早食い
唾液には、汚れを洗い流したり殺菌したりする効果がありません。
しかし早食い=食べ物をよく噛まないでいるとその唾液が十分に出ません。
これは歯周病やむし歯、口臭に繋がります。

歯周病を放置していると、歯茎から血が出たり、口臭を感じたりします。
さらに進むと歯周病菌により歯が揺れ、しまいには勝手に抜けてしまうこともあります。
歯周病が怖いのは「痛みが出にくい」ということです。むし歯であれば歯が黒くなったり痛みが出たりするので気づくことができます。しかし、歯周病はそうではありません。自覚症状がないまま進行し、自覚症状が出るころには手遅れということがあります。



 
2023年10月28日 10:58

歯にものが挟まる

気が付くと歯にものが挟まりやすくなっていた、食後につまようじを使いたくなることがある、など歯と歯の間にものが挟まりやすくなってきたと感じることはありませんか?歯にものが挟まると気になったり口臭の原因になったりしてしまいます。なぜそのようなことが起こるのか、またその対処法をみていきましょう。



【歯にものが挟まる原因】
歯にものが挟まる原因としては歯と歯の隙間が大きくなってきたり、段差があることで引っかかったりしてものが詰まります。隙間や段差ができてしまう理由はいくつかあります。

①むし歯
むし歯ができると穴があいて、ものが詰まったり引っかかったりします。また、以前にむし歯治療した箇所でも被せ物の下にむし歯ができたりすると、被せ物がずれてきてものが挟まりやすくなります。

②歯周病
むし歯以外でものが挟まりやすくする原因としては、歯周病が考えられます。歯周病になると歯を支えている歯茎が段々と痩せてきて、歯と歯の隙間ができるようになります。その隙間が大きくなると食べ物などが挟まるようになるのです。

③噛み合わせの不具合
噛み合わせがずれていると力のかかり方に偏りが出てきて歯が徐々に動くため歯と歯の間に隙間ができることがあります。また、歯並びで周囲の歯と段差がある場合もものが挟まりやすくなります。




Q.歯にものが挟まるとどうなるの?

A.ものが詰まったままだと、歯や歯茎に悪影響を及ぼしむし歯や歯周病を引き起こしたり、口臭の原因になったりすることがあります。

特に歯茎は影響を受けやすく、食事などの際にものが挟まった状態で咀嚼するのでものが歯茎に押し込まれていき、次第に歯茎が下がってしまいます。歯周病になりやすくなって細菌が炎症を起こし、さらに歯茎が下がってしまうという良くない循環に陥ります。また、むし歯が原因でものが挟まったままだと、そこからさらにむし歯が広がっていってしまいます。



【ものが挟まる場合の治療法】
むし歯や歯周病は歯科医院に行って治療してもらいましょう。

・むし歯の場合
歯科医院に行きむし歯の箇所を治療して穴を塞いだり、被せ物をより適したものにしましょう。また、歯と歯の間はむし歯になりやすいので、普段のホームケアも大事です。歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯の間に挟まったものをこまめに取り除き、むし歯予防につなげましょう。

・歯周病の場合
歯周病は歯ぐきや顎の骨が歯周病菌に侵されて炎症が起こり、少しずつ顎の骨が吸収されていく病気です。そのため歯茎が徐々にやせて下がり、その結果として歯と歯の間にむし歯ができてものが挟まりやすくなります。また、歯周病が進行するとものを噛んだ際にも歯が揺れる為、隙間ができてものが詰まります。歯科医院に行って症状に適した方法で治療しましょう。重度でない場合、治療を進めると歯茎が引き締まって隙間がなくなってくるので、ものが挟まりにくくなります。むし歯と同じように、毎日のホームケアで磨き残しがないように歯磨きするようにしましょう。歯ブラシだけでなくデンタルフロスを使用し、定期的に歯科医院に通って歯周病予防につとめましょう。歯周病は口腔内だけでなく、糖尿病や脳梗塞などの全身に関わる病気を引き起こす原因になるとも言われているので、早めの診察をおすすめします。

~その他~
噛み合わせが良くなかったり、食いしばりや歯ぎしりなどで歯が移動したりしてしまう人は、歯が移動しないようにマウスピースなどで予防しましょう。


【まとめ】
歯にものが挟まる原因はそれぞれですが、むし歯や歯周病などの病気が原因の場合もあります。歯や歯茎の状態に問題がないか診察してもらうように、定期的に歯科医院に行って病気になる前に予防しましょう。
 
2023年10月17日 10:21

口内も衰える、唾液の減少

【口内も衰える、唾液の減少】
歳を取ると、身体のあちこちが痛くなるだけでなく、反射機能や運動機能も落ちて生活をするのにも少し支障が出てきますよね。
それは口内も同じです。口内の中でも加齢の影響をよく受ける器官があります。
それは唾液腺です。唾液腺とは唾液を分泌するための腺で、汗を分泌する汗腺やリンパ液が流れ込むリンパ腺などと同じような分類です。
唾液の分泌は老化と共に落ちていきます。高齢者の皆さんは唾液しっかりと出ていますか?
【唾液腺の種類】
唾液腺は大きい物から小さいものまで何種類もあります。
その中でも人間の生活に大きく関係しているのは3ヶ所です。
耳の下にある耳下腺・顎の下にある顎下腺・舌の下にある舌下腺です。
これらは3大唾液腺と呼ばれていて主に唾液の分泌量減少や、唾液腺疾患になるとこの3ヶ所に注目が集まります。
唾液腺の中でも安静時に最も分泌してくれているのは顎下腺で、食事をしていて咀嚼をしている時に分泌してくれるのは耳下腺です。
唾液腺も1つ1つの役割が違うのです。
〈耳下腺〉サラサラ
〈顎下腺〉サラサラ、ネバネバ(混合腺)
〈舌下腺〉ネバネバ
サラサラ…副交感神経がコントロール(食事中やリラックス時に分泌されやすい)
     水、イオンが多く分泌され、唾液アミラーゼなど多く含む
ネバネバ…交感神経がコントロール(ストレス時に分泌されやすい、水の分泌が減り、ムチンを多く含む、細菌を絡めとり、体内への侵入を防ぐ、口の中の粘膜を守り、保湿する
     

【唾液の働き】
唾液は、1日1~1.5リットル分泌され歯や口の粘膜を守ったり、虫歯の予防をするなど様々な効果があります。
1.口の中の水分を保ち、乾燥を防ぐ
2.消化液として働く
3.食塊を形成して、飲み込みやすくする
4.食物から味成分を溶かして味を舌で感じさせる
5.発音を滑らかにする
6.口の中を綺麗にし、口腔粘膜を保護する
7.歯を石灰化し、歯を守る
8.口の中の細菌の増殖を抑制する
9.酸やアルカリをやわらげる


【唾液が少なくなることによる影響】
唾液が分泌されないことで口の中の清掃性が落ちることになります。
口の中が不潔になるということは、むし歯が増えていき最終的に歯を抜かなければいけない状況にもなりかねないということです。
実際、歯が少ない人の多くは唾液の分泌量が十分ではなく、清掃性が劣っています。
唾液は食べ物を飲み込みやすくする効果や細菌の活動を抑制させる効果がありますが、一番は口の中を清潔に保つということです。
唾液が分泌されにくいとむし歯になりやすくなりますので注意が必要です。

【予防のポイント】
・噛む回数を増やして唾液の分泌を促進する
・こまめに水分補給をする
・うがいの回数を増やす
・洗口剤を使う




 
2023年10月14日 14:07

歯茎の健康

歯茎の色がくすんできた、自分の歯茎は健康なのかな?と気になったことはありませんか?
実は歯の色と同じくらい歯茎の健康は大切です。そこで今回は、歯茎の健康について解説します。



☆健康な歯茎の状態はどういう状態なのか?
鏡を用意してご自身の歯茎を確認してみましょう。

・歯茎の色
・歯茎の引き締まり
・歯と歯の間の歯茎の状態
・歯茎が下がっていない
・歯茎からの出血

これらについて解説します。



歯茎の色
健康な歯茎の色は、ピンク~赤色です。濃い赤色、赤紫や赤黒い色を帯びていると要注意です。

歯茎の引き締まり
歯茎に触るとぶよぶよしていませんか?ぶよぶよした触感は要注意です。健康な歯茎は引き締まっています。

歯と歯の間の歯茎
歯と歯の間の歯茎の形を見てみましょう。三角形の形をしていますか?健康な歯茎は綺麗な三角形です。

歯茎が下がっていない
以前と比べて歯が長く見えると感じたことはありませんか?これは歯肉退縮という症状です。本来歯肉で覆われている歯質が露出する状態です。

歯茎からの出血
ブラッシング時に注意してみてください。歯茎から出血していませんか?歯間ブラシやデンタルフロスを使用するときも、健康な歯茎なら出血しません。


☆健康な歯茎を保つ方法4つ
健康な歯茎を保つ方法はご自身の日々の努力でできることと歯科医院で行うことがあります。

・食後に歯垢を落とす
・歯間ブラシ、デンタルフロスを毎日使用する
・タバコを吸わない
・歯科医院で定期的に歯石を除去する

これらについて説明します。



食後に歯石を落とす
食後の歯磨きは口腔衛生を清潔に保つ基本です。少し歯磨きをさぼっただけで歯肉の炎症の原因になることがあります。

歯間ブラシ、デンタルフロスを毎日使用する
歯と歯の間の歯垢は、ブラッシングだけでは取り除けません。歯間ブラシやデンタルフロスをお口の状態に合わせて併用しましょう。出血の有無を日常的に確認することもできます。

タバコを吸わない
喫煙は歯ぐきの毛細血管を収縮させ、歯茎に悪影響を及ぼします。お口の健康のためにも禁煙を推奨します。

歯科医院で定期的に歯石を除去する
歯石は毎日のブラッシングでは除去できません。歯科医院でスケーラーという器具を使って取り除きます。ご自身では歯や歯茎を傷つける危険があるため歯科医院で行いましょう。



【歯茎の健康は歯、体の健康】
歯茎の健康は歯の健康に密接に関係しています。歯茎が健康であれば歯の寿命も長引きます。日ごろから歯茎の状態を確認し、デイリーケアを行いましょう。セルフケアだけでは取り除けない歯石は歯科医院で清掃するようにしましょう。

 
2023年10月10日 12:22

虫歯の色は黒だけじゃない、初期虫歯について

【虫歯の色は黒だけじゃない、初期のむし歯】
実は、むし歯の色は黒だけではありません。初期のむし歯には白色のものがあり目立たない上に痛みを感じないため、見逃しやすいのです。

【初期のむし歯が白くなる過程】
①むし歯が出す酸によって歯のエナメル質が溶け出し、「脱灰(だっかい)」が起こる
②歯の結晶の構造が崩れて隙間ができ水や空気が入り込む
③光の屈折率に違いが生じ、白く濁って見えるようになる
ですが、健康な歯も白色ですよね。どのように見分ければむし歯だと分かるのでしょうか。

【白い初期虫歯の見分け方】
・白い斑点や帯状の白濁がある
・透明感が失われている
・上の前歯とっ歯茎の間の境目にできることが多い

白いむし歯を放置しているとやがて穴が空いたり、茶色や黒色になったりする可能性があります。
乳歯や生えかけの永久歯は、大人の歯に比べると歯質が未熟です。
そのため、酸に弱く虫歯の進行も早く進むという特徴があります。また子供のむし歯を放っておくとその後生え変わる永久歯まで虫歯になりやすく、歯並びや顎の成長に悪い影響を与えることもあります。
さらに上記のような症状でもむし歯ではなく歯の表面のエナメル質が何らかの理由によって作られない「エナメル質形成不全」というケースも考えられます。

【白いむし歯は削るのか】
白い初期虫歯の治療は、歯を削らないことがほとんどです。
その場合は高濃度フッ素を塗布して様子を見ます。
その後、毎日の適切な歯みがきによって歯の修復(再石灰化)を促すと元の状態に近づけることが可能です。
しかし一番の理想は虫歯にならない状態を維持することです。

【予防のポイント】
・毎食後の歯磨きと毎日の歯磨きをする
・食事の感覚や甘い物、ながら食べに注意する
・定期的に歯科健診を受診する
特に寝ている間は唾液の分泌が減るため、虫歯のリスクが高まります。
就寝前の歯磨きはより丁寧にしましょう。
また、だらだら食べをしていると口内が酸性に傾き、歯の脱灰が進みます。
虫歯菌は糖をエサにして増殖するため、食事の目的や時間は決めて甘いものが好きな場合も適度に摂取するようにしましょう。
 
2023年10月07日 14:52

気圧性歯痛

【気圧性歯痛とは?】
虫歯や歯周病にも注意が必要ですが実は、「気圧性歯痛(きあつせいしつう)」という旅行中だからこそ起こりやすい歯の痛みがあります。

【飛行機に乗ると起こりやすい症状】
飛行機が離陸する時や着陸する時に「耳が詰まる、痛くなる」といった症状がでることがありますよね。
これは機内の気圧が変化することで鼓膜の内側と外側で「気圧の差」が生じてしまうためです。
こうした「飛行機に乗ると起こりやすい異常」は他にも「お腹が痛くなる、吐き気がする」といったものもあり航空会社の案内でも注意喚起されています。そしてその中には「歯痛」もしっかり紹介されています。飛行機に乗る以外でも気圧の変化、例えば台風や登山、高さのあるエレベーターなどで歯が痛くなることもあります。

【なぜ歯が痛くなるのか】
歯の内部には歯髄腔と呼ばれる血管や神経などが通っている空間があります。
雨などの悪天候によって気圧が低くなると外からの圧力が弱まり、歯髄腔内にある空気が膨張します。
膨張した空気が血管や神経を圧迫することによって歯に痛みが生じます。

【低気圧で傷みやすい歯の状態】
①虫歯や歯周病のある方や、歯茎や歯の根っこに膿が溜まっている方は気圧が低くなると歯が痛みやすい傾向にあります。
虫歯によって歯の表面に穴があき、日ごろは痛みが無くても気圧が低くなることで痛みが出てしまう場合があります。
また、歯周病や虫歯が悪化して膿が溜まっていると膿の袋が低気圧に膨張することで痛みが生じる場合もあります。
雨や台風などの気圧の変化により、歯周病がさらに悪化してしまうこともあります。
歯周病とは細菌感染によって発症する病気なのですが、気象の変化や免疫力が低下することで歯周病が悪化するのです。
このように気圧の変化で歯が痛むときは虫歯や歯周病が進行している時のサインの可能性があるため歯医者に行くことをおすすめします。

②歯の根っこの治療中の方
歯の神経を治療している状態だと痛みが出てしまう場合があります。
歯の神経を治療中は低気圧により歯の根っこの内部が膨張し、まだ残存している神経を圧迫して痛みが出ることがあります。
特に多いのが航空性歯痛です。
歯の根っこの治療中の方が飛行機に乗ると起こることがあります。
飛行機に乗り上空を飛行する時に気圧が低くなるため歯の内部の内圧が上がって痛くなります。
 
2023年10月03日 09:39
医院名
住所 杉並区阿佐谷北1-31-12-102
電話番号 03-3336-8004
 
午前診療
  9:00~13:00
午後診療
14:30~19:30
□・・・19:00まで、▲・・・16:30まで

診療科目

  • 歯科
  • 小児歯科
  • インプラント
  • 矯正
  • 口腔外科

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