歯垢について
歯垢(プラーク)・・・食べかすが歯の表面に付着し、細菌が繁殖したものです。見た目は白っぽく、舌で触るとざらざらしているのが特徴です。歯垢のうちはセルフケアで取り除くことができますが、歯垢を放置していると歯石になってしまい、自分での除去ができなくなってしまいます。歯石は細菌がつきやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。ブラッシングが主な口腔ケアの基本と言われています。
【プラークがつきやすい場所】
・歯と歯の間
・歯と歯茎の境目
・歯と歯が重なったところ
・奥歯の噛み合わせ
歯垢は歯の表面に強く付着しているため、うがいだけでは取り除けません。毎日の歯磨きに加えて、デンタルフロスを使うと、歯と歯の間の歯垢の除去率が約1.5倍にもなると言われています。また、歯磨きの際に、歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を45度の角度で当てて磨くバス法や、歯や歯肉に対して歯ブラシを直角に当てて横に小刻みに動かすスクラビング法を意識して磨くと良いでしょう。歯垢は、食後約8時間でつくと言われているため、食後の歯磨きも効果的です。
【細菌の種類】
歯垢は、ついている場所によって細菌の種類が変わります。
・歯肉縁上プラーク
歯の表面のみえてるところについている歯垢のことです。歯の表面についた歯垢が出す酸は虫歯の原因となり、歯肉との境目についた歯垢は歯周病の原因になります。
・歯肉縁下プラーク
人の目に見えない歯周ポケットの中にある歯垢のことです。通常歯垢は歯ブラシで取り除くことができますが、歯肉縁下プラークは歯周病が進行してできた深い歯周ポケットの中に付くため、ホームケアでは除去できません。
【歯垢・歯石のリスク】
①虫歯
歯垢の中に潜む虫歯菌が酸を出し、歯の表面を溶かしながら歯に侵入していきます。どんどん穴をあけ、最終的に神経にまで達します。
②歯周病
歯の周辺組織に細菌が侵入して繁殖し、骨を溶かしていく病気です。最後には歯が抜けてしまう怖い病気で日本人の約8割が歯周病と言われています。
③心筋梗塞や脳梗塞
プラークの細菌が歯茎の奥深くに入り込み、そこから血管に侵入することがあります。その結果、細菌は血管を通って全身へ散らばり、動脈硬化が引き起こされます。動脈が狭くなり血液の中で血が固まると、血栓が形成され心筋梗塞や脳梗塞になります。
歯科では、PMTCで歯垢の除去をしたり、超音波スケーラーで自分では取り除けなくなった歯石を除去することができます。痛み、違和感がなくても定期的に検診に訪れ、お口の中を綺麗に保ちましょう。
2023年04月25日 16:58