タバコがお口の中に及ぼす影響について
タバコは身体だけではなく、お口の中にも悪影響を与えます。今回はタバコがお口の中に及ぼす悪影響について4つ紹介します。
1つ目は タバコと歯周病 です。
たばこと歯周病は密接に関係しています。たばこは口から吸います、そのため体の中に最初に喫煙の影響を受ける部分は口になります。たばこの煙や成分は口腔内に入ると有害物質が粘膜や歯茎から吸収されて血液循環が悪化し、充分な酸素が全身の細胞にいきわたらなくなります。
その結果、歯周ポケットの中で歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
また、ニコチンには血管収縮作用や、血流障害を起こすため歯茎の炎症が抑えられてしまい、腫れや出血が出にくくなって、歯周病が進行していることに気づくのが遅れてしまいます。
タバコのタールの成分は付着すると歯周病の原因となるプラーク(歯垢)や歯石をさらに付きやすくしてしまいます。
2つ目は タバコと口臭 です。
タバコによる口臭は主にタール・ニコチン・一酸化炭素によって引き起こされます。
間接的には歯周病などによって口臭が起こります。
タール:タバコに含まれる成分のうち粒子成分であるタールはヤニとも呼ばれています。
油分を含んでいるため、歯や舌に絡みつくように付着し、口腔内にとどまらず肺の内部からタバコ特有のにおいを発する原因になります。
ニコチン:ニコチン自体は臭いを発することはありませんが、唾液の分泌を抑制する作用があります。唾液の分泌量が減少すると口腔内の自浄作用が機能しなくなり、口腔内が乾燥することで雑菌が増殖し口臭の原因になります。
舌苔:舌の表面にこびりつく苔状の汚れを舌苔といいます。舌苔は非喫煙者でも口腔内の乾燥によって発生しますが、飲食や歯磨きなどにより、除去されていきます。一方で喫煙者の舌苔は油分を含んだタールが絡みつくように付着しているため、簡単には除去できません。
はじめは白い苔のような舌苔がやがて茶色く変化し、強い口臭の原因になります。
3つ目は タバコと歯茎 です。
健康的な歯茎がピンク色をしているのは歯茎の中にある毛細血管が透けて見えているからです。
タバコを吸うと、ニコチンの影響で歯茎の毛細血管が収縮し、血管内を流れる血の量が少なくなるため、歯茎が黒ずんで見えるようになります。
また、タバコを吸うと、有害物質から歯茎を守るためにメラニン色素が作られます。通常、メラニン色素の働きは体内のビタミンCによって抑制されますが、タバコを吸うと体内のビタミンCが大量に消費されるため、色素沈着が起こりやすくなります。喫煙歴が長くなるほど、歯茎はどんどん黒ずむのです。
4つ目は タバコと虫歯 です。
タバコを吸っている人と、吸っていない人では虫歯になるリスクが違ってきます。
タバコを吸っているから虫歯になって、吸っていないから虫歯にならないわけではないです。ですが、タバコを吸う人は虫歯が発生しやすい口腔環境を作りやすい傾向にあるということです。喫煙習慣がそのまま虫歯に繋がるのではなく、あくまで間接的な影響をもたらします。
また、タバコを吸う人は唾液の分泌量が減少します。そのため、口の中が乾きやすくなり「ドライマウス」の状態が続くことで口の中がねばねばしたり、のどが渇きやすくなったりするなどの症状が出ます。そして何より、唾液にある殺菌作用や抗菌作用が減弱することから虫歯菌が増殖しやすくなってしまいます。
定期的な歯科健診と、ご自身に合った歯の磨き方で口の中を守りましょう。
2023年02月08日 10:57